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4度目の正直  作者: 冬真
39/40

変わらない日

あと1話で終了です。お付き合い宜しくお願い致します。

自我が芽生える頃に思い出した記憶に呆然とした。

何故、また転生しているの?

前回の人生では後悔していない、・・・むしろ大満足の終わりだった。

確かに道半ばでの病死だったが、私1人の行動で国を変えようとまでは考えていなかった。

ただ何か、私が生きた証を残す努力をしてみたかっただけ。

本当は、ずっと想っていた殿下とも結ばれることも出来て幸せだった。


なのにどうして?


いくら考えても答えが解らず歳月は過ぎ、何一つ手掛かりが得られないまま今日のお茶会、つまり殿下との対面の日を迎えてしまった。

(まあ、今日は挨拶程度だから・・・。)

親と共に国王夫妻と皇太子ピアへの挨拶が終われば、あとは自由。

多くはピアの周りに集まり交流を得ようとするが前回の転生同様、挨拶の後は適当にお菓子をつまんで時を過ごせば良いだけだ。

どう行動しようと結局は政治が絡み、シャロンが婚約者に決定するのだ。

(そろそろね・・・。)

国王と王妃。そしてピアの登場に会場のざわめきが大きくなった。

「皇太子様はますます美しく御成りで・・・。」

「素敵ですわ・・。」

周りから聞こえる賛辞にピアを見ると、相変わらず艶のある銀髪は美しく、濃い紫の瞳は煌めいていた。

まだ幼さが残った顔と陶器のような肌、まるで人形が歩いているようにも見えた。

(幼い殿下は絵画の天使様のようね・・・。)

再び目にする事が出来た殿下に懐かしさを覚えると同時に、胸の高鳴りも甦ってくる。

一番初め、転生を繰り返す前。

本当の初めてに、殿下を見た瞬間、私は殿下に恋をした。

何処にいても何をしても誰かと話していても頭には常に殿下の事があった。

好きで恋しくて愛しくて私だけを見て欲しくて苦しくて。

転生を繰り返すようになってからは忘れようと努力した。

前回は幸運な事に殿下と想いを通じ合うことが出来た、だからもう思い残すことはない。

諦められる、それが楽になれる方法だと知っているから。

それなのに、私の『ココロ』は未だに殿下を好きな事を覚えているようだ。

(前回と同じようにしたら、また殿下と。・・・ああ、そうか。)

そこまで考えた所で気が付いた。


いくら繰り返そうとも『私』は、何一つ変わっていない。

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