アップデート!?
プライドを軽く傷付けられ数瞬……
心なしか少しやつれたような顔で……次の疑問点に付いて、システム88に聞こうとしていた。
「それで、次の……」
質問を言い始めたその瞬間、健三は空から降り注ぐ光に突然包まれた。その光を形容するなはらば、天空へと伸びる一条の光の柱とも言うべき物であった。
『おや?まだそこに居たのかい?』
突然、健三の頭の中に声が響いた。健三にとっても、誰何する必要が無い程に聞き慣れた声だった。
健三を救い上げ、この世界へと送り出してくれた【光の人型】の声であった。
「あ……あなたは、ありがとうございます、希望を叶えてくれた上に、色々なサービスも付けて下さったようで」
今回の接触も、一方通行なのかもと思わないでもない健三だったが、光の人型の人知を越えた力の一端に触れていた健三は、素直に礼を言う。
『1度旅立たせたら2度の接触は、基本しないんだけれど、ちょっと忘れ物をしてしまってね』
「忘れ物ですか……?」
今回の接触は、どうやら一方通行ではないらしいと、お礼を伝えられた事に安堵すると共に、忘れ物とやらの正体を素直に知りたくて、光の人型に尋ねる。
『君の補助をさせる為に、システム88を作ったのだが、この世界の事をインプットさせるのを忘れてしまってね』
なるほど、確かに現状あまり役には立っていなかったシステム88を、使いやすい物へとしてくれるらしい。健三は、素直に喜んだ。
『さあ、これでアップデートは完了だ、今までのようにシステム88に語りかけてあげれば、君にもアップデートの内容は分かるだろう』
『それと、もう1つ君にスキルをプレゼントしておこう、アップデート内容確認後にでも、見てみてくれ』
光の人型の話が終わった途端に、健三を包む光の柱も霧散するかのように消え失せた。
「システム88、アップデート内容を教えてくれるかい?」
《マスターリクエスト……認証……アップデート内容を表示します》
①【ホルス世界全事象および全知識獲得】
②【ホルス世界知的生命体の歴史・文化全知識獲得】③【モード変更機能獲得】
《以上が、今回のアップデートの内容になります、③についての詳細を表示しますか?》
システム88からの提案に、健三は当然の如く飛び付いた。
「あぁ、表示してくれ」
《マスターリクエスト……認証……モード一覧表示いたします》
【一覧】
※)表示されたモードに変更する場合は、各モードの後にある《変更》に意識を集中的に向けるか、当システムに言語により告げると切り替わります
【性格一覧】
※)当システムの性格を、お好みの性格に変える事が出来ます
性格変更に伴い、思考等も性格に合った物へと切り替わります
・ツンデレモード 《変更》
・ヤンデレモード 《変更》
・クーデレモード 《変更》
・幼馴染みモード 《変更》
・寝坊してパンを咥わえて走る女の子モード 《変更》
・くっころさんモード 《変更》
・のじゃモード 《変更》
・ブラコン妹モード 《変更》
・ショタコンお姉さんモード 《変更》
・ノーマルモード 《変更》
表示された一覧に、ざっと目を通した健三は、俺……遊ばれてないか?と思ったが、各モードを選択した時の今後の展開を、高速に思考した後、結論に達したのだろう1つのモードを、システム88に告げる。
「ノーマルモードで」
《マスターリクエスト……認証……ノーマルモードに変更します》
一部、ものすごく気を惹かれたモードもあったのだが、今後の為を思い無難であろう選択をする健三であった……
今後の話の統合性を持たせる為の、ご都合主義と言う名の修正回ですw