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可愛い受付嬢さんに出会ったよ~ギルド編~

 「ここかな?……」


 男は、今、守衛さんに教えられた通りに、道を歩き、白い建物の前に立つ。


 《あんまり立派な建物には、見えませんね……》


 相変わらずの毒舌を吐き、システム88が言う。


 そう言う事は、思ってても言ったらダメだろ……男は、心の中で思った。システム88に、注意をしても、直るとは思えなかったから。


 システム88の毒舌による、批判の割りには、その白い建物は、高さこそ2階建てぐらいの高さしかないが、横にも長く、奥にも長いように、見受けられる。


 その、建物の、横に長い方向の真ん中辺り、奥に長い方の真ん中辺り、それぞれに、大きな入り口があるのが見える。入り口には、扉のような物は付いていないのか、そのまま、建物内部が見えるようだ。男は、大通りに面している、横に長い方の入り口まで行くと、扉の付いていない、入り口から中の様子を伺う。


 中は、カウンターのような物が見え、そのカウンターの向こう側に、複数の男女が居るのが、見えた。


 《入ります?冒険者改め便利屋ギルド》


 システム88が、声を掛けてくる。男には、身分を証明する、証明書が必要であり、証明書ならば、どこのギルドでも良いのだが、ラノベ等に出てくる、冒険者ギルド以外のギルドでは、すんなりと、証明書を作れると思わなかった。


 そう、考えるのも自然で、男には、例えば【商人ギルド】の様な場所に行っても、この世界の常識すら知らない身であるし、何も商売になる物も、持たないからだ。


 同じような理由により【技術系職人のギルド】に行っても、何の技術も持っていない。まさか……ガン○ラ作りを、言う訳にもいかない。そう……あれは、封印した過去なのだ……


 以上の様な理由により、男には、この目の前に建つ【便利屋ギルド】以外の、選択肢は無い。


 男は、意を決し、建物の中へと入っていく。内部に入り、周囲を見渡すと、内装は、落ち着いた感じの、木目が美しい板が、貼ってあり、床も、同じように、木の板で作られていた。


 カウンターが、横方向に長く伸び、椅子が並び、所々が区切られ、日本の銀行等にもよくある、扉を閉められる個室のような区画もあった。


 奥の方を見ると、カウンターの反対側に、何か、飲んだり食べたり出来るのであろう、お店の様な物もあった。


 お店の手前には、お店の、屋根変わりにもなっているかのように、人が数人並んで上れる、大きな階段がある。


 そして、入ってきた、入り口側の左右の壁には、依頼票と見える、紙が貼ってある、掲示板があった。


 キョロキョロと周囲を見ていた男は、カウンターの向こう側に、置いてある椅子に腰を下ろしているのであろう、若くて可愛らしい女性の姿を、複数人確認する。


 男は自分好みの、髪は長くストレートヘアで、黒髪の、おっぱいが大きい女性の列に向かう。


 《あーゆーのが、マスターの好みなんですか?尚、現在【念話モード】》


 システム88の言葉に、男は、とても小さな声で答える。


 「悪いか!サラサラの長い髪の毛、黒の髪……プヨプヨしてそうな、おっぱい、男の理想を体現したかのようだろうが」


 この【念話モード】……システム88から男への会話は、出来るのだが、男からシステム88への会話は出来ない。高性能なのか不便なのか、微妙なのである。


 男が、モロ好みの、女性とカウンターを挟んで、目の前に対峙すると、女性は、何やら書いていた手を止め、顔を上げると、男の目を見て、微笑む。


 『便利屋ギルド、ナコヤ支部にようこそ、本日のご用件を、承ります、椅子にお掛け下さい』


 女性にそう、言われ、男は椅子に腰を下ろした。


 『本日は、ご依頼ですか?』


 女性にそう言われ。


 「便利屋ギルドに、登録したいんですが?」


 男が、女性にそう告げた。


 『登録ですね、はい、それでは、こちらの用紙に必要事項を書いて下さい』


 用紙を、受け取った男は、何やら見た事すら無い文字で書かれた用紙を、両手で持ったまま、固まった。


 何て書いてあるのか、分からなかったのだ。ここは、素直に聞くか?書いてもらうか?等と、考えていると。


 《マスター!マスター!お忘れかもしれませんが、この世界、義務教育あるんですよ、字の読めない人、字の書けない人、そんな人は、1人も居ない世界ですよ》


 《盗賊だろうと、死刑囚だろうと、奴隷だろうと、皆、子供の時に、学校に通ってるんです、尚、現在【念話モード】》


 そうなのだ、この世界、識字率が異様に高いのだ、下手したら、その点だけにおいては、地球より高いのだ。


 男は、素直に、文字が読めません、書けませんと、女性に言う事の恥に気付き、逃げ出すか?等と、不穏な事を思っていると。


 《マスター!安心してください!マスターには、超高性能システムの私が付いていますよ》


 ここぞとばかりに、高性能から、超高性能に自分を格上げした、システム88。これが、正に【どさくさに紛れて】である。


 《書類を、よく見て下さい、視界を共用してる私が読んで、各欄に書く文字を、マスターの脳に投影します、ちょっと負担大きいですが、恥かくよりマシと、我慢して下さいね、尚、現在【念話モード】》


 このような、やり取りを、瞬間的に済ませた男とシステム88は、男の頭痛と吐き気を、犠牲に、書類を書き上げた。


 書類を、受け取った女性は、何やら機械のような物を操作すると。


 男に、長方形の形をした中心に、手形に掘られた板を差し出す。


 『この手形に合わせて、手を置いて下さい、その時、人差し指に、個人認証の為に必要な、血液を採取するための針が出ますが、チクっとする程度なので、少し我慢して下さいね』


 男が、手を乗せると、何やら機械的な音が鳴りだし、人差し指にチクりと痛みが走る。


 『はい、お疲れ様でした、終わりましたよ、それでは、1度、離れて戴いて、少しお待ち下さい、登録をして、ギルドカードを作りますので』


 女性の言葉に、男は、椅子から立ち上がり、席を立って、その場から離れる。


 どのぐらい掛かるのか、長くなるなら、所在無さげに、立っているのも、嫌だと思った男は、奥にある、お店へと向かう。

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