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冒険1
村の周りの南側と西側は大きな森が広がっている、その森の中の西側には小さな湖がありよくそこで遊んでいるのだが
その日は南の森の中に来ていた
「リョウ!ねぇさんをつかまえてみなさい!」
そういと軽々と木々を飛び移り俺との距離を広げていく
「ちょっ、待ってよねぇさん!」
俺も木々を飛び移りながらフリージアに声をかける
元の世界では考えられないほどの運動神経だ
10分ほど追いかけてようやくフリージアの姿が近くになってきたところで
フリージアの動きがピタリと止まる
「ねぇさん!ちょっと危なっ」
ごふっ!
派手にフリージアの背中にぶつかってしまった
が、その割にはフリージアの身体は前の方につんのめったりしていない
「急に止まるから…」
「静かにっ!」
いつものお転婆な声ではなく緊張感のある声でそういうと視線で合図を送ってくる
その視線の先に目をやると
魔獣が居たのである