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【ハルカ彼方遠イ未来のサキで】  作者: 望月雲の介
【ウィズダム魔導学校編】
11/12

【第七章 傲慢なプライド】

 第七章 傲慢なプライド


 さぁ、あのユウキ先生にどうやって仕返ししてやろう。ねちっこいことをしてもあの先生は華麗にスルーされてしまう、もっと生徒や先生に見せしめにするように仕返ししてやりたい。ユアが言うには『決闘』と言う勝負があるらしい、勝った人が事前申請した誓約書に書いたことが負けた人に執行され、負けた相手はそれに強制的に従わないといけないというものがあり、決闘審判立会人が最低一人必要でこの人は二人に公平でなくてはいけない。その人の前で両者は決闘を承認する魔導水晶の前で自身の書いた誓約書を読み上げ誓約する。もしこの誓約を片方が破った場合、片方は相当のペナルティが課される。というものらしい。私はこれだと思っている。

 しかしな~、ユウキ先生に決闘を吹っ掛けるタイミングというものが見つからん。

 ユウキ先生がこの廊下を歩いているといいんだけど——、いたよ。先生がこっちの方向に歩いてきている。

 私はユウキ先生の方を向きにやりとほくそ笑む。

 すると、先生もこちらに気付き、早歩きでスタスタと歩いて私の横でビタッと止まった。そして、

「おい、何こっち見てニヤニヤしてるんだゴミムシ劣等生、お前は俺が通るとき地面に這いつくばるような土下座をして俺を見送る義務があるんだ」

 と、私の耳に周りには聞こえないような声で暴言を吐いてきた。

 さっきまで、他の生徒が通るときは笑顔で「こんにちは」とか言ってたくせに、私んところに来た瞬間にらみつけるような怖い目でこっちを見てくる。これが、貴族社会が生んだ醜い化け物か、と思い知らされる。

「いや、そんな校則この学校には書いてありませんでしたよ? 確かに、魔導機械コースの生徒は魔導剣士コースの使用している者に許可なく触れるべからず的な校則は書いてありましたよ? ぷぷ、魔導剣士コースのエリート先生でも校則のことは度忘れしちゃうんですね~?」

 さぁ、このくそ腹立つ煽りにどう出るユウキ・グラスせ、ん、せ、い?

 おっと先生の表情が下を向いてるせいで見えないと思ったら、至近距離で拳をみぞおちに入れてこようとしてきた。

 私はこの前にもあったかもしれないが軽いステップで後ろに下がりその拳を回避した。

「あ?」

 ユウキがこちらを睨みつけてくる。

「あれ? 先生また殴ろうとしましたね~? でもまたまた当たらない~、十二歳に避けられる拳~」

 このショタフェイスのクソガキに煽られる大人という構図はこの人にとってさぞかし屈辱的だろうかと思いつつも、私はさらに煽った。

 ユウキもさすがに屈辱的だったのか肩がぴくぴくと上がり、拳を強く握り始めた。

 廊下を歩いていた周りの生徒もこの異変に気付き、すこしざわつき始める。

「なっ、なんで僕をそんな目の敵にしたいのかな?」

 かろうじて笑ってる顔で私を見る。

「いやだって、この前ナナミ先生を理不尽な理由で罵倒したじゃないですか……?」

 私は口角を不気味に引きつらせて、ユウキを睨む。

「………っ! そ~れ~は~、あいつが悪いんだろ? 俺と身分不相応とも知らずに俺に交際を持ちかけた方がおかしいよな~?」

 ようやく化けの顔が剝がれやがったな……。

「貴様そんな俺を馬鹿にするなら決闘だ!」

 よし、計画通り。ここまで簡単に誘導できるなんてな……。

「いいですよ。まぁ多分俺が勝ってしまうんで、五番勝負とかどうですか?」

「くっ……! いいだろう五番勝負の決闘だ! 詳細は後日決めよう。もう授業が始まるからな」

 おぉ~、流石一応教師なだけではある。ちゃんと職務はまっとうするらしい。感心感心。

「分かりました」

「いつか、お前を殺す〈デデン〉」

 ユウキは去り際に私の耳元でそう言った。

………やっぱ私こいつ嫌い。


        ×   ×   ×


「で、喧嘩をふっかけてきたと」

「はい」

 私はユアに呼び出され、ユアの部屋に来て正座をしていた。

「まぁ、この前ユウキ先生に私たち二人がいるところを見られた時、すごい怖かったし、多分兄さんに手を出そうとしたよね? だから分からなくはないよ。だ・け・ど・ね! 兄さん! 五番勝負はやりすぎ、先生は魔導剣士コースの先生で魔法も剣もこの国では上級に入るほどの腕だよ。し・か・も! 兄さん今魔法が使えないじゃない?」

「あ」

「え?」

「忘れてた」

「え?」

「この魔封じの腕輪、この学校の敷地外では作用しないからすっかり忘れてた……わ」

「えー‼‼ 兄さんどうすんの?」

 ユアは焦り、部屋内をばたばたしている。私はその様子を見てようやく事の重大さに気付く。

「やばいな、何か策を練らないと……」

「どうすんのーーーーー!!!!」

 ユアは部屋中を木霊する声で絶叫した。


        ×   ×   ×


「ふー」

「ようやく落ち着いたか」

「かろうじてね」

ユアはなぜエオンがこんなに平然なのか信じられなかった。この兄には何か策があるのか?

兄はこういうところで頭が働くタイプだと思ってる。昔、兄が父とやっていた模擬戦でも頭を使い、一度父から一本取ったことを思い出す。

「さぁ~、どうすっかね~」

 これは、だめかもしれない。そんな言葉が頭をよぎった。一応ユアはエオンに釘を刺す。

「兄さん、決闘のルールって知ってる?」

「うん知ってるよ、あれでしょ? 負けたら相手が書いた契約書に書かれたことに従うだけでしょ?」

 エオンはそんな曖昧な理解だった。

(はぁ~)

 ユアは溜息を吐いた。

「兄さん、もしね。契約内容に退学とか財産没収とか下手したら奴隷送りとか最悪死刑なんてこともあるんだよ……」

「………。えっ……? まじ?」

「おおマジだよ、兄さん」

 兄さんが微笑んで床に倒れた。


        ×   ×   ×


 ユウキと決闘のもろもろを決める日が来てしまった。

 ユウキに案内された場所は学校の豪華絢爛な大聖堂的なところだった。

 そこには立会人の別の年老いた眼鏡の先生。

「よく来たな二人とも」

「はいアルブック先生」

 この眼鏡おじいちゃん先生はアルブック先生と言うらしいが、授業を受けたことがないので普通に知らない。

「では決闘の内容を決めようか」


 私たちは数十分の議論を重ね、決闘のルールと誓約書の内容が決まった。

 今回の決闘の内容はこうだ。


~ルール~

 両者は正々堂々戦い、勝敗が付いたら、その結果に納得し、相手の契約書に従わなければならない、契約書に従わない場合は相手が課すペナルティを受ける。

 また、何人たりともこの戦いに手を出してはならない。

 また公平性を損なう勝負はしてはならない。行った場合は相手が課すペナルティが発生する。

 今回の決闘は五番勝負。

 一番目の決闘 料理対決

 二番目の決闘 学力対決

 三番目の決闘 剣技対決

 四番目の決闘 ボードゲーム対決

 五番目の決闘 模擬戦



 ざっとこんな感じだ。

 しょっぱなの対決は料理対決で三日後だ。

 料理対決か……。もはや某アニメの食●じゃないか?と思いつつ、最近始めたぐらいでまともな料理を作れるか不安要素が残り、本当にこの対決で良かったのか?とも思いつつ。

まぁ、どうにかなるだろ精神で家に帰って料理の試行錯誤に取り組もうとと考えながら、家に帰った。


        ×   ×   ×


 家に帰った私は早速台所と向き合っていた。

「さてどんな料理を出すかな……っていうか、なんでお前がここにいるんだ? ユア」

「まあ、いいじゃないの~」

 私の部屋で優雅に出された紅茶を飲むユア。

「………。ていうか、なんで俺の部屋を知ってるんだ⁉」

「それはね、兄さんの担任の先生に聞いたら、住所が書かれた紙をくれたの」

「えっ?」

 なにそれプライバシー皆無じゃん。しかも、私とユアは学校では兄妹とは名乗っていないし、ユアはエルフ特有の耳を人の耳のように見せる魔道具を使っていて、人間族のようには見えるけど私と容姿や髪の色が全く違く、一応学校ではユアとはそんな会話をしないんからほぼ赤の他人のはずだが……なんであの先生さらっと私の個人情報を渡しちゃうのかな……?

「まあ、そんなことはいいでしょ」

「うーん……」

 そんなことで治められるものではない気がするけど……。まぁ、いいや。

「で、何しに来たんだ?」

 少し呆れながら聞いた。

「いやさ、最初の対決が料理対決ってきいたからね、味見役が必要かと思って」

「別に自分で確かめられるし――」

「客観的な意見が必要だと思うけどな~」

「分かったよ、ちょっと待ってて」

 私はフライパンを振り、食材を混ぜ合える。

「ていうか、対決に使う食材って何?」

「えっ? ニンジンだよ」

「げっ!」

 なんか、片をビクッとさせて、ちょっと嫌そうな声が聞こえた。

「そういえばユア、お前は母さんが作った料理でもニンジン避けて食べてたよな?」

「えっ、あ、うん。あっ、私用事思い出したから帰ろうかな~」

 ユアがそそくさと玄関に向かっていた。私はその肩をガシッと掴み、

「遠慮するなよ、我が妹よ。兄さんの料理を味見するっていう用事を済ませてないじゃないか~?」

「あっ、あは。兄さん乱暴しないで」

 ユアが上目遣いを使い、目を輝かせて訴えかけてくる。

「上目遣いで回避できると思うなよ?」

 私はそれを華麗にスルーして、フライパンの料理の完成度を見た。

「さぁ、そろそろ。出来上がるみたいだぞ」

「ひぇ~!」


 ユアは流石に諦め、席に着いた。

「お上がりよ!」

 はぁ~、これよ、これが言いたかったんだよ~。

 出された品をユアは上半身を皿から離してから、ゆっくり目を開いた。

「なにこれ?」

「ん? これ? 母さんのシチューをアレンジした七種の肉と野菜を生かした具沢山シチュー」

 あっ、そこの勘のいいガキはこういう転生系で食の回って日本食やマヨネーズをお披露目すると思っただろう? ぶっぶ~、違いました~。なぜかって? それは私が彼方だった時、まともに料理しなかったからで、作り方を全く知らないからでした~。まぁ、たとえ料理できたとしても完全にこの世界にはお米はないからな~。

「ふ、ふ~ん。見た目はおいしそう。ニンジンさえなければだけど……」

「まぁまぁ、食べてみんさい」

「うっ、うん……」

 ユアは渋い顔をしながらも、シチューをすくって食べる。

「っ! 美味しいぃぃぃぃぃぃぃーーーーー!!!」

 ユアはそんなに美味しかったのか、普段出さないような声量を出して絶叫する。

 流石にあの料理マンガのように服が破けるという神演出はないか……。

 あっ、いや、妹を脱がせたいとかそういうわけじゃないよ。妹を脱がす兄がここにいてたまるか。〈まじで〉

「あれ? ユア、ニンジンだけ残してるね?」

 ほぼ完食した皿に、綺麗にニンジンだけ淵に寄せてある。

「あっいや、シチュー自体は美味しかったよ? でもニンジンだけは……」

「そっか……、ニンジンの甘さを生かすために色々試行錯誤して結構時間かかる調理したんだけどな……。まぁ、いいや、このニンジンは捨て――」

「待って! 食べる。食べるから!」

 作戦成功! 私はニヤッと笑った。

「うっ………。あむ……。あれ? 意外といける。もぐもぐもぐ、ごちそうさまでした!」

「お粗末様でした。あっ、間違えた。お粗末!」

 私は自分用のシチューを食べたが、何かがまだ足りない。そんな気がしている。


        ×   ×   ×


料理対決当日。

私は決闘の関係者と言う人に案内されて、決闘料理室と呼ばれる部屋にやってきた。そんな特殊な部屋がこの学校にはあるのかと少し驚いたが……、

部屋に入ると、一気に大勢の歓声が上がる。

そこは日本の一般的な高校の体育館と同等の広さで、二階にフロアがありそこが観客席となっている。そして、一階の真ん中にポツンと二つ調理台がありその奥に五人が座っていた。

「では、左ての調理場に向かってください」

「分かりました」

 私は調理台の真ん中に立った。気のせいかもしれないが、緊張で若干手が震えている気がする。

 数分すると、実況の席に見た目が派手のアフロの男性と解説の席に見るからにがり勉そうな眼鏡の男性が座った。

「さあ、間もなく始まります! 魔導剣士コースのエリート教師ユウキ・グラス先生と魔導機械コースの劣等生エオンの決闘五番勝負が始まります! そして、今回の勝負は料理対決ぅぅぅぅぅ‼ 劣等生エオンは美食家たちにも太鼓判を押されているユウキ先生の料理に太刀打ちできるのかぁぁぁぁぁーーーー!!! 実況はこの私、ロアフ・タース、解説は美食家キースダ・オイシイモノさん、そして、審査員の五人の皆さんでお送りします! ではでは、そろそろ始めまーーーす!!! 料理対決開始ぃぃぃぃーーー!!」

 私は料理に取り掛かった。


        ×   ×   ×


 実況のロアフが二人が黙々と料理しているため完成まで得意の会話で場を繋げる。

「おーーーと、エオン選手様々なお肉を様々な方法で焼いている~~~。こんなにお肉を使って味がぼやけたりしないのか~??? どう思います? 解説のキースダさん?」

「そうですね。あんなにたくさんの種類のお肉、様々な部位を使うと味がぼやけると思いますね。多分、エオンとかいう方は料理初心者だと思われますね」

 キースダはいつもの癖で饒舌に話した後眼鏡をカチャッと右手で上げる。

「それに比べて、ユウキ選手は一種の肉をじっくり丁寧に火を通していっています。しかも、さっき調理したニンジンもニンジンの甘みを最大限に引き出せています。でも、エオン選手のこの食欲をそそる匂いは……」


        ×   ×   ×


 私の料理が完成し、審査員のもとに皿を運ぶ。

「七種の肉と野菜を生かした具沢山シチューです」

「っ! ………。……なんだこの料理は? こんな庶民の料理を私たちが食べなくてはいけないのか!」

「そうだ、こんなものを私たちが食べれるか!」

 と、口々そろえて言う。すると、タイミングを見計らったように、ユウキが料理を持ってくる。

「お待たせいたしました。牛肉のサーロインステーキです」

「おお!」

「待っていたよ、ユウキ君の料理」

 と、私の時とは打って変わってユウキの料理は大絶賛される。

「おお! ステーキが口の中で溶ける。しかも普段わき役であるはずのニンジンをこの料理の主役と張れるほどの美味しさ! 流石だな、ユウキ君」

「ありがとうございます」

「あの俺の料理も一口食べて欲しいんですけど……」

「貴様の料理は私たちが口に入れていい代物ではない。こんな庶民の料理を口にするだけで、貴族から位が落ちた気分を味わってしまうよ」

 と、私を馬鹿にしながら言い、それに釣られた他の審査員、貴族の位を持った生徒たちに嘲笑された。その時、

「私は食べてみたいですね。エオン選手の料理」

 と、言う声が聞こえた。その声の主は解説のキースダさんだった。

「何を言っておるのだ。オイシイモノ殿」

 審判員の一人が、その提案を止める。

「……。そうは言っても、あなたたちも気づいていますよね、料理を運ばれてきたときのあの香りを」

「くっ……」

 審判員の一人が苦い顔をする。

「では、私は頂こう。エオン選手、私に一つ運んでもらえるかな?」

「えっ俺も俺も」

 釣られて実況のロアフさんも私のシチューを要求する。

「分かりました! ありがとうございます!」

 私は二人に料理をお出しする。

 二人は私の料理を食べる。

「おっ、うまっ!」

「やはり、全てのお肉を完璧に焼いているし、野菜もそれぞれ個別の時間で火を通し、スパイスも素材を生かす完璧な量を入れている……。これは全てを完璧に仕上げたパーフェクトハーモニーのシチューだ‼‼」

 おっと、急にキースダさんが興奮気味で饒舌になった。だが、素直に料理を褒めてくれるのは嬉しい。でもまぁ、母さんの既存のレシピに、肉の種類を増やすという自分のアイデアを入れただけなんだけどな。そこまですごいのか、母さんのレシピ……。

「そこまで言うなら……」

 他の審査員たちもキースダさんの熱弁につられ、私のシチューを食べてくれる。

「おっ、美味しい……」

「なんだこのシチューは、今まで食べてきたシチューの中で一番美味しい‼」

 これはあるのか……?

 すると、ユウキが審判員に近づき、ぼそぼそっと何かを審判員の人たちに言う。

「くっ……。審判員たちの中で協議した結果……、第一の決闘を制したのは……。『ユウキ・グラス』」

 えっ?

「おっと~、どちらかというと、エオン選手の料理の方が反のぬがよかったのに、この結果はどういうことだ~~~???」

「まさか……」

 キースダさんは何かを理解したようで苦い顔をする。

「くそっ………」

 私は悔しさで唇を噛む。すると、ユウキが近づいてきて、

「ふっ……。残念だったな」

「なんで先生があの状況で勝てるんだ……?」

「俺はな、あの審判員たちに金使って脅したんだよ。『お前のとこの家潰されたくなかったら、俺の指示に従え』ってな」

「そんなの出来レースじゃないか……」

 私はユウキを睨む。

「だからこの決闘はそもそも、お前に勝ち目ゼロパーセントなんだよー」

 そして、私の肩に手を置き、滑稽だと言うようにニヤッと笑い、決闘料理室を後にした。

 まぁ、こんな感じで悔しがればあの男からしてみれば嬉しいだろう……。

「やっぱりサクラだったか。そんな気はしてたけどね~。まぁ、こうなるだろうってほぼ分かってたし、《録音魔導石》に今の会話も保存したし、あとは………」


        ×   ×   ×


 学力対決当日


 今回は観客無しで、日本の大学の講義室のような場所で六十分で数学のテストを受けさせられた。

 まぁ、この世界の十二歳が解けないような、もしかしたらこの世界の大人でも解けるかどうか分からない難しい問題がたくさん出たが難なくこなし、百点中百点をとり、八十五点を取ってしまった。先生に勝ち、二回戦目の学力対決は私の勝ち。

「先生、この程度の問題も解けないんですね」

 私は四つん這いになって、この学校の一年生に負けて絶望している先生を馬鹿にするように笑った。

 よし、仕返し完了。

 私はガッツポーズしてから、この部屋を後にした。


        ×   ×   ×


 剣技対決当日まであと三日か……。う~ん……。

 私の頭を悩ますことが一つあった。

 それは……それは模擬戦だ! なぜかというと、お察しはできてると思うが、今私が魔法を使えないということだ。さてどうするか~、う~ん……。と思いつつ、部室に入る。

「こんにちは~」

 私は部室に入りながら、挨拶する。すると、

「よ~」

 と、ナナミ先生がイスを全開でリクライニングさせ、顔を逆さまの状態でかったるそうな返事をする。

「先生……。いつにも増して、だらけてますね……」

 私は先生のその有様を見て苦笑いをする。

「それはそうと、先生。相手と模擬戦する場合で、魔法が使えなかった時の対策って知ってたりします?」

「何で模擬戦の話を急にするんだ?」

 それを聞くのもそのはず、私は先生にユウキとの決闘の話をしていない。

「あっ、あ~……、えっと~。友人が~……」

「お前友達いないじゃん」

「妹が~……」

「お前ひとりっ子じゃないの?」

「あっ、あ~……。と・も・か・く! 魔法が使えないときの模擬戦の方法を!」

「あ~、そうだったな。う~ん、そうだな……。あっ!」

「えっ⁉ 何か思いついたんですか?」

「ほれっ!」

 先生が部室の床を指さす。

「えっ? わからん」

「だから、ふんっ!」

 激しく床を指さす。

「分からんて……」

「だからここは何部の部室だ⁉」

「えっ、魔導機械研究部? えっ、だから?」

「だ~か~ら~、ここは魔道具を作る部活だろう? 魔道具で対抗すればいいだろう?」

「あぁ、確かに」

 確かに模擬戦は何でも持ち込み可だったから、そうすればいけるか、流石に自分自身の剣技だけ信じて戦うのも無理があるしな。腐っても相手は魔導剣士コースの先生だ。まぁ、いざってときはのための保険もあるし。……っていうか、

「この部活でまともに部活するのって初めてですよね」

 ちょっと馬鹿にするように笑ってやった。

「失礼な奴だな、言われたら部活してたぞ。まあ、気を取り直して、魔道具作るぞ~! お~!」

「おっ、お~?」

 さぁ、魔道具作り開始だ!


        ×   ×   ×


剣技対決当日


 今回もまた、学校内で行われるらしい。

 しかも、場所は入学試験の模擬戦の時に使われたイタリアのコロッセオみたいな闘技場だ。

 そして今回はギャラリーもたくさんいるし、ヤジも飛んでくる。特に私に向けての。大体貴族の息子とか、上のコースの生徒とかが多い。私は観客席をぐるっと見る。そして、

 覚えたからな、お前らの顔。絶対あとで、仕返しをしてやるからな。

 すると、生徒、特に女生徒の黄色い声援が大きく聞こえる。さてさて、ユウキの登場だ。

 ユウキは観客に向かってにこやかに手を振る。

 この人、よくいい顔できるな、内心腹黒のくせに。腹黒だからか。

 まぁ、今回もこの前のアフロの実況の人と、前回とは別の解説の男性、審判がいるが、この辺の紹介は省こうと思う。

 さぁ、そろそろ対決開始だ。

 私は剣技対決用の木剣と盾を構える。

「開始!」

 ユウキは走り始め一気に私との距離を詰める。

 すぐに決着をつけて、観客の生徒に「あいつ、先生に喧嘩売っといて、すぐやられてやんのww」と思わせるのが魂胆だろう。そう簡単にやられてたまるかよ。

 私はユウキの突進攻撃をパリィして躱す。

「ちっ」

 ユウキが舌打ちする。

 私は背中を向けたユウキを狙い、剣を振り下ろすが躱される。

 ユウキは避けて私を狙い、剣を振り下ろし、私も剣で対応し、鍔迫り合いが起こる。

 相手が剣を振り下ろしては対応し、自分が剣を振り下ろしては対応され、の連続だった。

 それが数回続くと、ユウキが盾を持った左手で私の脇腹を殴る。

「うはっ!」

 追撃のタイムラグを発生させるため、私はユウキと距離を取る。

 痛ぇ……。でも流石だな、私は盾のことをすっかり忘れて戦っていた。その点ユウキは守るための盾を攻撃に使う器用なことも披露してきた。魔導剣士コースの先生は伊達じゃないか……。このままだと負けるな。

 すると、ユウキがまた距離を詰めてくる。ユウキの剣を私の剣で対応するが、さっき殴られた脇腹の痛みで力負けしそうになる。

 突如、ユウキが観客席の方に顔を向け、何か合図を送った。

 すると、小さな針が私に向かって飛んできた。間一髪で私は後ろに跳んで躱す。

 やっぱり……。最初、ヤジ飛ばしてきた人を探すために観客席を見渡した時に行動が怪しい人が数人いるなとは思っていたが、この時のためか。

 しかも、ご丁寧に一瞬で消える針だ。厄介だな。

「おっと」

 後ろから、左から、と様々なところから針が飛んでくる。それを躱す。

 さっさと決着つけないと、こっちが負ける。

「はぁ!」

 私は盾をユウキに向けて投げる。

 とっさの私の行動にユウキは対応に遅れ、盾を剣で受けてしまった。少しユウキがよろけ、その瞬間を狙い、私は突進して剣を振り下ろす。ユウキに大きなダメージは与えられなかったが、服を切り裂き、浅い傷をつけることができた。

「貴様あぁぁぁぁ!!!」

 ユウキが激高して、突進してくる。激高したおかげで攻撃が単調だ。

私はユウキに当てて、落ちた盾を足で強く踏み、回転しながら上がった盾がユウキの顎に当たる。

 ユウキが剣と盾を落とし、膝をつき、うつぶせで倒れる。

「エオンの攻撃がユウキに入り、決まったかーーーー⁉⁉」

 実況の人が声を上げる。

「まだだ……。こんな劣等生に負けてたまるか……」

 ユウキが剣を地面にさし、杖代わりにして立ち上がる。

 そして、ユウキが横に剣を振る。私はこの距離なら当たらないと思っていたが、服が破け、足に傷がつく。

 こいつ、魔法を使いやがった!

 剣に薄れた魔法式が見える。魔眼を付けてきてよかった。

「あんたってやつは……」

「ははっ、勝てばいいんだよ勝てば、この距離じゃ審判たちには見えないしな」

「どこまでいってもだな……。もういいよ、決着付けよう」

 そう言って、私は場外ギリギリに立ち、ユウキも場外ギリギリに立つ。

「行くぞ」

 私は一歩踏み出す。ユウキも一歩踏み出す。だが、ユウキの方が一歩一歩の足の出る速さが違う。やっぱり身体強化の魔法を使ってるか。

そう来るよな、なら!

「盾の向き完璧、風無し、妨害無し。完璧! よし、ユウキの走る速度計算……完了。剣を投げる時の速度、位置、入射角、屈折角の計算……完了。ジャストタイムまで、3、2,1、0、今だ!‼」

私はユウキの落とした盾に向けて、剣を計算通りの時間、向きで投げる。

見事、私の投げた剣は盾に当たり、屈折し、ユウキの膝に当たる。

剣の先が当たったユウキは体勢を崩すが、すぐ立ち上がろうとする。だが、私は自分の持っていた盾を投げ、回転している盾はユウキの頭に当たり、ユウキの体制をさらに崩した。

 私はその隙に一気にユウキに近づき、剣を屈折させた盾を取り、体勢を崩して仰向けになっているユウキの喉に盾を向ける。

「勝者はぁぁぁぁあ、魔導機械コース、エオンンンンンンン!!!」

 実況の人が声を荒げて言う。

 そして大ブーイングが巻き起こる。「あの戦いはずるい」とか「先生が負けるはけない」とか様々な声が飛び交う。

 ほんと失礼な奴らだ、どっちがずるいのやら。

 すると、観客席にユアを見つけた。私はユアに笑顔で手を振る。ユアは恥ずかしそうに小さく手を振った。自分を応援してくれる人がいる、それだけでうれしかった。

「くそっ!」

 ユウキは苦虫を噛み潰したような顔で悔しがって地面を叩いた後、数秒すると何事もなかったかのようにスッと立ち上がってその場を後にした。


 エオン二勝一敗


        ×   ×   ×


ユウキは自身の屋敷で父親に呼び出されていた。

「ユウキ、お前、学校の生徒に決闘を申し込まれたらしいな?」

 ユウキの父親の声は重く、ユウキの耳から入って脳みそまでに届き、『恐怖』と言う感情を大きく刺激する。

「は、はい」

 ユウキはそんな父親に返事するのが精一杯だった。

「その決闘、五番勝負で、しかも、お前は二敗してあとがないらしいな……」

 ユウキの父親の眼光がギラッとユウキを睨む。

「すっ、すみません。」

「しかも、この決闘でお前はその相手に人権の放棄とうちの奴隷にする権限と学校からの退学などと様々などの権利を掛けた半面、お前はその決闘の相手が勝ったらグラス家の財産を半分回収するという権利を私の許可なしに飲んだな……」

「すっ、すいません。父上………。うちの生徒には絶対に負けないとい私の慢心がありました……」

「……。この際だ。最終的に決闘にさえ負けなければ、お前に与えようと思っていた罰も不問とする。何をしてでも勝てよ、ユウキ……」

「分かりました。父上、では私はこれで……」

 ユウキは父親がいる部屋を後にした。

 自身より何個も年の離れている子供、しかも劣等生に負けるという屈辱を味わい、ユウキの悔しさや劣等感はピークを迎えていた。

「覚えていろ、エオン。今度こそ完膚なきまでに叩き潰してやる」



 第七章 傲慢なプライド


 さぁ、あのユウキ先生にどうやって仕返ししてやろう。ねちっこいことをしてもあの先生は華麗にスルーされてしまう、もっと生徒や先生に見せしめにするように仕返ししてやりたい。ユアが言うには『決闘』と言う勝負があるらしい、勝った人が事前申請した誓約書に書いたことが負けた人に執行され、負けた相手はそれに強制的に従わないといけないというものがあり、決闘審判立会人が最低一人必要でこの人は二人に公平でなくてはいけない。その人の前で両者は決闘を承認する魔導水晶の前で自身の書いた誓約書を読み上げ誓約する。もしこの誓約を片方が破った場合、片方は相当のペナルティが課される。というものらしい。私はこれだと思っている。

 しかしな~、ユウキ先生に決闘を吹っ掛けるタイミングというものが見つからん。

 ユウキ先生がこの廊下を歩いているといいんだけど——、いたよ。先生がこっちの方向に歩いてきている。

 私はユウキ先生の方を向きにやりとほくそ笑む。

 すると、先生もこちらに気付き、早歩きでスタスタと歩いて私の横でビタッと止まった。そして、

「おい、何こっち見てニヤニヤしてるんだゴミムシ劣等生、お前は俺が通るとき地面に這いつくばるような土下座をして俺を見送る義務があるんだ」

 と、私の耳に周りには聞こえないような声で暴言を吐いてきた。

 さっきまで、他の生徒が通るときは笑顔で「こんにちは」とか言ってたくせに、私んところに来た瞬間にらみつけるような怖い目でこっちを見てくる。これが、貴族社会が生んだ醜い化け物か、と思い知らされる。

「いや、そんな校則この学校には書いてありませんでしたよ? 確かに、魔導機械コースの生徒は魔導剣士コースの使用している者に許可なく触れるべからず的な校則は書いてありましたよ? ぷぷ、魔導剣士コースのエリート先生でも校則のことは度忘れしちゃうんですね~?」

 さぁ、このくそ腹立つ煽りにどう出るユウキ・グラスせ、ん、せ、い?

 おっと先生の表情が下を向いてるせいで見えないと思ったら、至近距離で拳をみぞおちに入れてこようとしてきた。

 私はこの前にもあったかもしれないが軽いステップで後ろに下がりその拳を回避した。

「あ?」

 ユウキがこちらを睨みつけてくる。

「あれ? 先生また殴ろうとしましたね~? でもまたまた当たらない~、十二歳に避けられる拳~」

 このショタフェイスのクソガキに煽られる大人という構図はこの人にとってさぞかし屈辱的だろうかと思いつつも、私はさらに煽った。

 ユウキもさすがに屈辱的だったのか肩がぴくぴくと上がり、拳を強く握り始めた。

 廊下を歩いていた周りの生徒もこの異変に気付き、すこしざわつき始める。

「なっ、なんで僕をそんな目の敵にしたいのかな?」

 かろうじて笑ってる顔で私を見る。

「いやだって、この前ナナミ先生を理不尽な理由で罵倒したじゃないですか……?」

 私は口角を不気味に引きつらせて、ユウキを睨む。

「………っ! そ~れ~は~、あいつが悪いんだろ? 俺と身分不相応とも知らずに俺に交際を持ちかけた方がおかしいよな~?」

 ようやく化けの顔が剝がれやがったな……。

「貴様そんな俺を馬鹿にするなら決闘だ!」

 よし、計画通り。ここまで簡単に誘導できるなんてな……。

「いいですよ。まぁ多分俺が勝ってしまうんで、五番勝負とかどうですか?」

「くっ……! いいだろう五番勝負の決闘だ! 詳細は後日決めよう。もう授業が始まるからな」

 おぉ~、流石一応教師なだけではある。ちゃんと職務はまっとうするらしい。感心感心。

「分かりました」

「いつか、お前を殺す〈デデン〉」

 ユウキは去り際に私の耳元でそう言った。

………やっぱ私こいつ嫌い。


        ×   ×   ×


「で、喧嘩をふっかけてきたと」

「はい」

 私はユアに呼び出され、ユアの部屋に来て正座をしていた。

「まぁ、この前ユウキ先生に私たち二人がいるところを見られた時、すごい怖かったし、多分兄さんに手を出そうとしたよね? だから分からなくはないよ。だ・け・ど・ね! 兄さん! 五番勝負はやりすぎ、先生は魔導剣士コースの先生で魔法も剣もこの国では上級に入るほどの腕だよ。し・か・も! 兄さん今魔法が使えないじゃない?」

「あ」

「え?」

「忘れてた」

「え?」

「この魔封じの腕輪、この学校の敷地外では作用しないからすっかり忘れてた……わ」

「えー‼‼ 兄さんどうすんの?」

 ユアは焦り、部屋内をばたばたしている。私はその様子を見てようやく事の重大さに気付く。

「やばいな、何か策を練らないと……」

「どうすんのーーーーー!!!!」

 ユアは部屋中を木霊する声で絶叫した。


        ×   ×   ×


「ふー」

「ようやく落ち着いたか」

「かろうじてね」

ユアはなぜエオンがこんなに平然なのか信じられなかった。この兄には何か策があるのか?

兄はこういうところで頭が働くタイプだと思ってる。昔、兄が父とやっていた模擬戦でも頭を使い、一度父から一本取ったことを思い出す。

「さぁ~、どうすっかね~」

 これは、だめかもしれない。そんな言葉が頭をよぎった。一応ユアはエオンに釘を刺す。

「兄さん、決闘のルールって知ってる?」

「うん知ってるよ、あれでしょ? 負けたら相手が書いた契約書に書かれたことに従うだけでしょ?」

 エオンはそんな曖昧な理解だった。

(はぁ~)

 ユアは溜息を吐いた。

「兄さん、もしね。契約内容に退学とか財産没収とか下手したら奴隷送りとか最悪死刑なんてこともあるんだよ……」

「………。えっ……? まじ?」

「おおマジだよ、兄さん」

 兄さんが微笑んで床に倒れた。


        ×   ×   ×


 ユウキと決闘のもろもろを決める日が来てしまった。

 ユウキに案内された場所は学校の豪華絢爛な大聖堂的なところだった。

 そこには立会人の別の年老いた眼鏡の先生。

「よく来たな二人とも」

「はいアルブック先生」

 この眼鏡おじいちゃん先生はアルブック先生と言うらしいが、授業を受けたことがないので普通に知らない。

「では決闘の内容を決めようか」


 私たちは数十分の議論を重ね、決闘のルールと誓約書の内容が決まった。

 今回の決闘の内容はこうだ。


~ルール~

 両者は正々堂々戦い、勝敗が付いたら、その結果に納得し、相手の契約書に従わなければならない、契約書に従わない場合は相手が課すペナルティを受ける。

 また、何人たりともこの戦いに手を出してはならない。

 また公平性を損なう勝負はしてはならない。行った場合は相手が課すペナルティが発生する。

 今回の決闘は五番勝負。

 一番目の決闘 料理対決

 二番目の決闘 学力対決

 三番目の決闘 剣技対決

 四番目の決闘 ボードゲーム対決

 五番目の決闘 模擬戦



 ざっとこんな感じだ。

 しょっぱなの対決は料理対決で三日後だ。

 料理対決か……。もはや某アニメの食●じゃないか?と思いつつ、最近始めたぐらいでまともな料理を作れるか不安要素が残り、本当にこの対決で良かったのか?とも思いつつ。

まぁ、どうにかなるだろ精神で家に帰って料理の試行錯誤に取り組もうとと考えながら、家に帰った。


        ×   ×   ×


 家に帰った私は早速台所と向き合っていた。

「さてどんな料理を出すかな……っていうか、なんでお前がここにいるんだ? ユア」

「まあ、いいじゃないの~」

 私の部屋で優雅に出された紅茶を飲むユア。

「………。ていうか、なんで俺の部屋を知ってるんだ⁉」

「それはね、兄さんの担任の先生に聞いたら、住所が書かれた紙をくれたの」

「えっ?」

 なにそれプライバシー皆無じゃん。しかも、私とユアは学校では兄妹とは名乗っていないし、ユアはエルフ特有の耳を人の耳のように見せる魔道具を使っていて、人間族のようには見えるけど私と容姿や髪の色が全く違く、一応学校ではユアとはそんな会話をしないんからほぼ赤の他人のはずだが……なんであの先生さらっと私の個人情報を渡しちゃうのかな……?

「まあ、そんなことはいいでしょ」

「うーん……」

 そんなことで治められるものではない気がするけど……。まぁ、いいや。

「で、何しに来たんだ?」

 少し呆れながら聞いた。

「いやさ、最初の対決が料理対決ってきいたからね、味見役が必要かと思って」

「別に自分で確かめられるし――」

「客観的な意見が必要だと思うけどな~」

「分かったよ、ちょっと待ってて」

 私はフライパンを振り、食材を混ぜ合える。

「ていうか、対決に使う食材って何?」

「えっ? ニンジンだよ」

「げっ!」

 なんか、片をビクッとさせて、ちょっと嫌そうな声が聞こえた。

「そういえばユア、お前は母さんが作った料理でもニンジン避けて食べてたよな?」

「えっ、あ、うん。あっ、私用事思い出したから帰ろうかな~」

 ユアがそそくさと玄関に向かっていた。私はその肩をガシッと掴み、

「遠慮するなよ、我が妹よ。兄さんの料理を味見するっていう用事を済ませてないじゃないか~?」

「あっ、あは。兄さん乱暴しないで」

 ユアが上目遣いを使い、目を輝かせて訴えかけてくる。

「上目遣いで回避できると思うなよ?」

 私はそれを華麗にスルーして、フライパンの料理の完成度を見た。

「さぁ、そろそろ。出来上がるみたいだぞ」

「ひぇ~!」


 ユアは流石に諦め、席に着いた。

「お上がりよ!」

 はぁ~、これよ、これが言いたかったんだよ~。

 出された品をユアは上半身を皿から離してから、ゆっくり目を開いた。

「なにこれ?」

「ん? これ? 母さんのシチューをアレンジした七種の肉と野菜を生かした具沢山シチュー」

 あっ、そこの勘のいいガキはこういう転生系で食の回って日本食やマヨネーズをお披露目すると思っただろう? ぶっぶ~、違いました~。なぜかって? それは私が彼方だった時、まともに料理しなかったからで、作り方を全く知らないからでした~。まぁ、たとえ料理できたとしても完全にこの世界にはお米はないからな~。

「ふ、ふ~ん。見た目はおいしそう。ニンジンさえなければだけど……」

「まぁまぁ、食べてみんさい」

「うっ、うん……」

 ユアは渋い顔をしながらも、シチューをすくって食べる。

「っ! 美味しいぃぃぃぃぃぃぃーーーーー!!!」

 ユアはそんなに美味しかったのか、普段出さないような声量を出して絶叫する。

 流石にあの料理マンガのように服が破けるという神演出はないか……。

 あっ、いや、妹を脱がせたいとかそういうわけじゃないよ。妹を脱がす兄がここにいてたまるか。〈まじで〉

「あれ? ユア、ニンジンだけ残してるね?」

 ほぼ完食した皿に、綺麗にニンジンだけ淵に寄せてある。

「あっいや、シチュー自体は美味しかったよ? でもニンジンだけは……」

「そっか……、ニンジンの甘さを生かすために色々試行錯誤して結構時間かかる調理したんだけどな……。まぁ、いいや、このニンジンは捨て――」

「待って! 食べる。食べるから!」

 作戦成功! 私はニヤッと笑った。

「うっ………。あむ……。あれ? 意外といける。もぐもぐもぐ、ごちそうさまでした!」

「お粗末様でした。あっ、間違えた。お粗末!」

 私は自分用のシチューを食べたが、何かがまだ足りない。そんな気がしている。


        ×   ×   ×


料理対決当日。

私は決闘の関係者と言う人に案内されて、決闘料理室と呼ばれる部屋にやってきた。そんな特殊な部屋がこの学校にはあるのかと少し驚いたが……、

部屋に入ると、一気に大勢の歓声が上がる。

そこは日本の一般的な高校の体育館と同等の広さで、二階にフロアがありそこが観客席となっている。そして、一階の真ん中にポツンと二つ調理台がありその奥に五人が座っていた。

「では、左ての調理場に向かってください」

「分かりました」

 私は調理台の真ん中に立った。気のせいかもしれないが、緊張で若干手が震えている気がする。

 数分すると、実況の席に見た目が派手のアフロの男性と解説の席に見るからにがり勉そうな眼鏡の男性が座った。

「さあ、間もなく始まります! 魔導剣士コースのエリート教師ユウキ・グラス先生と魔導機械コースの劣等生エオンの決闘五番勝負が始まります! そして、今回の勝負は料理対決ぅぅぅぅぅ‼ 劣等生エオンは美食家たちにも太鼓判を押されているユウキ先生の料理に太刀打ちできるのかぁぁぁぁぁーーーー!!! 実況はこの私、ロアフ・タース、解説は美食家キースダ・オイシイモノさん、そして、審査員の五人の皆さんでお送りします! ではでは、そろそろ始めまーーーす!!! 料理対決開始ぃぃぃぃーーー!!」

 私は料理に取り掛かった。


        ×   ×   ×


 実況のロアフが二人が黙々と料理しているため完成まで得意の会話で場を繋げる。

「おーーーと、エオン選手様々なお肉を様々な方法で焼いている~~~。こんなにお肉を使って味がぼやけたりしないのか~??? どう思います? 解説のキースダさん?」

「そうですね。あんなにたくさんの種類のお肉、様々な部位を使うと味がぼやけると思いますね。多分、エオンとかいう方は料理初心者だと思われますね」

 キースダはいつもの癖で饒舌に話した後眼鏡をカチャッと右手で上げる。

「それに比べて、ユウキ選手は一種の肉をじっくり丁寧に火を通していっています。しかも、さっき調理したニンジンもニンジンの甘みを最大限に引き出せています。でも、エオン選手のこの食欲をそそる匂いは……」


        ×   ×   ×


 私の料理が完成し、審査員のもとに皿を運ぶ。

「七種の肉と野菜を生かした具沢山シチューです」

「っ! ………。……なんだこの料理は? こんな庶民の料理を私たちが食べなくてはいけないのか!」

「そうだ、こんなものを私たちが食べれるか!」

 と、口々そろえて言う。すると、タイミングを見計らったように、ユウキが料理を持ってくる。

「お待たせいたしました。牛肉のサーロインステーキです」

「おお!」

「待っていたよ、ユウキ君の料理」

 と、私の時とは打って変わってユウキの料理は大絶賛される。

「おお! ステーキが口の中で溶ける。しかも普段わき役であるはずのニンジンをこの料理の主役と張れるほどの美味しさ! 流石だな、ユウキ君」

「ありがとうございます」

「あの俺の料理も一口食べて欲しいんですけど……」

「貴様の料理は私たちが口に入れていい代物ではない。こんな庶民の料理を口にするだけで、貴族から位が落ちた気分を味わってしまうよ」

 と、私を馬鹿にしながら言い、それに釣られた他の審査員、貴族の位を持った生徒たちに嘲笑された。その時、

「私は食べてみたいですね。エオン選手の料理」

 と、言う声が聞こえた。その声の主は解説のキースダさんだった。

「何を言っておるのだ。オイシイモノ殿」

 審判員の一人が、その提案を止める。

「……。そうは言っても、あなたたちも気づいていますよね、料理を運ばれてきたときのあの香りを」

「くっ……」

 審判員の一人が苦い顔をする。

「では、私は頂こう。エオン選手、私に一つ運んでもらえるかな?」

「えっ俺も俺も」

 釣られて実況のロアフさんも私のシチューを要求する。

「分かりました! ありがとうございます!」

 私は二人に料理をお出しする。

 二人は私の料理を食べる。

「おっ、うまっ!」

「やはり、全てのお肉を完璧に焼いているし、野菜もそれぞれ個別の時間で火を通し、スパイスも素材を生かす完璧な量を入れている……。これは全てを完璧に仕上げたパーフェクトハーモニーのシチューだ‼‼」

 おっと、急にキースダさんが興奮気味で饒舌になった。だが、素直に料理を褒めてくれるのは嬉しい。でもまぁ、母さんの既存のレシピに、肉の種類を増やすという自分のアイデアを入れただけなんだけどな。そこまですごいのか、母さんのレシピ……。

「そこまで言うなら……」

 他の審査員たちもキースダさんの熱弁につられ、私のシチューを食べてくれる。

「おっ、美味しい……」

「なんだこのシチューは、今まで食べてきたシチューの中で一番美味しい‼」

 これはあるのか……?

 すると、ユウキが審判員に近づき、ぼそぼそっと何かを審判員の人たちに言う。

「くっ……。審判員たちの中で協議した結果……、第一の決闘を制したのは……。『ユウキ・グラス』」

 えっ?

「おっと~、どちらかというと、エオン選手の料理の方が反のぬがよかったのに、この結果はどういうことだ~~~???」

「まさか……」

 キースダさんは何かを理解したようで苦い顔をする。

「くそっ………」

 私は悔しさで唇を噛む。すると、ユウキが近づいてきて、

「ふっ……。残念だったな」

「なんで先生があの状況で勝てるんだ……?」

「俺はな、あの審判員たちに金使って脅したんだよ。『お前のとこの家潰されたくなかったら、俺の指示に従え』ってな」

「そんなの出来レースじゃないか……」

 私はユウキを睨む。

「だからこの決闘はそもそも、お前に勝ち目ゼロパーセントなんだよー」

 そして、私の肩に手を置き、滑稽だと言うようにニヤッと笑い、決闘料理室を後にした。

 まぁ、こんな感じで悔しがればあの男からしてみれば嬉しいだろう……。

「やっぱりサクラだったか。そんな気はしてたけどね~。まぁ、こうなるだろうってほぼ分かってたし、《録音魔導石》に今の会話も保存したし、あとは………」


        ×   ×   ×


 学力対決当日


 今回は観客無しで、日本の大学の講義室のような場所で六十分で数学のテストを受けさせられた。

 まぁ、この世界の十二歳が解けないような、もしかしたらこの世界の大人でも解けるかどうか分からない難しい問題がたくさん出たが難なくこなし、百点中百点をとり、八十五点を取ってしまった。先生に勝ち、二回戦目の学力対決は私の勝ち。

「先生、この程度の問題も解けないんですね」

 私は四つん這いになって、この学校の一年生に負けて絶望している先生を馬鹿にするように笑った。

 よし、仕返し完了。

 私はガッツポーズしてから、この部屋を後にした。


        ×   ×   ×


 剣技対決当日まであと三日か……。う~ん……。

 私の頭を悩ますことが一つあった。

 それは……それは模擬戦だ! なぜかというと、お察しはできてると思うが、今私は魔法を使えないからだ。さてどうするか~、う~ん……。と思いつつ、部室に入る。

「こんにちは~、——って久しぶりですね、先生!」

 私は部室に入りながら、久しぶりに学校で見た先生に挨拶をする。すると、

「よ~。最近家のことでちょっとな~……」

 と、ナナミ先生がイスを全開でリクライニングさせ、顔を逆さまの状態でかったるそうな返事をする。

 家のことって、やはり先生のお父さんが関係しているのだろうか。でも、まぁ、

「先生……。いつにも増して、だらけてますね……」

 私は先生のその有様を見て苦笑いをする。そして、私はいつも通りの口調で先生と接することに決めた。

「あっ、そうだ先生。相手と模擬戦する場合で、魔法が使えなかった時の対策って知ってたりします?」

「何で模擬戦の話を急にするんだ?」

 それを聞くのもそのはず、私は先生にユウキとの決闘の話をしていない。

「あっ、あ~……、えっと~。友人が~……」

「お前友達いないじゃん」

「妹が~……」

「お前ひとりっ子じゃないの?」

「あっ、あ~……。と・も・か・く! 魔法が使えないときの模擬戦の方法を!」

「あ~、そうだったな。う~ん、そうだな……。あっ!」

「えっ⁉ 何か思いついたんですか?」

「ほれっ!」

 先生が部室の床を指さす。

「えっ? わからん」

「だから、ふんっ!」

 激しく床を指さす。

「分からんて……」

「だからここは何部の部室だ⁉」

「えっ、魔導機械研究部? えっ、だから?」

「だ~か~ら~、ここは魔道具を作る部活だろう? 魔道具で対抗すればいいだろう?」

「あぁ、確かに」

 確かに模擬戦は何でも持ち込み可だったから、そうすればいけるか、流石に自分自身の剣技だけ信じて戦うのも無理があるしな。腐っても相手は魔導剣士コースの先生だ。まぁ、いざってときはのための保険もあるし。……っていうか、

「この部活でまともに部活するのって初めてですよね」

 ちょっと馬鹿にするように笑ってやった。

「失礼な奴だな、言われたら部活してたぞ。まあ、気を取り直して、魔道具作るぞ~! お~!」

「おっ、お~?」

 さぁ、魔道具作り開始だ!


        ×   ×   ×


剣技対決当日


 今回もまた、学校内で行われるらしい。

 しかも、場所は入学試験の模擬戦の時に使われたイタリアのコロッセオみたいな闘技場だ。

 そして今回はギャラリーもたくさんいるし、ヤジも飛んでくる。特に私に向けての。大体貴族の息子とか、上のコースの生徒とかが多い。私は観客席をぐるっと見る。そして、

 覚えたからな、お前らの顔。絶対あとで、仕返しをしてやるからな。

 すると、生徒、特に女生徒の黄色い声援が大きく聞こえる。さてさて、ユウキの登場だ。

 ユウキは観客に向かってにこやかに手を振る。

 この人、よくいい顔できるな、内心腹黒のくせに。腹黒だからか。

 まぁ、今回もこの前のアフロの実況の人と、前回とは別の解説の男性、審判がいるが、この辺の紹介は省こうと思う。

 さぁ、そろそろ対決開始だ。

 私は剣技対決用の木剣と盾を構える。

「開始!」

 ユウキは走り始め一気に私との距離を詰める。

 すぐに決着をつけて、観客の生徒に「あいつ、先生に喧嘩売っといて、すぐやられてやんのww」と思わせるのが魂胆だろう。そう簡単にやられてたまるかよ。

 私はユウキの突進攻撃をパリィして躱す。

「ちっ」

 ユウキが舌打ちする。

 私は背中を向けたユウキを狙い、剣を振り下ろすが躱される。

 ユウキは避けて私を狙い、剣を振り下ろし、私も剣で対応し、鍔迫り合いが起こる。

 相手が剣を振り下ろしては対応し、自分が剣を振り下ろしては対応され、の連続だった。

 それが数回続くと、ユウキが盾を持った左手で私の脇腹を殴る。

「うはっ!」

 追撃のタイムラグを発生させるため、私はユウキと距離を取る。

 痛ぇ……。でも流石だな、私は盾のことをすっかり忘れて戦っていた。その点ユウキは守るための盾を攻撃に使う器用なことも披露してきた。魔導剣士コースの先生は伊達じゃないか……。このままだと負けるな。

 すると、ユウキがまた距離を詰めてくる。ユウキの剣を私の剣で対応するが、さっき殴られた脇腹の痛みで力負けしそうになる。

 突如、ユウキが観客席の方に顔を向け、何か合図を送った。

 すると、小さな針が私に向かって飛んできた。間一髪で私は後ろに跳んで躱す。

 やっぱり……。最初、ヤジ飛ばしてきた人を探すために観客席を見渡した時に行動が怪しい人が数人いるなとは思っていたが、この時のためか。

 しかも、ご丁寧に一瞬で消える針だ。厄介だな。

「おっと」

 後ろから、左から、と様々なところから針が飛んでくる。それを躱す。

 さっさと決着つけないと、こっちが負ける。

「はぁ!」

 私は盾をユウキに向けて投げる。

 とっさの私の行動にユウキは対応に遅れ、盾を剣で受けてしまった。少しユウキがよろけ、その瞬間を狙い、私は突進して剣を振り下ろす。ユウキに大きなダメージは与えられなかったが、服を切り裂き、浅い傷をつけることができた。

「貴様あぁぁぁぁ!!!」

 ユウキが激高して、突進してくる。激高したおかげで攻撃が単調だ。

私はユウキに当てて、落ちた盾を足で強く踏み、回転しながら上がった盾がユウキの顎に当たる。

 ユウキが剣と盾を落とし、膝をつき、うつぶせで倒れる。

「エオンの攻撃がユウキに入り、決まったかーーーー⁉⁉」

 実況の人が声を上げる。

「まだだ……。こんな劣等生に負けてたまるか……」

 ユウキが剣を地面にさし、杖代わりにして立ち上がる。

 そして、ユウキが横に剣を振る。私はこの距離なら当たらないと思っていたが、服が破け、足に傷がつく。

 こいつ、魔法を使いやがった!

 剣に薄れた魔法式が見える。魔眼を付けてきてよかった。

「あんたってやつは……」

「ははっ、勝てばいいんだよ勝てば、この距離じゃ審判たちには見えないしな」

「どこまでいってもだな……。もういいよ、決着付けよう」

 そう言って、私は場外ギリギリに立ち、ユウキも場外ギリギリに立つ。

「行くぞ」

 私は一歩踏み出す。ユウキも一歩踏み出す。だが、ユウキの方が一歩一歩の足の出る速さが違う。やっぱり身体強化の魔法を使ってるか。

そう来るよな、なら!

「盾の向き完璧、風無し、妨害無し。完璧! よし、ユウキの走る速度計算……完了。剣を投げる時の速度、位置、入射角、屈折角の計算……完了。ジャストタイムまで、3、2,1、0、今だ!‼」

私はユウキの落とした盾に向けて、剣を計算通りの時間、向きで投げる。

見事、私の投げた剣は盾に当たり、屈折し、ユウキの膝に当たる。

剣の先が当たったユウキは体勢を崩すが、すぐ立ち上がろうとする。だが、私は自分の持っていた盾を投げ、回転している盾はユウキの頭に当たり、ユウキの体制をさらに崩した。

 私はその隙に一気にユウキに近づき、剣を屈折させた盾を取り、体勢を崩して仰向けになっているユウキの喉に盾を向ける。

「勝者はぁぁぁぁあ、魔導機械コース、エオンンンンンンン!!!」

 実況の人が声を荒げて言う。

 そして大ブーイングが巻き起こる。「あの戦いはずるい」とか「先生が負けるはけない」とか様々な声が飛び交う。

 ほんと失礼な奴らだ、どっちがずるいのやら。

 すると、観客席にユアを見つけた。私はユアに笑顔で手を振る。ユアは恥ずかしそうに小さく手を振った。自分を応援してくれる人がいる、それだけでうれしかった。

「くそっ!」

 ユウキは苦虫を噛み潰したような顔で悔しがって地面を叩いた後、数秒すると何事もなかったかのようにスッと立ち上がってその場を後にした。


 エオン二勝一敗


        ×   ×   ×


ユウキは自身の屋敷で父親に呼び出されていた。

「ユウキ、お前、学校の生徒に決闘を申し込まれたらしいな?」

 ユウキの父親の声は重く、ユウキの耳から入って脳みそまでに届き、『恐怖』と言う感情を大きく刺激する。

「は、はい」

 ユウキはそんな父親に返事するのが精一杯だった。

「その決闘、五番勝負で、しかも、お前は二敗してあとがないらしいな……」

 ユウキの父親の眼光がギラッとユウキを睨む。

「すっ、すみません。」

「しかも、この決闘でお前はその相手に人権の放棄とうちの奴隷にする権限と学校からの退学などと様々などの権利を掛けた半面、お前はその決闘の相手が勝ったらグラス家の財産を半分回収するという権利を私の許可なしに飲んだな……」

「すっ、すいません。父上………。うちの生徒には絶対に負けないとい私の慢心がありました……」

「……。この際だ。最終的に決闘にさえ負けなければ、お前に与えようと思っていた罰も不問とする。何をしてでも勝てよ、ユウキ……」

「分かりました。父上、では私はこれで……」

 ユウキは父親がいる部屋を後にした。

 自身より何個も年の離れている子供、しかも劣等生に負けるという屈辱を味わい、ユウキの悔しさや劣等感はピークを迎えていた。

「覚えていろ、エオン。今度こそ完膚なきまでに叩き潰してやる」



今回の話はエオンがナナミ先生のために魔導剣士コースの先生ユウキ・グラスと決闘する話がメインでした。しかも、結構いろいろなアニメのパロディとかを自分なりに入れてみたんですけどどうですかね?個人的には機動戦士ガンダムSEED DESTINYのPHASE-34悪夢のインパルスとフリーダムの戦闘シーンでインパルスがシールドでビームを反射させて、フリーダムに当てるという離れ業を披露するシーンを今回の話、決闘の三戦目の剣技対決終盤で剣を使って披露したんですけど、自分の作る文章が下手くそで分かりずらかったりしなかったでしょうか?分かりずらかったら頑張って手直しします。

今回の話よかったらブクマとか評価とかコメントとかいただけると執筆の励みになるのでお願いします。

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