可愛くない便利屋さんに出会ったよ~ギルド編~
どテンプレ過ぎる話は、筆が進みませんね……
書くのも、ちょっとイヤになるぐらい。
男は、席を立つと、奥に見えるお店へと向かう。
大きな階段の横を、通り抜け、お店の前へと着く。
屋内にあるお店のためか、オープンスペースになっていた。
向かって、右側の階段がある方は、階段の底部分が、斜めに走っている為に、十分なスペースを取れないのであろう、棚が置いてあり、何かの商品が、陳列されている。
向かって左側には、立ったまま使える、テーブルが、何脚も置いてあり、テーブルの向こうに、小さなカウンターを備えた、厨房のような物が見える。
テーブルには、複数のグループが、居て。思い思いに、食べ物を食べたり、酒のような飲み物を飲んでいる。
男は、ここで何か食べ物か飲み物を、購入して、貨幣の価値を知ろうと。背負っていたカバンを、下ろすと、中から、銀貨を3枚と金貨を1枚取り出し、カバンを手に持ったまま、カウンターへと進む。
途中、テーブルを使っているグループから、何か詮索するかのような視線を感じるが、すぐにそれも無くなり、カウンターに付いた男は、厨房に居た、若い男に声を掛ける。
「こんにちは、ここのギルドに初めて来たんだけど、何かオススメはある?」
男のそんな声に、厨房の男は、明るい声で
『食い物なら、この、味噌って調味料を使った煮込みが、ナコヤの名物だよ、後は、酒なら、この蒸留酒かな』
どこまで、名○屋を、推してくるだよ!と思ったが、煮込みを1つ注文する。
「それじゃ、その名物ってや……」
男が注文しようとした時に、テーブルの方からか、笑いを含んだ声が投げ掛けられた。
『おいおい!どこの田舎者だよ!ここで食い物を食いたいなら、酒も頼めよ、酒も飲めないような、お子ちゃまなのか?』
男が、振り返るとそこには、170cm程の身長の、酷く痩せ細った、ネズミを連想させる顔を持つ男が立っていた。
周りの他の人は【また始まった】みたいな顔をしていた。
《マスターの【精神的抑圧感】上昇を感知、尚、現在【念話モード】》
いきなり、見ず知らずの人から、嘲るような言葉を言われれば、大体の人は、ストレスを感じるものだ。
『なんだ~その顔は、ここは、お前みたいな、子供が来る場所じゃね~んだよ!帰れ』
ネズミ男に、そう言われた男。
《マスターの【精神的抑圧感】上昇、尚、現在【念話モード】》
「おい!そこのネズミ!」
「お前は、このギルドのギルド長か何かか?誰をギルド内に入れて、誰を帰せるかの権限でも、持ってるのか?」
まさか、子供だと思ったヤツから、反撃される事など、夢にも思ってないネズミは、咄嗟に言葉を返せない。
「後な!俺が、このギルドに仕事の依頼に来てる、依頼人だったらとか、微塵も思わないのか?」
「お前みたいに、酒に酔って、人に絡むような、品の無いヤツしか居ないのか?便利屋には」
《マスターの【精神的抑圧感】上昇、尚、現在【念話モード】》
「後、周り!」
男は、周りの人に向け、人差し指を伸ばして、突き付ける。
「こんなバカのせいで、便利屋って仕事の品位が、下がっていいのか?お前らもこのネズミと同じで、品位のカケラもない連中なのか?」
《マスターに、一応警告します、このまま、ストレスを上げると、スキル【やり直し】が発動します、尚、現在【念話モード】》
便利だけど、発動すると困るスキルが、今まさに、発動しようとしていた時に、男に向け、テーブルに居た女性から声が掛かった。
『君の言う通りだな、我々の仕事は、依頼人が依頼してくれて、初めて成り立つ、どこかから湧いたお金を、ギルドが我々に配ってる訳じゃない』
『ここには、依頼人だって来る、そんな依頼人の印象を悪くするのは、自分達の仕事を無くすのと、同じだな』
女性の言葉を聞き、周りの他の人が、ネズミを、取り押さえると、一転、ネズミに詰め寄り、説教を始める。
《マスター!深呼吸ですよ!深呼吸!怒った時は、深呼吸!尚、現在【念話モード】》
そんな、喧騒を無視して、システム88が、男を落ち着かせようとする。
予想外の出来事と、システム88の努力により、男は、何とか、スキルの発動を阻止した。
そんな、どテンプレ過ぎる、茶番劇をしていると、先程の受付の女性が、手に何やら持ってやってきた。
『ケンゾー・ミツイさ~ん、ケンゾーさん、いらっしゃいませんか?』
女性の声に、男が店から、顔を出すと、男の顔を見付けた女性が、駆け寄る。
『大変お待たせしました、カード出来上がりましたよ』
女性の可愛らしい笑顔と、駆け寄る時に、プルんプルんとしていた物によって、男は落ち着きを取り戻す。
《はぁ……良かった……また、アソコから、やり直さなくて、尚、現在【念話モード】》
そんな、システム88の声が、男の脳内にこだまする……




