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4 誰!?
取りあえず今は寝よう。考えるのは後だ。
窓から聞こえてくる運動部の人達の声や打球音を聞きながら目を瞑った。
眩暈はかなり治まってきた。よかった。
クラスの保健委員をしている私は、保健室が大好きだ。
この白い空間に守られている感覚とエタノールの香りが好き。
ふわふわウトウト微睡んでいると、保健室のドアがノックされて開いた。
養護教諭の川北先生かな?教員会議で遅くなるって言ってたけど、終わった?
あれ?お母さんかな?早く来てくれたのかも。
ベッド周りを囲んで閉められているカーテンで誰か見えない。
誰かな?
「…宇佐美?」
「!?」
男子の声がした。低めで優しい。
えっ!?誰!?
「…宇佐美、大丈夫か?」
「…。はい。」
えっ!?
も、もしかしてこの声…。
狸寝入りをしようかと思ったけど、ダメだった。
つい、返事しちゃった。
「…カーテン、開けても、いいか?」
「えっ?」
答える前に、そろーっとカーテンが少し開いた。
カーテンの隙間から見えたのは、
同じクラスの絶世の美男子だった。
また、固まった。
なかなかヒーローが出てこなくてすみません!