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4度目の正直  作者: 冬真
35/40

2人の距離 5

「殿下が戻られました。」

侍従からの知られを受け、ロードとカリカは皇太子殿へと向かった。

昨夜は王宮には戻らず、城下町にて視察を続ける事は近衛隊から聞いており、アコニタムからも異常なしと報告を受けていた。

歴代の王族も城外の花街や愛人の元に通い、夜まで城に戻らないことなど珍しくない。

ピアもこれまで視察で遅くなり、城に戻らないことも時々あった。

だが、今回は違う。

「殿下、ロード様とカリカ様がお越しです。」

「通せ。」

ロードとカリカはピアの部屋へと入った。

「殿下、少々よろしいですか。」

「どうかしたか?」

「カーライル嬢の件、と言えば分かりますか?」

ロードが言うと同時に、カリカが調査報告書をピアへと渡す。

ピアは書類に目を通す。

「・・・よく調べられているな。」

「検討は着いていると思うが、カーライル嬢には金輪際関わらないでほしい。」

「・・・・・・。」

「忘れたとは思いませんが、彼女は罪人です。惑わされてはいけませんよ殿下。」

「この事を知っているのは俺達だけだ。まだ引き返せる。」

「それは、脅しか?」

「・・・そう捕えられても構いません。」

ロードとカリカの判断は正しい。

ピアを問い詰める2人の顔はとても苦しそうで、気持ちが痛いほど伝わって来る。

ピアがシャロンを好きだった気持ちも、冷え切った関係に悩み苦しんでいた事も、側で見て来た2人は知っている。

この結末が正しい事も。

「・・・・分かっている。分かっていたよ、始めから。」

「殿下・・・。」


いつか時が経てば、また会えるのだろうか。

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