表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/43

第九話 ついに決着! 悪魔を撃退する程の力を持つロリコン大学生


 「ぐあああー! 腕がーーーー!」


 先程斬られた腕の痛みを抑えつけるかのようにもがき苦しんでいた。


 「うるさいな…。」


 田辺はボソッと言い放った後、もう片方の腕も切り落とした。


 ズザン!


 「ぐああああああー!」


 両方の腕を切り落とされ涙を流す悪魔、それを見て何とも思わないかのように呆然と立つ田辺。


 悪魔はこれ以上苦しみたくないと思ったのか田辺から直様逃げ出した。


 一連の流れからもう彼に敵わないし、戦っても死ぬだけだと思ったのか恥を承知で背を向けて飛び出す素振りであるかのように。


 しかし、彼はそれを逃すまいと追いかけ空中から放つ斬撃で悪魔の羽を切り落とした。そして悪魔はのまま地面へと落ちてしまうのである。


 「グフッ…。」


 悪魔は地面に落ちた衝撃で動けない状態でいた。


 一方田辺は『空中浮遊』のスキルを解き、そのまま悪魔に近づき始める。


 「ヒッ!!」


 もはや、彼に対する恐怖で完全に染めきってしまった悪魔は両足だけでも逃げようとするが、田辺によってその両足でさえも切り落とされてしまう。


 「グボハッ!」


 悪魔はそれによってうつ伏せで倒れてしまう。


 もはや身体の四肢と羽を失くし逃げ場のない状態で追い詰められたいく。

 

 しかし、こんなところで死ぬわけにはいかないと思った悪魔は最後の手段に出たのだ!

 

 「頼む、見逃してくれ!」


 それは命乞いである。


 「私は、ただ『アイコル』様の命令でこの地を偵察に来ただけで貴方様に危害を与えるつもりは全くなかったんだ。」


 田辺は悪魔の情けな姿に呆れたのか、手元にあった剣を腰にある鞘へ戻し始める。


 「それに至っては、この森で随分と人間を殺し尽くしていたと思うが…。」


 「それは…話合おうとしてたのにあいつらが勝手に攻めて来たから正当防衛で…。」


 「あの小さい女の子もか?」


 「そ、それは…。」


 「お前、嘘つくの下手だな。」


 「!!」


 「まあいいや、とにかく死んでくれ。」

 

 「ま、待て! いいのか…俺を殺して、ア、アイコル様が黙っていないぞ!」


 「はあ?」


 もう誤魔化しきれないと思ったのか悪魔はとうとう開き直り、脅しにかけてきた。


 「し、知らないのかアイコル様を? アイコル様は我々の種族を治める偉大なる恩方何だぞ。もしあの方がキレられたりでもしたら…お、お前らの国は一瞬で滅ぶんだぞ分かってるのか?」


 田辺はそれを聞いた途端、「はぁ~」とため息をつき質問を返す。


 「お前、散々俺達をみくびって痛ぶってたくせに自分が命に危険が及ぶと途端に命乞いをしたと同時に自分の目的をバラすとは恥ずかしくないのか?」


 「う、うるせぇー! とにかく俺を殺せばお、お前などアイコル様には及ばないって事だ! いいか、もう一度言うぞ俺を殺せば…。」


 そう悪魔が言いかけた途端、田辺は右手を悪魔に向ける。その右手からは青白い炎のようなものが出始めていた。


 「そんな事は別にどうでもいい、俺はただ可愛い子を傷つけられただけでお前を殺したくて仕方ないのだよ。」


 その炎はますます大きくなり丸く形つくっていた。


 「ま、待て! 人の話を最後まで聞け!」


 涙を出して別人のように泣き顔をする悪魔だが田辺は容赦なく、しかめた顔で責め立てる。


 「話を聞いたとこでお前を殺す事に変わりはない。」


 そして、その炎は火の玉のような形ができ攻撃する準備が整う。


 「じゃあな、悪魔! 骨も残らず消し飛ぶがいい!」


 「ちょ、ま…。」


 「シモスヘルズ! (怒りの炎)」


 その炎が放った途端、悪魔を覆い尽くす程の範囲で消し飛ばされ本当に一本の骨が残らないほどその悪魔は灰となっていった。


 「一つ言っておこう、あいつはお前を殺したとしても動かないよ。」


 そう言い残した田辺は役目を終えたかのように後ろに倒れ始め眠りについた。


 

 

 一方その頃、とある島のある城で…


「アイコル様、突然のご報告をお許しください。」


 「何じゃねダイオス、そんなに慌てて。」


それは玉座に座る女性とそれにひれ伏して喋る男性による悪魔との会話だった。


 「はい、それが…ちょっと申し上げにくいのですが…。」


 ダイオスは少し言いにくそうな顔をするが、アイコルはじれったい感じで問いただす。


 「何じゃダイオス、黙ってないで申してみよ。 そのためにここにきたのじゃろう?」


 「は、申し訳ありません。実は…先程、キリオスの反応が途絶えてしまったようで。」


 「ほう、あのキリオスが。して、誰にやられたのじゃ?」


 少し驚いていてしまったがすぐに冷静を取り戻すアイコル。そして、ダイオスはその彼女の質問に答え続けた。

 

 「それが、何やら奇妙な少年の反応でして未だ詳細は分からず…。」


 「奇妙な少年じゃと?」


 「はい、あのキリオスを大幅に上回る程の魔力量で私が知る限りそのような者を反応をするのは初めてで…。」


 少し動揺するダイオス、だがアイコスは少ししかめた顔でいた。


 ダイオスはそのしかめた顔にビビりながらも対策を聞き出していく。


 「あの少年をいかが致しましょうアイコル様?」

 

 「ふむ、代わりの偵察人を誘導しておけ。そして、あの少年の監視の命令を付け加えろ。」


 「は、直ちに。」


 ダイオスは命令を果たそうと戻り始め、アイコルはあの少年について考え始めていた。


 「魔力の大きい少年か…しかし、キリオスめやはり偵察に行かせたのは間違いじゃったな。じゃが、我々の目的はいずれ変わらぬ。」


 アイコルの表情は微笑む表情を見せるがその目はとてつもない殺気が芽生えてくる。


 そして、ニヤリと笑ってこう叫んだ。


 「待ってろよアルセウス王国、必ず我々がその国を滅ぼしてやろうぞ! フハハハハハハハ!」


 その高笑いは城の中まで響いたという。


 


 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ