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アコニタムの心情
短くて申し訳ありません。
「こちらに異常はありません。」
「了解、持ち場に戻れ。」
「はい。」
教会を囲むように護衛の配置し、自らはピアが確認できる位置でアコニタムは警護にあたっていた。
ピアからは教会にシャロンが居て、ピアが教会を訪れている事を誰にも悟られないようにと命を受けていた。
アコニタムは護衛を少人数選び、ピアの命を忠実に守っていた。
友であるロードやカリカを欺くような形にはなるが、アコニタムにとって主人の命令には絶対。
背くつもりもない。
この事がピアにとって危険な状況であることは、アコニタムも重々解っている。
ピアにシャロンと会わせないようにするのが、忠臣としては正しい行いだろう。
だが、アコニタムにはシャロンと過ごす殿下が幸せに見えた。
(友人・・・、いや、恋人か。)
婚約者だった頃の余所余所しさが嘘のように、互いに自然体で接しているように思える。
特にピアの眼差しは熱がこもっているように見える。
(何時までもこのまま、というわけにはいかないだろう・・・。)
それでも、この幸せな時が長く続いてくれれば、とアコニタムは思った。




