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88 創立100周年記念パーティー(16)
美久子がウィリーに襲われそうになる少し前。
平松の車で六本木に向かっていた流青は健二から連絡があり、とある外国人バーに向かった。
木下恵の父親が経営しているバーに、美久子が連れて行かれたらしい。
美久子のGPSもそのバーと同じ住所を表示していた。
バーのあるビル前に平松が車を停めた。
「流青さん、警察が来たら案内します!早く!」
流青と岩田部長、一橋達は急いでビルに入って行った。
平松は流青の父親の信彦に電話を掛けた。
「乾代表!今、宇佐美さんが連れ込まれたビルの下に着いたぞ!警察……あっ!」
サイレンが聞こえたかと思うと、沢山のパトカーが周りに停車し、瞬く間に物凄い人数の警察官が降りてきた。
『平松さん!サイレンが聞こえます!』
「警察が来たっ!電話を切る!」
平松は慌てて電話を切り、車を降りて警察官に叫んだ。
「警察の方!こっちです!宇佐美美久子さんが連れ去られたビルは、ここの10階です!お願いします!早くっ!!」
20名くらいの警察官が平松の指したビルに走って行った。
一人の警察官に事情を聞かれ、平松は説明した。
その間も美久子が心配で仕方が無かった。