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不遇召喚師と異世界の少女達~呼び出したのは、各世界の重要キャラ!?~  作者: you-key
第2部【動乱】篇 3章《聖槍、天高く》
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100話B【繰り返す未来《ルフラン》】

100話Aの会話に、フィルヴィーネのセリフを追加したバージョンになります。



繰り返す未来(ルフラン)


『転移完了だ。少し先に……いたぞ、エドガーだ……』


「エドガー様……この感覚。やはり……」


『ガブリエル。念話(ねんわ)で言った事は……』


「ええ。噓偽(うそいつわ)りの無いものです」


『そうか……では行くぞ。介抱(かいほう)しながらでもいい、話せ』


「はい……そうしましょう……」





「取り戻したようですね、契約の力を……」


『契約の?念話(ねんわ)で言っていたやつか……』


「はい。今お話した事が、現状(げんじょう)言える全てです」


『やはり、信じ(がた)いものがあるな……今お前に聞いたエドガーの話は……だが、エドガーの能力、いや……何か特別な物、【真実の天秤(ライブラ)】と同じようなものか?』


「ええ、(しゃく)ですが……わたくしと【魔女】の【接続能力(リンクスキル)】……【繰り返す未来(ルフラン)】を発動されたようですね、エドガー様……」


『やはりそうか。(われ)とロザリームの《紋章》が同じ右手にある様に……お前たち、一つ前の異世界人の能力も、しっかりと引き()いでいるのか……その反動と言った所だな、倒れたのは』


「そうです。わたくしともう一人、そして【魔女】が。その【魔女】の《石》は脳内にあります……その反動が、ここ最近の不調(ふちょう)原因(げんいん)でしょう。まぁ、わたくしの《石》のせいでもあるのですが……」


『これほどの状態(じょうたい)でも、隠し通していたのかこやつは……それだけ強い(きずな)が、あるという事か……』


(もう)し訳ないとは思っています……“(きずな)”……ですか。いえ、今となっては(のろ)いでしょう……」


(のろ)い、か……確かにそうかもしれんな……今のエドガーには、何一つ(のぞ)んだことではあるまいに……しかし、因果(いんが)(まわ)るものだ』


「本当に……面影(おもかげ)があります」


『そこまで似ているのか?前世(ぜんせ)である人物に。それならば、転生したというのも(うなず)けるが』


「ええ。やはり、成功していたのですね……【魔女】のあの《魔法》は」


『《転生魔法》か……“()のみぞ使える神域(・・・・・・・・)にまで足を()み入れるとは、【勇者】になるだけの事はある』


「よくもわたくしやノインを(あざむ)いたものです。一人だけエドガー様を監視(かんし)していたのでしょうが、これからはそうはさせません。もう()ぐわたくしの仲間、ノインたちが王都に到着するでしょう……そうすれば」


『全てを話してもらうぞ?そのもう一人も(ふく)めてな』


「はい、(かま)いません。あの【魔女】が何を(たくら)んでいるか、分かったものではありませんから……」


『そうか、ならばいい』


「わたくしとノインが貴方(エドガー)様に気が付いたのも……あの【魔女】の行動を(あや)しんだから。思えばまだ、それ程時間は()っていないのですね……」


『お前たちからすれば、十数年か……我等(われら)からすれば、まだ一年も()っていないからな』


「エドガー・レオマリス……しかし本当に、同じ名前を付ける事だけは反対だったのですが……」


『なるほど、悪趣味(あくしゅみ)な事をする……』


(うら)みを込めた、(にく)むべき相手だから……そう言っていましたよ、彼の父親は」


『自分の子に、親と同じ名か……威厳(いげん)尊厳(そんげん)のある人物ならば(めずら)しくもないが。(にく)しみを当てるか……』


「ですが、今になってよく分かりますよ……【召喚師】としての力を持たなかったあの方が、彼……エドガー様を(うら)むのも。帝国にいてなお、その向けるべき悪意(あくい)は……エドガー様にあったのだと、理解させられました」


『……前世(ぜんせ)のエドガーは、そこまでの人間だったのか?』


「確かに(きび)しいお方でしたが……でも、愛情はあった筈なのです。だからこそ、わたくしが守るのですわ……今の彼を、エドガー様を」


『……?』


「ですが、彼女はもういない……」


『まさか、エドガーの母親は……お前たちの仲間か?』


「はい、エドガー様の母親は、異世界人(・・・・)です」





「ぅ……ぅぅ……」


『むっ?』


「……(苦しむ顔は似ているでしょうか……?)」


『おいガブリエル。エドガーが苦しんでいる……話しどころではないっ』


「気休めでしょうが、ドライハーブです……少しは効くはずですが」


『【月の(しずく)】は?』


「いえ、もう【月の(しずく)】はありませんよ」


『なんだ使えん。ふむ、それにしても……エドガーが年老(としお)いている姿が想像できんな』


「もう四十年もすれば……あのようなお姿になるのでしょうね、きっと」


我等(われら)の時間の経過(けいか)は早いからな……無限(むげん)(ひと)しい我等(われら)“魔王”や“天使”の生は……人間とは(くら)べられぬ』


「……すぅ……すぅ」


可愛(かわい)らしい寝息(ねいき)を立ておって……』


「正直、もう関わらない方がいいかとも思いましたが、あの【魔女】が何かを(たくら)んでいる以上……わたくしもノインも、指を(くわ)えて観測者(かんそくしゃ)(てっ)していられるほど、吞気(のんき)ではありません」


『――その【魔女】が何を(たくら)んでいようとも、(われ)には関係の無い事だ。エドガーを(がい)しようとするならば、それを(ふせ)ぐだけ、そうであろう?』


「……はい。わたくしは、守るためにここに戻って来たのですから……」


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