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街の風景

 街へと続く門をくぐると、目の前に広がる壮大な景色……


 男が立つ、道の先を見ると、幅20mほどはあろうかと思う広い道が数百m先まで続いている。左手方向には、整然と並ぶ建物達、どれもそれほどの高さではないが、2~3階建ての建物が多く見られる。


道に沿った建物の1階では、何かしらの店舗だろう、店のようなものが並んで見える。


 右手方向には、大きな公園にあるような、芝生に似た植物が生え、所々に木々が立つ。芝生の中には、小さな小路があり、小路の所々にベンチのような物まで設置されていた。きっとこの都市に住む人達の、憩いの場になっているのだろう。男は、何気無しに、その公園のような場所まで移動すると、公園の向こう側を見てみた。


 公園の向こう側にも、手前側と同じように、広い道があり、同じように、数百m先まで続いている。道沿いの建物は、何らかの施設なのだろうか?反対側とは違い、店舗には見えなかったが、人が普段住むような、住居にも見えない。


 そして……圧巻なのが、数百m続く道の先に建つ、白亜の城であった。城自体の大きさは、さほど大きくは無さそうだが、道と公園とが織り成す風景に良く似合い、この都市が、計算され尽くして作られた事を、容易に想像させる。


 そんな【地方都市ナコヤ】を見た男は、公園のベンチに座り、語りかける……


 「おい!お前……【駄目神(作者)】に連絡取れるか?」


 《取れません、尚、現在【念話モード】で会話中》


 「その無駄に高性能な【念話モード】っての解除しろよ、何かガンガン頭に響いて、頭痛してくるから」


 《マスターの脳に直接、言葉のイメージを送ってますから、負担が大きいかも知れませんね》


 「普段は、普通に話してくれ、それでだな……この街と言うか都市なんだが……広い道が両側に走り、真ん中に公園があって、道の先に、街のシンボル的な建物が建ってるよな?」


 《マスターの視覚を共用していますので、私にもそう見えています》


 ベンチに座っていた男が、急に立ち上がると、周囲を見回し、告げる……


 「都市の名前は、ナコヤだったよな?ナコヤ、ナ・コ・ヤ!間違いないか?」


 《はい、現在居る都市名は、ナコヤで、間違いありません》


 「日本の名○屋の久○大○りそっくりじゃねーか!はぁ?何だよ、真ん中に公園挟んで、両側に広い道、道沿いに多くの店舗、道の向こうには、街のシンボル、名古○だよな?ここ、絶対、名古○の○レビ塔ある、○屋大○り真似してるよな!」


 《マスターの【精神的抑圧感(ストレス)】急上昇》


 「無駄なお知らせしてるヒマあるなら、答えろ!」


 《私には、この都市が名○屋の久○大○りに何故似ているのかは、分かりません、後、落ち着いて下さい、やり直し発動しちゃいます》


 1人にしか見えない男が、まるで誰かと、大きな声で議論しているかのように、見えている、周りに居た人達。ある人は、男を見つめ。ある人は、子供を小脇に抱えて逃げ出し。ある人は、街の衛兵の元に走り出す。


 完全に、アッチ側の人だと、思われている。


 そんな周囲の状況に、落ち着きを取り戻した男が、今さらの如く気付くと……脱兎の如く逃げ出した……


 100mほど走ったであろう場所で止まると、手を膝に乗せ、荒い息を落ち着かせる。そんな事をしていると……


 《私も、マスターに1つ質問があります》


 「な……なんだ?ハァハァ……言ってみろ……ハァハァ……」


 《マスターの脳から分泌される、アドレナリン、あれ何ですか?普通、立ってるのも辛い、胃痛お知らせシステムを、完全に無視して、怒り散らせるアドレナリン、卑怯ですよ!あんなの出されたら、胃痛お知らせシステム意味無くなるじゃないですか!》


 「勝手に出るんだから……そんな事……俺が知るか……バカ……」


 男がようやく辿り着いた都市。その都市は、とても綺麗な都市であった、例えどかの風景に、そっくりだったとしても……

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