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78  創立100周年記念パーティー(6)

「七海、めちゃくちゃ可愛い!お着物すっごく似合ってる…」

「そう?ありがとー!

でもっ!今日、私は本当は踊るはずじゃなかったのにいぃ!

私も美久ときのぴいとゴージャスお料理食べるはずだったのにいぃ!!」

「七海、わかるよ、悔しいよね。だから代わりに私たちが鯛めしを」

「鯛めしーっ!!」

「七千代さん、ちょっとお声が大きいですよ……」


七海の踊りの先輩に優しく叱られた。


「「「はーい、すみませーん…」」」


「…七千代さんって、七海の踊りの名前?」

「うん。なんかお恥ずかしい」

「かーわいー!名取だね!すごいなあ」

「今日は何踊るの?」

「『千代の舞扇』」

「かっこいー!名前と同じだ!(かぶ)せてきたねっ」

「ちがうよー、たまたま!」

「めちゃくちゃ楽しみ過ぎる…」

「あ、私ちょっとお花を摘みに行って来るわ。美久、ここで待っててくれる?」

「いーよー!いっぱい摘んできてね」

「まかせて!」


恵が七海の楽屋を出て行った。


「ほんとに綺麗だねー、七海。お人形さん以上だよ。お色気がすごい!」

「ええっ!お色気!?ないない!もー、美久ったら誉めすぎだよ、ありがとね!お化粧とお着物のお蔭だね。あと最後にもう一枚羽織るんだー」

「七千代さーん、そろそろ仕上げますねー」

「はーい、行きまーす!美久、ちょっとそこの衝立(ついたて)の奥に行くねー」

「おっけー!待ってるー」



数分後、七海が戻ると、美久子の姿が無かった。





『七海?どうしたの?もう出番…』

『きのぴいっ!美久がいないっ!美久がいなくなった!』

『ええっ!?…あっ!美久!いたっ!何、アイツらっ!ちょっと切るわ!』


恵と電話を切った後、七海は湊人に電話を掛けたが出ない。

泣きそうになりながら健二に電話を掛けようとしたその時、楽屋にスーツ姿の男性がいきなり入って来た。

 

「すみません!宇佐美さんはっ!?何処に!?」


スーツ姿の男性が楽屋を見渡しながら慌てた様子で聞いてきた。


「あ、あの、あなたは」

「常盤警備システムの一橋です、常盤健二さんからのご依頼で宇佐美美久子さんを警備していましたが、今、この部屋にいないですよね!?」

「そ、そうなんです!いなくなって、トイレに行った友達に電話を掛けたらちょうど見つけたって。でも、何アイツらって言って電話が切れました!」 

「…なるほど。わかりました。では、失礼します」


一橋は耳を触り何処かと通信しながら、そのまま走って行った。


『一橋より岩田部長。宇佐美さんが攫われました。相手は複数名のようです』



「美久っ…」







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