序章2話 後編
『さて、それじゃ色々と決めなければいけない事を決めてしまおうか』
そう言うと光の人型は、男に向かって近付いてきた。近付くにつれ、不思議な事に人型の発している光の光量もおさまっていき、男は普通に人型を直視する事が出来ていた。
『楽しませてもらった君には、特別な力を与えて生まれ変わらせてあげるよ』
『矢でも剣でも傷1つ付けられない不滅の肉体がいいかい?』
『どんな賢者よりも優れた魔法の力がいいかい?』
『地球の知識を何でも引き出せて活用出来る頭脳がいいかい?』
光の人型は、矢継ぎ早に男に問いかける、更に何かを言おうとしたのだが、男の言葉がそれを遮った。
「ちょ……ちょっと待って下さい」
「今、魔法の力って言いませんでした?魔法があるんですか?」
『あぁこれは失礼したね、そう君が生まれ変わる世界には、地球には存在しなかった、魔法やモンスターが存在しているんだよ』
『剣と魔法とモンスターの世界、どうだい?楽しそうな世界だろう?』
男は、光の人型の説明を聞いて少し考えを巡らせたと思ったら、おもむろに光の人型に向け言いはなった。
「特別な力を授けて下さるのなら、私が私であり、どんな人生を地球で過ごしてきたのか理解出来る力と、この年齢この容姿のままで生き返らせて下さい」
『たったそれだけの力でいいのかい?望むなら異世界を自分の物に出来る力すら授けてあげられるけど』
「私が望む力は、それだけで十分過ぎる程の力です」
『……君は、謙虚なんだね……分かったよ、君が望む力を授けて生き返らせよう』
『肉体は、君の住んでいた地球に置いたままになっているが、君の望みに合わせ、生き返る世界に合うように再調整してあげるよ』
『そうそう、安心してくれていいからね、冷凍ご飯によって出来た傷もちゃんと修復しておくから』
そう言うと、光の人型が思い出し笑いを起こしたのか、また揺れ出した。
『さあ、全ての準備は整った、君の第2の人生の始まりだ』
『新しい世界を思う存分に楽しんでくれ』
そう告げると、光の人型は、現れた時以上の光を体から発光させ、光で男を包み込む。その光に目を開けていられなかった男は、目を閉じた。その光の奔流が過ぎ去り、目を恐る恐る開いてみると、男は、見た事の無い草原に座り込んでいた。
「着いた……のか?」
「本当に死んで違う世界に生まれ変わったんだな……」
男は、ここまで来て初めて、これまでの事が自分の身に起きた事実だと認識出来たのであった。
大まかなプロットは、私の頭の中にだけあります。書き貯めも、何もしていないため、更新は適当に暇を見付けてしていきます。