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某アニメ映画「美○と野獣」の市場のイメージしてます。
「おはようシャロン!今日も美人だね!」
恰幅のよい中年男性が声をかけてくる。
「ふふ、それはどうも。でも誉めても安くはなりませんよ?」
「相変わらず手厳しいね~、それ2箱貰おうか。」
「ありがとうございます。荷台に乗せときますね。」
「結構重いけど大丈夫かい?」
「平気ですよ!この位。」
野菜の入った箱を持ち上げる。
確かに重いが持てないほどじゃない。
重ねてはさすがに無理なので1つずつ荷台に乗せる。
「見かけによらず大したもんだ!」
「そうよ!そこらの軟弱な男よりシャロンは頼もしいんだからね!」
「そのとおりね!」
男性の賞賛に周りにいた女性達も参加して笑い声が響く。
「でもねぇ、シャロンったら年頃なのにおしゃれの一つもしないなんて。髪だってこんなに短くして」
1日に何度も侍女に結い直してもらい、手入れの行き届いていた長い黒髪も、肩より短く切ってしまった。癖のない真っ直ぐな髪は私の自慢だったが仕方ない。長い髪は手入れが大変だし、何より洗うのに洗髪剤が勿体無い。
「この方が動きやすいのよ。」
そう言うと、あんたらしいよ。と笑われた。
「くすくす、あっ!いらっしゃいませ!何をお求めですか?」
品物を求める客が次々と着て、市場は一層賑やかさを増していった。