122 みんなでアニマルプリン(1)
クラブ終わりの放課後。
美久子は恵と七海と一緒に、美久子リクエストのスイーツを食べに来ていた。
表参道の外れにあるこのお店の今一番人気のスイーツは、動物の顔の形をしたガラス容器のアニマルプリンと小さなカラメル味のロールケーキのセットだ。
お好みでカラメルや生クリームを乗せて食べる。
見た目が可愛くて、味も最高だ。
「ここのプリン、めっちゃカスタードが効いてて美味しいわね!」
「ほんっと濃厚で、しかも可愛い。カラメル味ロールケーキも美味しいねー」
「きのぴいがネコで、七海がリス。ぴったりだね!」
「美久のタヌキもなかなかぴったりよ!」
「えー、タヌキがぴったりってー」
美久は本当はハリネズミがよかったが、人気で売り切れていたので残った中から何となくタヌキにした。
「……それにしてもさー、あのパーティーの日は、本当に色々あったわよねー」
「うん、ほんとー」
「ついこの間のことなのに、なんだかすっごく前の事みたいに感じるよ」
「あれからは大丈夫?」
「うん。流青くんのご家族やうちのお父さんや叔父さんまで色々してくれてるみたい」
「とことんしてもらいなね!私も健二とパパがかなり頑張ってくれてるみたい」
「そっか……気になってたから、よかった……。
七海もあの時お父さんにお願いしてくれて、本当にありがとうね」
「もう、何回も言ってくれたから十分だよ!
もう、聞いてよー。お父さんね、あれからなんだかテンション上がっちゃって、毎日何かお願いは無いかーってうるさいの。
そんな無いって。もう、困っちゃうよー」
「あはは!七海のとこも溺愛すごいからねー」
「なんか、私達全員、一緒だね」
「うん。でも、ほどほどが良いよ。何事も」
「だねー」「ほんとにそうだよ…」
「あっ、そう言えば!
よっ!婚約者持ち!婚約式終わったのよねー。
写真!ほら、見せて」
「見せて!っていうか、早く見せろー!」
「えー、やっぱり見せなきゃダメかー!恥ずかしいんだけど、二人にだけね…」
美久子はスマホを出して、こそっと二人に写真を見せた。
「「か、可愛いーーっ!!」」
※この『アニマルプリン』は作者が食べたい妄想プリンです。