一夜明け…
ちゅんちゅん…ちゅん
「んっ、ん〜」
静かに瞼を開くと静かな小鳥の鳴き声
木々が風で擦れ合う音、近くの川の水が流れる音、いろいろな音が聞こえてくる
日差しが強く一目で昼はゆうに超えている事がわかる
ゆっくりと布団から出て部屋のドアを開けると
そこにはフローラがひとりリビングに座っていた
「かぁさん、おはようございます」
「あら、リョウ。おはよう」
そういうと優しく微笑む
なんて笑顔が似合う人なのだろうと常に思わせられる
普段はカイルは仕事に出て、1日おきの学園があるフリージアは学園に行ってるはずなのだが…
なんとなくフリージアの部屋に人の気配を感じる
「ねぇさん学園行ってないの?」
「そうなのよー。いつもは自分で起きてくるのに今日は起きてこなかったからそのまま寝かせてるわ。昨日の魔獣討伐で相当疲れたんでしょう」
本人たちの自主性を重んじてるとはいえ本当に自由にさせてもらっている
過保護にされるよりも自分の行動に責任をもつようになる気がする
それにしても気がかりだ、あの元気が取り柄のフリージアがご飯も食べずに昼過ぎまで寝ているとは…
気になってフリージアの部屋の扉を軽くノックしてゆっくり隙間をあけ覗いてみる
まさに女の子の部屋。
部屋だけみれば、あんなお転婆娘のものだとは誰も想像できないであろう
薄ピンクをメインに統一された部屋には大きなふわふわなベッドに縫いぐるみが数体乗せられていてカーテンにもレースが施されている
薄ピンクの枕が床に落ちているところをみると寝相は悪いみたいだ
あまり女の子の部屋を覗くのも悪いと思い静かに扉を閉める
一応無邪気な顔でいびきもかいてたし寝返りなどもしてたので体調が悪くなさそうなのを確認して一安心する
そういえばフリージアの寝てるところを始めて見た気がする
そういう事を考えながらフローラのよこのテーブルに着く
フリージアが学園の時はこうやってフローラと何気無い話をしている
もちろん今日は昨日の魔獣の話になった
元冒険者だからだろうかフローラはその話を目を輝かせながら聞き入っていた