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44  狼狽

その日の夜。

恵と湊人はスマホで話していた。



「…で、湊人。あなた、なかなかやるじゃない。」

「んー?何がー?」 

「Cクラスの大島さん達のことよ。」

「んー?ああ。まあねー。以外と賢い子たちだったみたいで、ちゃんと話せば分かってくれたよ。」

「ちゃんと…ね。大島さんは昔、私にも乾くんに近付くなって難癖付けてきたから一度締めておいたんだけど。私と乾くんは合わないっていうの!」

「あー。見た目は美男美女で超お似合いに見えるからねー。中身が似過ぎててお互いにダメだよね。」

「似てません。私はあんな冷酷堅物じゃないわよ。

でも。ありがと。私がもう一度締めようと思ってたから、助かったわ。

で。乾くんはこれからどうするの?冷酷即決な彼にしては珍しくモタモタしてるじゃない。」

「もう、ほんっとに笑えるよ!あの初恋バカの狼狽える姿!あはは!」

「…。乾くんも人っぽいところがあったのね…。とにかく、美久の事、本気なのよね?ま、あの様子じゃ決まってるわね。一度美久を泣かせたけど二度目は無いから。今後泣かせるようなことをしないのなら、私は応援するわ。美久も思いっ切り乾くん命だし。」

「違う意味で泣かせちゃうかもだけど。」

「どういう意味よ。」

「いーの、いーの。実はおぼこいメグちゃんは知らなくていーの!で、うさみみちゃんの事心配するのも良いけど、自分の事もそろそろ、がんばりなよ。」

「…?どーいう意味よ。」

「健二。アイツ、あんなナリで厳ついけど、よーく見ると結構端正な顔してるしー。根はキミがよーく知ってる通りめちゃくちゃ優しいから、一部のキワモノ好き女子たちにめっちゃ狙われてるよー」

「!!…ほんとに?」

「うん。ほんと。」

「…。どうしよう。」

「あー!だからっ!もー、早くコクれって言ったでしょ!さっさと手に入れればいいじゃん!ずっと近くにいたのに。空手道場も健二に会いたいから行ってたようなもんだろ。」

「…。だって。今更…言えないもん。」

「…。」

「…そんなにモテてる?」

「…今週2人目。告られてたの。俺が知ってるだけで。健二も次男だけどバリバリの御曹司だからなー。お金持ち好きな女豹や女狐はそりゃほっとかないだろ。メグ、そろそろ本気出せ。」

「あー!やばい。どうしよう。がんばらなきゃ…。助けて湊人!」

「助けない。とりあえずがんばりな。骨は拾ってやるからさ!」 

「私、まだ死んでない。」

「…。やっぱ似てるわ、お前たち。」

「…??」



恋する幼馴染みたちのことを笑いながら、

ふと、湊人の脳裏に一人の女子の笑顔が浮かんだ。

胸がぎゅっとした。


「…。やっべー…。マジか、俺…。」


湊人は一人、狼狽えた。





※恋するきのぴいは、とっても可愛いのです。萌えます。 

 湊人!たいへんだ!!

 待て!次号!!

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