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響「それは本当ですか!?」
煉「マジだって!姫くらいの子を連れた怪しい集団見たらしい!」
定期報告の時刻になり、集合場所へと戻ってきた月の里の者達。あまり色良い報告がなく、早々に手詰まりかと思われたその時。遅れて戻ってきた煉が息を切らしながらもたらした報告に一筋の希望の光を見出した。
響「その怪しい集団、姫を攫った蜂乃丞とかいう男以外にも関わっているという事でしょうか。詳しく調べてみる必要がありそうですね…」
煉「そう言うと思って、その怪しい奴等の似顔絵書いてもらってきたぜ!」
そう言って煉が皆の前に出した紙を身を乗り出して食い入るように見つめる事数秒。一瞬の静けさの後に訪れたのは…
碧「っぎゃははは!なんだこれ、ガキのお絵描きじゃねえか!!」
そう。煉が意気揚々と見せた絵は人の似顔絵とはとても言えないような、碧が言った通りまさしく子供が描きましたと言わんばかりの落書き。それを見た瞬間、皆の口から出たのは盛大な溜息だった。
刹「…これでは探しようがないな」
煉「うぐっ…し、仕方ねえだろ、子供が目撃者なんだからよ…」
他の皆からも落胆や嘲笑、憐憫といった言葉を投げられ肩を沈ませる煉。それをじっと見ていた紅はただひと言。
紅「…だから僕、ちゃんと忠告したのに…」
煉「うるせ…」
自身の相棒からも詰られた煉は更に心も沈ませるのであった。




