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第 1 話  卒業、報告、決意、出会い

 「ご卒業おめでとうございます!ルイガ様!今後は自分が、責任もって勇者たちを潰しにかかりますんで!」

と、次のラスボス予定であるハガクは言う。

 「ああ、ありがとう。一回でも負けたら“(プレイヤー)”は入ってこないからな、しっかりな。」

 「任せてください!今までありがとうございました!」

 『『ありがとうございました』』



 俺はこの世界でのラスボスだった。たった今、その立場を卒業した。

元々、初期オーディションで最優秀能力者として合格された、いわば雇われボスであった。

すでにオーディションらしきものはなく、受かって残っている能力者以外の雑魚と呼ばれるボスたちは皆運営がきちんと作り上げたNPCである。



 能力があるボスたちにはきちんと金が支払われる。勇者たちに課金してもらうために俺たちが強く戦い続けなければならない、肉体労働だからである。また、俺たちの能力を買っているわけでもあるため、能力別に格差がうまれる。

当然、俺は一番上であるラスボスなので、金にしろ扱いにしろ装備にしろ何もかも優遇されているのだが。



 それでも俺は、この(ラスボス)を辞めた。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 「ねえ(るい)、なんでラスボスやめたのよ。あんたの前のステージボスですら雑魚って言われてたの知ってたわよね。昇格するから皆喜んでたけど、運営からしたらすぐ赤字になって困るだろうし、それに

 「もう俺は戻らないよ、受験だってあるし。栂崎だって大変なんじゃないの?俺のこと言うよりもさ、栂崎はもっと自分のこと考えた方がいいと思うよ。」

 「…あなたねえ。私は、あなたに誘われて販売職に就いたっていうのに、あなたが私に何も言わずにあのゲームを離れるなんて、あり得ないと思ったわ。」

 「その件は悪かったよ、昨日も電話で言ったと思うけどさ。」



 栂崎(つがさき)とは高校三年間クラスが一緒であり、一年のころおとなしかった栂崎に漬け込むように、一緒にオーディションを受けないかと誘った。戸惑っていつつも了承してくれた栂崎は、武器屋の販売人として配属された。



 「でも新作世界ゲームができただろ、そっちの方に行きたいんだ。」

 「あなた、本当に言ってるの?今時ラスボスのオーディションなんてないと思うけど…。」

 「それがあったんだよ、結構給料もいいしサポートも手厚いらしいしさ。」



 あ、栂崎が困ってる。というか、呆れた顔しているかもしれない。三年間一緒のクラスで、一緒の世界で働いていたとしても流石に完ぺきに相手を理解できるわけではない。



 「…私のこと何も考えてないのね。」



 違う、俺に対して呆れたんじゃなくて、今まで振り回してきたのに収集を付けないことに対して怒っているのだと察した。



 「…ごめん、俺と一緒に来ないか?」

 「いいえ、受験が終わるまで環境変えたくないので結構です。」

 「そうか、悪かった。」


 気まずい雰囲気になった時、急に風が吹いた。香水のような甘い香りが自然なものではないことを悟らせる。


 


 ?「あの!GZN(グレートゾーン)の話してましたよね!私と組みませんか!」

 


 

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