冒険6決着
左目にダガーを刺したときにはフリージアの詠唱は終わっていた
両目が塞がった魔獣の前に立ち
「ファイヤーボール!!」
俺が放つファイヤーボールの2倍はあろうかという炎の塊が魔獣を正面からとらえる
「ぐぉぉぉおおん……」
ファイヤーボールを弾き返す魔獣もいるらしいが目の見えない今のこの魔獣には無理な話である
大きな雄叫びと共に魔獣はその場に倒れピクリとも動かなかったのだ
「やったぁぁ!魔獣を私たちだけで倒したわよ!」
フリージアの声が響き渡る
そういうとその場に大の字になって倒れ込む
「私たちっていうか、ねぇさんが1人で倒しちゃったけどね」
「なに言ってるのよ!リョウのファストレイやプロテクトがなかったら勝ててないわよ!」
「欲しいときに補助魔法かけてくれたから!最後のファストレイなんて最高のタイミングだったわ!」
興奮がさめないままフリージアが起き上がると
魔獣に刺さったままのダガーを引き抜き一本は俺に返し
魔獣を仰向けにするともう一本のダガーでしっかり力を込めて腹に突き刺し魔石を探し出す
戦闘中よりも簡単にダガーが刺さる
きっと戦闘中は魔力で覆われて防御力が高まっていたのだろう
ほどなくして濃い紫色に輝く綺麗な宝石のような魔石を取り出したのだった