24 前世の私(3)
聖陵学院高校に上がり、静子には白井 夏美という新しい友達ができた。
少し前に静子の自宅の二軒隣に引っ越して来た夏美は、高校から聖陵学院に入った。
聖陵学院は内部生が多く、高校から入学する生徒は初めは孤立しやすい。
静子と夏美は同じクラスになり家も近いことからすぐに仲良くなった。
高校生になった静子は、美しさに加えて更に艶が増して輝いていた。それでいて楚々とした雰囲気は変わらない。
亮介に大切にされ、控えめにしていても自然と目立ってしまっていた。
亮介の目を掻い潜った男子生徒から幾度となく交際を申し込まれるが、私には亮介がいるからと、丁寧にきっぱりと断った。
亮介も長身で眉目秀麗、心身にも磨きがかかり、学院内だけではなく他校の女子生徒からも憧れられる存在だった。
しかし亮介は静子だけを大切にし、他の女子には見向きもしなかった。
高校生になっても亮介は部活動が無い日は静子を家まで送った。
極稀に亮介と静子が帰っている時に、偶然一緒になった夏美と三人で帰ることもあった。
その時も亮介は必ず静子の隣を歩き、静子の話を嬉しそうに微笑みながら聞いていた。
亮介と静子、二人にとってこの時が一番幸せな時期だった。
次話から内容がかなり辛くなります。。