再び目覚めて
「・・・・・ん・・・。」
目に刺しこむ光が眩しくて瞼を開ければ、ぼんやりとした白い色。
次第にハッキリとしていく視界にココが寝台の上だと分かった。
そして、寝台には柵が取り付けられていた。
「・・・・・なぜ柵が・・・?」
「それは貴女が勝手に動かないようにです!」
「・・・・・・・えっと・・・・すみませんでした。」
それから、延々と看護師に怒られた。
私はただ、「はい、すみません。」を繰り返すだけの人形と化していた。
怒られている状況で得た情報では、ココは病院で、私はどうやら命が危ない状態で運び込まれたようだった。
頭の骨は無事だが、打ち所が悪かったようで昏々と3日間も眠っていて、意識が戻らない可能性も大きかったそうだ。
全身は打撲だらけで、左腕は折れているらしい。
そんな満身創痍な状態で、寝台から落ちているのを発見されたら、柵が付けられるのも当然だと思う。
謝り倒した結果、柵は取り外してもらえた。
「・・・・手間をかけさせてしまい、恐縮です。」
「まだ絶対安静なんですから、大人しくしててくださいね!」
念押しして看護師は私から離れていった。
(やっと解放してもらえた・・・。)
私が仕出かしたのが悪いと分かっているが、正直辛かった。
精神疲労が半端ない。
「ああ、良かった!今知らせに行こうと思ってたんです。彼女、目が覚めましたよ。」
私の病室の入り口で看護師は誰かと会話をし、入れ替わりで人が入ってきた。
水晶のような銀の髪、濃い紫の瞳。
飾りの少ない簡素なデザインだが、上質の布が使われた服を纏ったその人は私に近づいてきた。
「・・・殿下。」
「・・・久しいな、シャロン。」
ようやく再会です。