表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4度目の正直  作者: 冬真
32/40

2人の距離 2

どれ位の時間をそうしていのだろうか。

いつのまにか、私の背中に彼女の手が回り、私が彼女に抱きしめられているような錯覚すら覚える。

腕の力を緩め、片方の手で彼女の顔を上げさせると、涙で濡れた瞳と目が合った。

ゆっくりと頬を伝う滴に引き寄せられ、目に、額に、頬に唇を寄せる。

くすぐったそうに身じろぎする彼女を見ると、涙は止まったが瞳はまだ潤んでいて、目元が薄く染まっていた。

唇には噛みしめ過ぎて赤い血が滲んでいる。

彼女の頭を引き寄せて、唇を合わせ下唇をなめると鉄の味がした。

一度では足りず何度も何度も唇を合わせる内に、鉄の味は消えて軟らかく温かな感触に夢中になった。

触れ合うたびに濃くなる彼女の香りに頭の芯が痺れて、思考は溶けてなくなり心の赴くままに彼女を求めた。

彼女がそれを受け入れてくれることに、身体が、心が幸福で満たされていく感覚がした。


―――――本当は君とこうして愛し合いたかった――――


そう伝えたら、彼女はとても幸せそうに微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ