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93.なんじゃこりゃ〜ッ!!!

ジュリオが牢屋にブチ込まれてから数時間後、ついに朝日が昇ってしまった。


牢屋の小窓から溢れる光は眩しく、まだまだ暑い夏の時期の日差しといった様子である。





「エンジュリオス殿下……さあ、出てください」





牢獄へやって来た兵士が扉の鍵を開けた。


言われるがままに外へ出と、城の中庭へと通される。



城の中庭には王族に召使いに兵士に財政管理人に司祭に兵士にその他色々に加え、娯楽を求めた暇な貴族達や、追放された筈のバカ王子が娼婦の格好で戻ってきたと言う特ダネを取材に来た新聞記者共等が集まっている。



その面子は、ジュリオが追放された時に野次馬として集まった暇な上流階級達のオールスターであった。





「追放された時の野次馬が勢揃いだよ。いっそマーチングバンドでも呼べばいいのに」





ジュリオはそんな独り言を毒づくと、中庭の中央へ座らされた。

目の前にいるのは、階段が続く壇上の上で、自分を見下ろしているルテミスとネネカと…………玉座に似た豪奢な椅子に座る国王ランダーだ。


久しぶりに見た親父は、相変わらず自分をゴミを見る顔をしている。


突然帰省してきた追放された筈のバカ息子を見る顔としては申し分無いだろう。


ジュリオはそんな皮肉めいた事を思った。





「これより! 神明裁判を開始いたします!」





ネネカが片手を上げて高らかに宣言した。



野次馬共の悪意溢れる奇異の目が、一斉にジュリオを見る。


この感覚には覚えがある。


子供の頃、ルテミスと一緒に異国の詩を暗唱する発表会があった時の事だ。

どれだけ頑張っても異国語の誌など覚えられず、大勢の人の前で黙り込んで地獄の様な時間を過ごした時に向けられた、あの目。


『あいつはホント何させてもバカで駄目だ』と言う目に晒されるだけで、苦しく悲しい思いをしたものだ。 




しかし、実家の城を追放されて、クラップタウンと言う掃き溜めの様なクソ治安の町に住み、ヒーラーとして過酷な現場で働くようになった今は違う。




追放されてから何度も辛く厳しい経験をして来たのだ。 



こいつらの好奇の目など、毛ほどに何も感じない。




ジュリオは野次馬共の嘲りに満ちた顔など目もくれず、まっすぐとネネカを見上げた。





「そこにいる愚鈍なバカ王子は、昨夜私の婚約者であるルテミス様の寝室に今のような破廉恥な格好で忍び込み、私――聖女ネネカによる冥杖ペルセフォネの治癒の協力要請を求めて来ました。……お間違いありませんわね? 殿下」


「はい。……聖女ネネカの仰る通りです。……聖女ネネカによる冥杖ペルセフォネの治癒で、救って欲しいハーフエルフがいるからです」





ジュリオがそう口にした時、野次馬共がどっと湧いた。

心無い言葉がジュリオの耳に入ってくる。




ハーフエルフのようなおぞましい者を、聖女ネネカ様に冥杖ペルセフォネで治癒しろと言うの?



何と恥知らずな……あのバカ王子の考えそうな事だ。



ハーフエルフなどと言う我が国の恥部など、捨置けば良いものを。




野次馬達はバカ王子を嗤うが、当のバカ王子は一切怯まず真剣な顔をしていた。

 


笑いたきゃ好きに笑えよ、と思う。



どれだけ蔑まれバカにされても、呪いの病に

苦しむアンナを思えば、こんなのどうって事無いのだから。





「そのハーフエルフをこの聖女ネネカに救えと貴方は仰るの? 婚約者であるルテミス様の寝室に、娼婦の様なふしだらな格好で忍び込み、籠絡しようとした貴方が?」


 



いや、籠絡しようとは思っていない。 


取り敢えず、吃驚させてパニックに陥れて話を有利に進めようとしただけだ。



だが、そんな反論は無意味であろう。



神明裁判と言うのは、普通の裁判とはやり方も目的も異なるのだ。


普通の裁判は、証拠を揃え弁護士と検事が真実を求めて弁論し合うものである。



しかし、神明裁判と言うのは神の意思を得た『神の代理人的な存在』が、罪人として吊し上げた相手を一方的な主張でボコボコに出来るという理不尽なものであった。



つまり、神明裁判にかけられた時点で、負けが確定しているクソイベントである。





「男が男を籠絡しようとだなんて! なんておぞましく罪深いのでしょう!! 女神ペルセフォネのご意思に背く事ですわ! ですが、お集まりの皆様、ご安心くださいませ! ルテミス様はおぞましい罪など背負っておりません! この方は『女性を愛する正しいペルセフォネ人男性』ですわ!」





悦に入った様な振る舞いのネネカが、両手を天に向かって広げると、ルテミスは涼しい顔のまま眼鏡のブリッジを押し上げた。



しかし、ルテミスの手が震えているように見えたのは、気のせいだろうか?





「この『女神ペルセフォネの意思に背くふしだらなバカ王子を』女神の代行者である聖女の私が裁きの鉄槌を下しますわ!」





ジュリオは注意深くネネカの主張を聞いて、とある事に気が付いた。




ネネカは、『男である自分が娼婦の格好で、婚約者持ちの弟を籠絡しようとした罪』を主張しており、



『国外追放された筈のジュリオが城に忍び込んだ罪』には触れていない。




国外追放された筈のバカ王子が国戻って来ただけでなく、城に忍び込んで弟王子の部屋に侵入するなど、死罪になってもおかしくはない行為だ。



ネネカは、それを避けようとしているのではないか。





「女神の意思に背いた淫売の罪……今まで、数多くの女神の代行者が、神明裁判にてその罪を裁いて来ましたわ。……なので、私も過去の判例の通り、エンジュリオス殿下を女神の名のもとに裁いて差し上げたいと思いますの」





ネネカがそう言うと、野次馬達が拍手喝采をした。


随分と楽しそうな連中である。

この人達も暇だなあとジュリオは思う。





「その淫売の装束を脱ぎ去り、女神の代行者である私と、聖ペルセフォネ王国の象徴であるランダー陛下に、跪いて頭を垂れて、己が罪を懺悔なさいな」



 

ネネカがそう宣言すると、野次馬達が維持悪く笑い始めた。




あのバカ王子……娼婦が下されるような罰を与えられるなんて……落ちぶれたものねえ。



王族に取り入ろうとした娼婦や男娼が受ける辱めを与えられると言う事は、もうあのバカは王子ですら無いという事だ。



仮にも王族であったあのバカ王子には、さぞかし恥辱でしょう、あはは。




そんな心無い声が意地悪そうな笑い声と共に湧く。



そしてついに、国王である親父が口を開いた。

実につまらなそうな顔をしているランダーは、息子にかける声としてはあまりに冷たい声色で喋り始める。





「聖女ネネカ殿の慈悲に救われたな。私は死罪でも構わないと申したのだが……。貴様が産声を上げた際に絞め殺しなかった産婆を恨む程だ」





この親父が言いたいのは、『お前なんか産まれてこなければ良かった』と言う事だろう。


そんな言葉は、色んな人々から幼い頃から言われ過ぎてもう慣れてしまっていた。いや、麻痺していた。



けれど、そんな自分にアンナは言ってくれたのだ。



『あんたを助けられて良かった。生きててくれてありがとう』と。



アンナに命を救われたあの惨劇の夜を思い出す。

あの時自分は、命も心もアンナに救われたのだ。



だからもう、親父に何を言われても、心底どうでも良いと思えた。


周りからどれだけ蔑まれようとも、もう逃げない。




自分が生きてる事を喜んでくれたアンナがいるから、他の連中の言葉なんかどうだっていい!





「淫売に与えられる罰……ねえ。……あははっ! 追放されたバカ王子の僕に相応しいよ」




ジュリオは一歩一歩玉座に近づきながら、ここへ忍び込む為にローエンに調達してもらった娼婦の衣装を脱ぎ捨てていった。



余裕綽々に不敵に微笑みながら衣服を脱ぎ捨ててゆくジュリオに、野次馬達はどよめいている。


きっと、ジュリオが無様に泣いて許しを乞うとでも思ったのだろう。




 

「救いようの無いほどブッサイクで貧乏臭くて醜い顔を引っ提げた暇人の皆様があまりにも可哀想だから、この美しい僕が恵んであげるよ……。しっかりその目に焼き付けな」




ジュリオは一切怯まず、威風堂々と服を脱ぎ散らかして行く。



その肝の座りきった、いや、肝が玉座でふんぞり返っている様な姿に、意地悪な野次馬達は言葉を無くしていた。





「この場にいる連中全員、美しい僕の全裸を目に焼付けて、自分で自分を慰める惨めな夜を送るといいよ! このエンジュリオスの美貌を前にしたら、もうそこら辺の奴じゃ満足できないでしょ?」





ジュリオは全裸になり、壇上へ続く階段を昇る。



表情を変えないネネカと、ギュッと目を瞑って顔を逸らすルテミスと、ひたすら自分を睨みつける国王である親父にメンチを切りながら、遂に階段を登りきった。



そして、親父が偉そうにふんぞり返る玉座の背もたれを、素足でドンッと思いっきり蹴りつけた。


相手を小馬鹿にした不敵な笑みを浮かべたジュリオは、わざと甘ったるい喋り方で親父に話しかける。 





「どうです? 貴方の愛する息子のあられもない姿は……? もし、僕を思ってその高貴な身をご自身でお慰めになるのなら、その時はどうぞこの淫売をお呼びくださいませ。……どうか優しくしてくださいね? お父様♡」


「貴様……」





バカ息子の挑発に、親父も流石にキレたのか、嫌悪と怒り剥き出しに睨み返してきた。



昔は、この憎悪に満ちた父の目が恐ろしくて仕方無かったが、今はもう何とも思わない。


 


親父の冷たい目よりも、やたらとフレンドリーなクラップタウンの売人の方が怖かったからだ。あのピアスと入れ墨だらけの怖過ぎる方々を思うと、こんな顔が怖いだけのクソジジイなど何とも無い。




ジュリオは笑ったまま、壇上に膝をついた。


そして、親父とネネカを見上げながら、ニヤついた笑顔で『懺悔』したのだった。





「産まれてきてぇ、どぅ〜もさぁせんっしたぁ」




クラップタウン流の謝罪の言葉である。





「ほら、言われた通りに全裸で謝罪したから、早く冥杖ペルセフォネを持って僕に同行してくれる? こんな事してる場合じゃないんだよ。……治さなきゃいけない相手がいるんだ。ほら、早く」





ジュリオは全裸のままネネカを急かす。



そんなジュリオを見たネネカは、



「……わかりましたわ。聖女ネネカに二言はありません。治癒が必要な誰かがいるのなら、冥杖ペルセフォネを持って喜んで駆けつけましょう」



と答えたのだった。



ジュリオがまた無様に泣いて慈悲を乞う姿を嘲笑おうとしていた暇な野次馬達は呆気に取られ、「まあ、明日のヨラバーの新聞で笑わせてもらいましょ」と物足りない様子で広場から出て行った。





◇◇◇ 





神明裁判の後、ジュリオとネネカはすぐに冥杖ペルセフォネを持って慟哭の森前のターミナルにあるヒーラー休憩所へ馬車を飛ばした。 



馬車の中でジュリオはネネカに借りた服を着つつ、ネネカはスマホでルテミスに連絡を取っている。



冥杖ペルセフォネはジュリオがその身に括り付けている為、ネネカが触れても特に問題は無かった。




冥杖ペルセフォネについてはわからないことだらけであるが、これも後でネネカから説明を求めるしかあるまい。





「エンジュリオス殿下……先程の非礼をお詫び申しあげます……」


「気にしないでよ。あの場で君がああしないと、お父様が『死罪だ!』って言うかもしれなかったし。それを避けるためなら、あれくらいやらないとね」





ネネカは心底申し訳無さそうな声を出すが、ジュリオはアンナを治癒する事しか頭に無い。



ジュリオはアンナの無事をひたすら祈り続けた。 





◇◇◇





馬車を飛ばし船を飛ばし、遂にジュリオとネネカはヒーラー休憩所へと辿り着いた。


走ってアンナが待つ休憩室へと向かうと、通り過ぎるヒーラーや怪我人達が、ジュリオの後に続く聖女ネネカを二度見して驚いている。





「カトレアさん! ただいま戻りました!」


「お帰りジュリオくん!!! ……無事で良かった……」





カトレアは心底安心した声でジュリオを迎えると、聖女ネネカの姿を見て驚いている。



しかし、状況確認は後で良いと判断したのか、すぐにアンナが寝ているベッドへと案内してくれた。





「アンナッ!! 僕だよ!! 意識ある!?」





アンナは苦しげに眠っており、紫に変色した皮膚の侵食は首まで迫っていた。





「殿下……これ、まさか呪いっすか」 


「そうだよ。……呪いが強過ぎて、僕単体じゃ手も足も出なかった。……でも、冥杖ペルセフォネがあれば……」





ジュリオは冥杖ペルセフォネを横にし、両手で持ち上げる。





「私も一緒に持って良いですか? 感覚掴みたいんで」


「うん。わかった。……気分悪くなったら無理しないで」





ネネカは冥杖ペルセフォネの端を、恐る恐ると言った様子で支えるように掴んだ。 





「すげえ……あの目眩も吐き気もしてこない……」





ジュリオはネネカの感心したような声を聞き流すと、全意識を冥杖ペルセフォネに集中させる。



目を閉じ、アンナの体の生魔力の流れに集中すると、その体を巣食う呪いと毒をはっきりと把握した。


胸の鼓動が二重に体内で響き、生魔力の流れが早くなる。


手のひらから流れる生魔力が、全て冥杖ペルセフォネに吸われる感覚と呼吸を合わせると、すうっと息を吸った。





「カース・ブレイク」


「当たり前のように詠唱破棄っすか……」





ネネカが呆れたような声を出した瞬間、冥杖ペルセフォネが白く輝き、光が爆ぜた。


いつもの激しく眩しい黄金の光ではなく、目を焼くほどに強い白い光である。




その光が止んだ瞬間、ジュリオは冥杖ペルセフォネを床に放ってアンナの身体を揺すった。





「アンナ!! 大丈夫!? もう呪いは祓ったから!!」





アンナを揺すり起こそうとするジュリオに、ある懸念が生まれる。


自分の生魔力は濃度が高過ぎる。


故に、強力な魔法で大量の生魔力を注がれた相手は、見に余る生魔力を得た事で精神錯乱を引き起こすのだ。



おまけに今回は冥杖ペルセフォネを使用している。



冥杖ペルセフォネを介した生魔力が吉と出るか凶と出るかはわからない。





「ぅ…………ぐ……」





アンナが微かにうめき声を上げた。





「アンナっ! 良かった……生きてる……生きてるね……! 呪いと毒は祓ったから!! だから!」





ジュリオは微かに目を覚ましたアンナに縋りつく。



良かった……生きててくれて安心した。 



アンナが生きていると実感した瞬間、ジュリオの体から力がふらふらと抜けてしまう。


倒れそうになったジュリオを、ネネカが咄嗟に支えた。





「……よう、ジュリオ……」





アンナがゆっくりと起き上がり、力無く笑っている。





「アンナ、大丈夫!? どっか痛いとこ無い? 平気?」


「ああ……ひっでぇ二日酔いしたみてえな感じだけど……特に問題無……ぅ……」





アンナは言葉を止めて、口を押さえて苦しそうにしている。





「吐きそう……」


「わかった。ええっとゴミ箱……無いや。ごめん、僕の服に吐いちゃって!」




ジュリオは着ていた上着をすぐに脱ぐと、中央をたゆませて両手で持った。



その瞬間、アンナは口から血を吐き出してしまう。


その姿にジュリオは驚愕し「血を吐くなんて大丈夫じゃないでしょ!」とパニックになった。



その一方、ネネカはその血を指で触って少し考える素振りを見せた後、ジュリオを落ち着けるように話しかけた。





「これ、エンジュリオス殿下の血ですよね。……この血を吐き出したってことは……必要以上の生魔力を体が拒否したって事だと思います。何せエンジュリオス殿下の血は……」





ネネカがそう言いかけた瞬間、ローエンとマリーリカが慌てた様子で部屋に入って来た。





「お前らテレビ見てみろ! やべぇ事になっ……!? ……聖女ネネカ様!!!!??? あ、の俺、違うボクはローエンと言いま」


「今それどころじゃないでしょ!? ジュリオおかえり! アンナさん無事で何より! ネネカ様初めまして! それより今はテレビだよテレビ!!!」





慌ただしく部屋に入って来た二人は、慌てた様子でテレビの電源を付けた。





「目ぇ覚ましてこの騒ぎかよ……いっそマーチングバンドでも呼べや」


「アンナ、それ僕も同じセリフさっき言ったんだよ。奇遇だね」


「そうかい。気が合うなあたしら」





ジュリオとアンナはヘラヘラと言葉を交わす。

 


そんな二人の様子を、ネネカは嬉しそうに眺めていた。




 

「これこれこれこれ!!! ほら! ジュリオお前ぇさん前にヒナシに付きまとわれて密着取材されてたろ!? そん時の映像が!! ほれ!」





ローエンがテレビのチャンネルを忙しなく変えると、画面に写ったのは

 


『チャンネル・マユツバーが送る! 衝撃のドキュメンタリー!! 追放されたバカ王子、努力して最強のヒーラーになっていた!? 紙面でしか見られなかったバカ王子のその実態は、慈愛と度胸に満ちた麗人だった……!』



と言う美しい文字が踊る画面である。





「……ヨラバーみたいにまた僕を晒し者にしようっての……? ……別に良いけどさぁ」


「違う違うその逆、逆!!!!」


「は?」





慌てたローエンについて行けず、ジュリオは黙ってテレビの画面を眺めた。


すると、そこに写っていたのは……。





「何だこれ…………ジュリオ、あんた…………めちゃめちゃ美人だな……。知ってたけど」


「そう、だね……。知ってるけど……」




 

テレビに写るジュリオは、とんでもなく美しかった。



柔らかな光が金髪と白い肌を照らし、若草色の瞳や形の良い薄い唇へ視線が集まるような構図で取られたその映像は、自然さを通り越して『作為的なまでにジュリオを美しく写した』ものだった。





「こりゃまるで……女神ペルセフォネっすね……」





ネネカがぼそりと言葉をもらす。




ジュリオ一同は言葉を無くし、チャンネル・マユツバーのジュリオのドキュメンタリー番組をアホ面で眺めていた。



そして、その作為的なまでにジュリオを美しく写したドキュメンタリー番組は、とんでもない大きな波乱を呼ぶ事になるのだが、この場にいる者は誰一人としてまだ知らなかったのである。


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