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確認作業1話

 男は、草原に佇み辺りを見回してみた。男に向かって正面には、終わりが見えない程、どこまでも草原が続いていた。


 「あぁこの世界も地球と同じで惑星なんだな……」


 遥か先に見える地平線が、ほんの僅かではあるが、湾曲しているのを目にして、男はそう呟いた。左手の方向に体を向けると、草原の遥か先に大きな山が見える。活火山なのであろう、山の頂きから、鉛色の噴煙が昇るのが見てとれる。

 体を更に左へと向けると、目算で1~2㎞先からは、鬱蒼と覆い茂る森が広がっていた。枝振りから予測するに、広葉樹も針葉樹も生えているように見てとれる。更に体を左へと向けると、目算で500mほどだろうか、明らかに人の手が加えられた道のような物が見えた。男は、道に見える物を目線で辿るように動かすと、遥か先に何かしらの建造物らしき物が見えた。


 「あれは、街か何かかな?どう見ても城壁らしき物が見えるのだが……」


 自分の置かれている状況を確認し終えた男は、自分自身の姿を見てみた。

 肌触りから推測するに、木綿製らしき物で出来ており、頭からスッポリと被り、腕を袖から出す所謂、Tシャツ状の物を着ている。因みに柄も何も無い無地の黒1色であった。ズボンを見てみると、日本でもお馴染みのデニム生地そっくりな生地で出来た、細くも無く太くも無い普通のズボンをはいている。

 靴はと、視線を下にすると、何かの革であろう物を、丁寧に(なめ)して加工された、軍用編み上げブーツに似た靴をはいていた。


 「麻とかの服で、足を覆うだけの靴とかじゃないんだな……」

 「服の製法や靴の出来から推測すると、地球とあまり変わらないレベルの加工品に見えるな」


 ある程度の現状確認を終わらせた男は、いつまでも同じ場所に居るのは、得策ではない、モンスターが居る世界と言われていた事を思い出し、何かの建造物へと向かう為、道に見える物の方向へと歩き出そうとしたその瞬間。


 『やぁ、無事に異世界に辿り着けたねまずは、おめでとう、今日この瞬間から君は、この世界の住人だ』


 つい先程まで聞き慣れしんだ声が、頭の中に聞こえてきた。


 『この会話は、悪いけど一方通行なんだ、君からの声は私には届かない』

 『君が望んだ物とは別に、少しばかり君にプレゼントを渡しておいた』

 『今着ている服も、この世界では極々一般的な物に変えておいたよ』

 『足元に落ちている背負いカバンは、無限の物量を収納出来る便利なカバンさ』

 『カバンの中に、少しばかりの貨幣と食料を入れておいた、後で確認してみるといい』

 『そして、君には長生きをしてもらう為に、少しだけ体を弄っておいたからね』

 『この会話の後に【ステータス】と頭の中で唱えれば、君の詳しい状態も閲覧出来るから、試してみてくれ』

 『それじゃ、楽しい異世界ライフ送ってくれよ、私が君に話し掛ける事は、今後一切無いからね』


 それっきり、声が聞こえなくなったが、男はその後も数分間は、黙ったまま動こうともしなかった。


 「説明終わりかよ」


 明確な終わりを告げられていない男は、素直に続きがあるのでは?と、待っていたのであった。

 男は、いつの間にか足元に転がっていた、厚い布製の背負いカバンの中身を見る為に、膝を曲げ腰を落とした。

 カバンは上蓋を、ボタンで留めるタイプの物のようだ。男がカバンを開け中を覗き込むと、頭の中にカバンの中に何が入っているのか自然と浮かんできた。


 「開けると中身の一覧が頭の中に浮かぶのか?」

 便利な機能まで付けてくれたと、男は光の人型に心の中で、礼をした。


 (ホルス共通銅貨×50)

 (ホルス共通銀貨×20)

 (ホルス共通金貨×5)

 (小麦と塩と砂糖を押し固めた固形非常食×90)

 (家畜肉の燻製×90)

 (水筒×1)


 「この世界の名前は、ホルスって言うのか」


 貨幣の前に付いている、ホルスと言う名称と、共通と言う言葉から男はそう察した。カバンの確認が済むと男は、カバンを背中に背負った。


 「さて、要らないとは言ったものの、異世界にと言えばステータスの確認だよな」


 男は、少しばかりワクワクとしているような口調で、そう呟く。

次回は、ステータスの確認です。

グダグタとした流れで、申し訳ないです。

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