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25  前世の私(4)

高校2年生の梅雨、突然の知らせが静子に衝撃を与える。



医師である亮介の父親が研修のために一年間米国に行くことになった。

英語の取得にもなると、家族と一緒に亮介も渡米することになった。


亮介は静子と離れることを厭い、初めは渡米を拒否したが両親が許さず家族と共に来月引っ越すことになった。



静子は寂しさと不安で毎日泣いていた。

一ヶ月はあっという間に過ぎた。


渡米前日、亮介は静子の家を訪れた。

目を真っ赤にして泣き腫らした静子に、亮介はいつものように愛しい眼差しで見つめながら、ゆっくりと諭すように話した。



『一年後、必ず戻って来るから。待っていろ。』


『それからはもう離れないから。大人しく待っていろ。』



と言われ、抱き締められた。

亮介の身体が少し震えていた。

静子は泣きながら何度も何度も頷いた。


泣き止まない静子の背中を、亮介が優しく、トン、トン、とたたいた。

静子は尚又泣いてしまった。


幼稚園からずっと一緒だった大好きな亮介との別れ。

一年間とはいえ、半身を引き裂かれる思いだった。




まさかこの時は、この別れが本当の別離になるなんて思ってもみなかった。






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