行灯
お気づきかと思いますが一応。香菜は浩二の自主練をこっそりずっと観てました。これが、浩二の努力を香菜が知っていることに繋がります。
外が、夕暮れと言うには少し早いくらいの明るさのとき、香菜がゆっくりと目を覚ました。彼女の目は、少し紅く腫れていた。きっと、俺のために泣いてくれたのだろう。どのくらいの間その体勢でいたのだろうか、顔にはくっきりと手の跡が付いていた。
香菜は、沈みゆく日に逆行するかのように目を開けていく。完全には開ききらないところで、ようやく状況を理解したようだった。まぁ、少なくとも俺のほうが今の状況を理解できてないだろうけど。
「こーくん!!いつ起きたの!?」
「ん〜ついさっき?」
本当はそこそこ前から香菜のことを見ていたのだけどそれは言わないでおく。知らせないほうがお互いに得なのだから。
「も〜起きたのなら私のこと起こすでしょ普通。」
「あいにく普通が身についてないもんでね。」
「確かに…」
「そこは納得しないでほしかったかな。」
「フフッ、そう思わせるようなことしてるからだよ。」
「まぁ、否定はできないけどさぁ…。」
久しぶりだな、こうやって香菜と軽口を叩き合うのは。
「やっぱりこーくんは私がいないとだめだね。」
「…ん〜そうなのかもな。」
「え、なんでそんなに素直なの?頭でも打った?」
「うん打ったけど。」
「あ、そうだった。」
「…ふっ、アハハハハハ!」
香菜はやっぱり少し抜けているところがあるな。
「も〜笑うなー!」
「…ふー。ごめんごめん。とりあえず香菜がポンコツだってことが再確認できて良かったよ。」
「ッん゙、何が『良かったよ』よ。
まぁでも、笑えるくらいには元気ってことね。」
「そりゃもちろん俺はずっと元気だよ。」
香菜が元気でいる限りな。
それから、香菜からはここ数日の話を聞いた。香菜が学校の先生から事情聴取を受けたこと、俺の親が急停車よりも早く来たこと、などなど。話を聞く限り、香菜は結構迷惑を被ったみたいだった。
「なんか、色々ごめんな。倒れた日のことも、その前のことも。」
「もうごめんじゃ済まないよ。約束して?もう無理はしないって。」
「うん。約束する。」
「ぜっっったいだからね?」
「香菜の頬の手の跡に誓って絶対!」
「ッ、こーくんってほんっとうに意地悪だよね。」
「香菜は本当にポンコツだよな。」
「そういうとこ!!」
今更ですが、時系列的には最初の話「芽吹き」が入学して間もないころです。(5月前くらい)
香菜が全国に行ったのは3月の大会です。(現実とはリンクしてません)
そろそろ最初の方の話を、伏線や時系列、性格や口調の整理のために書き直しするかもしれません。ご理解の程お願いいたします。
後、笑いの表し方が未だにつかめません。誰か教えてください。
では、今回はこれで以上です。




