33 悟り
「おはよー!」
「おはよー、美久。もう大丈夫なの?」
「うん!ありがと。昨日ずっと寝ててすっかり元気になった!二人ともRINEくれてたのに返事返さなくてごめんね。」
「いいよー!既読つかなかったから、きっと寝てると思ってたし!元気になったならよかったー。うん、顔色もいいね!」
「ほんとだ。何かすっきりした感じがするわね。」
「ふふふー。やっぱり分かるー?どうよ、この生まれ変わった美久子ちゃんは!」
「まー、大して変わらないわね。このプニプニ魅力的な二の腕は変わらないし。」
「ぎゃー!きのぴい!プニプニしないでー!めちゃくちゃ気にしてるんだからー!」
朝からいつものように楽しいひとときだ。
もう、幸せしか感じない。
私は今を大切に生きよう。
「おー。流青、はよー。」
「おはよう。」
乾くんだ。
今日も朝から光輝いている。
少し気怠そうに男子達と喋っている姿から目が離せない。
後で勇気を出して、昨日保健室を訪ねてくれたお礼を言いに行こう。
緊張するけど、電車の中で何度も脳内シミュレーションをしたから、だ、大丈夫だと思う。
昨夜、美久子は気付いてしまった。
乾くんは…
亮介だ。