2 大好きな友達たち
午後はずっと気絶したように眠った。
寝ているはずなのに、頭の中は凄いスピードで色んな景色、人、たくさんの情報が写真のアルバムみたいに増えていく。
怖い。止まらない。目を瞑って耐えるしかない。
勝手に流れる涙はそのままに、とにかく眠った。
起きたら夢でありますようにと願いながら。
放課後、心配そうな面持ちで七海ときのぴいが私の鞄を持って保健室に来てくれた。
「美久、どう?大丈夫?しんどい?」
「顔色、まだ悪いね。今日はクラブも欠席して早く帰りなね。
美久のお母さんがもうすぐお迎えに来てくれるって先生が言ってたよ。」
「うん。大丈夫。ありがと。お母さんからRINEあった。
少しマシになったみたい。
二人ともびっくりさせてごめん。今日はクラブもあるのに迷惑掛けてほんとごめんね。」
「いいよ、そんなのー。でもびっくりしたよー。急に固まって号泣するから!なんかあった?」
「ううん。ごめん、大丈夫。なんか自分でもよくわからなくて。あれかな、『女心と秋の空』的な感じ?」
「またー!美久は昭和的なことを言う!そして使い方間違ってる気がするし!今、まだ春だし!」
「あはは、いつもの美久っぷりが戻ってきたから大丈夫かな。
なんか悩んでるなら私たちに言いなよ!七海も私も美久をいじめる奴がいたら容赦しないから!」
「あはは!きのぴい、ありがと。七海もありがとね。お母さん来るまでここでもうちょっと待つね。」
「そうだね、もう少しゆっくり寝ててね。あ、きのぴい。」
「あ!そうそう、明日は土曜日だけど全クラブ休みなんだって。
美久は明日しんどかったら授業は午前中だけだし無理せず休んで。
今日の分も含めてノートは全部コピーするから!」
「ううーっ。二人とも優しい。優しさが身に染みるー。ほんとありがとう。明日は大丈夫だと思うけど、しんどかったら休ませてもらうね。」
「そうそう!じゃ、私たち行くね!また夜RINEするねー。」
大好きな親友、七海ときのぴいこと福田 七海と木下 恵は、それぞれのクラブに走って行った。
遅刻させてしまってほんと申し訳ない。