確認作業再開-前-
無事(?)システム88のアップデートを終わらせた健三は、光の人型が言っていた、もう1つのプレゼント【追加されたスキル】を早く確認したいがために、システム88のモードについて詳しく聞く事もせずに、システム88に告げる。
「ステータス」
《マスターリクエスト……認証……ステータス表示します》
氏名:三井健三
年齢:20
種族:人間♂(地球人)
生命力:100
魔力:100
力:30
体力:25
知力:80
器用度:15
敏捷度:8
精神的抑圧感:5 (new)
【固有スキル】
意思疏通
ウィルス耐性LV.Max
病原菌耐性LV.Max
やり直し (new)
【保持スキル】
鑑定LV.Max
《ステータス表示完了……別途指示あるまで表示をキープいたします》
表示されたステータスを、改めて見つめる。新しく追加された項目について早く聞いてみたいと思ったが、ステータス確認の途中だった事を思い出し、順番に聞いていく。
「各項目の数字についての説明をして欲しい」
《マスターリクエスト……認証……解》
《生命力の数値は、日本人の20才男性の平均値となります》
《魔力の数値ですが、地球には魔力と言われる物が一切存在しないため、生命力と同じ数値を採用しています》
《知力と器用度以外の数値は、マスターの身長・体重・筋肉量・骨密度を元に算出した数値となっております》
《知力の数値は、マスターの小・中・高・大、各教育機関における成績を元に算出された数値となっております》
《器用度の数値は、物作りを元に算出をした数値になっており、マスターの数値は、同年齢の日本人男性と比べ若干の補正が掛かって高くなっております》
普通に生きてきて、普通に過ごしてきた男は、自分の数値が平均的である事には、なんの文句も無く素直に納得もしたのだが、補正が掛かって高くなっていると言われた器用度については、気になり補正の詳しい内容を問うてみた。
《マスターリクエスト……認証……解、補正の内訳は、14才の頃に夢中になられていた、ガン○ラ作りによって培われた技術が補正対象となっております》
男は、他人に大手を振って言えないであろう昔ハマった趣味を、暴露され言葉に詰まる……
(いや……まぁ……確かにガン○ラにハマって、カラーリングしたり、ジオラマ作ったりしていたが……)
夢中になってプラモ作りをしていた若き日を、強制的に思い出され、やるせない気持ちになったものの、世の中、何が役に立つのか分からないものだとも思った。
「各項目の数値については、一応の理解は出来たよ、それで……新たに追加されている【精神的抑圧感】って一体なんだい?」
《マスターリクエスト……認証……解、ストレス度です》
「ストレス度?なんでまた、そんな物をステータスに表示しているんだい?」
《マスター保有の【固有スキル】に表示されている……》
システム88による説明の途中、遮るかのように無理やり中断させる。
「ま……待った!固有スキルに関連しているって事だな?それじゃ、そのスキルの説明の時に、まとめて聞くよ」
あらかたの数値の説明を聞いた男は、当然こう思う。
(地球にはステータスなんて無かった……この数値は、高いのか?低いのか?平均的なのか?この世界の人と比べたら?)
「比較対象がないから、自分の数値が、どの程度の物なのかまったく分からないのだが、何か比較出来る物は無いだろうか?」
男は、アップデートして優秀さを手に入れたであろう、システム88に問いかける。
《マスターリクエスト……認証……この世界における、圧倒的多数の割合を占める【1次生産職】に従事する、マスターと同じ年齢の男性の平均数値を表示させる事が出来ます、マスターのステータスと合わせて表示させますか?》
100点の答えを言ってくれた、システム88に、アップデートしてくれた事に感謝する。
「比較対象のステータスを表示して欲しい」
《マスターリクエスト……認証……比較対象ステータス表示させます》
予定の文字数を大幅に越えそうなので、前・後編とします。