冒険3
フリージアの合図にコンマ数秒遅れて右に地を蹴った俺は素早く魔法の詠唱を始める
――大地に愛されし精霊よ我が声を聞き入れ風の恩恵を与えたまえ――
「ファストレイ!」
フリージアを対象に魔法を放つ
瞬時にフリージアの体が緑色の衣に包まれる
と同時にフリージアが魔獣に斬りかかる
ファストレイは対象者のスピードが約1.2倍になる
重ね掛けも出来るのだが2重掛けがいいとされている2重で1.5倍、3重で約2倍の速度になるのだが元の体がついていかないのだ
早すぎて前につんのめる、下手すると上手く歩く事さえできなくなるのだ
ファストレイを付与した後次の詠唱に入っていたのだがその詠唱を途中で中断する
フリージアの動きが速いのと思いのほか魔獣がすばしっこいのである
体格は1.5メートルほどで体重も200キロはあろうかという大きさでイノシシっぽさから猪突猛進型かと思っていたのだが左右の動きも機敏なのである
フリージアと魔獣の距離が開いたところでファイヤーボールを叩き込もうと思っていたのだがなかなか隙がない
攻撃が出来ないなら補助魔法だ
――大地に住まいしノームよ我が前の愛すべき者を守りたまえ――
「プロテクト!」
今度はフリージアの体がベージュに光出す
もちろん防御力アップであるがこちらは重ねがけが効かない
基本は学園で魔法を学ぶから今の俺の使える魔法は数が少ない
――大地に愛されし精霊よ我が声を聞き入れ風の恩恵を与えたまえ――
ファストレイが切れた時のために詠唱を終わらせておく
と、同時に魔獣の視界に入る位置えと移動する