目が覚めて
目に光が差し込み、ぼんやりとした視界に白が広がった。
焦点が合ってくると、白はシワがよったシーツでココは寝台の上だと分かった。
(・・・・あっ、ぶなかった・・・・。あれって走馬灯じゃないの。)
そう、死に際に見る現象だ。
これまでの人生が自動再生され、ああ懐かしいこんな事もあったな~、って懐かしむ時間だ。
数度に渡っている転生人生で死に際には必ず見てきたモノだ。
そして、その後に死が訪れてまた同じ人生を繰り返すのだ。
それに気がついた時、ものすごく焦った。
まだ何も終わってないのに、始まったばかりなのに、また、死ぬのかと。
必死にもがいて意識を浮上させることが出来て良かった。
シーツが肌に触れる感覚からして、生きているようだから。
(・・・・・ロビンは?)
ロビンを体の下に入れて庇った所までは記憶がある。
その後はどうなったのだろう。
「・・・・っ!!」
起き上がろうと体に力を入れると、痛みが走って起き上がることはできなかった。
痛みで荒れた呼吸が落ち着くのを待って、もう一度再挑戦することにした。
急に起き上がろうとしたのが悪かったのだろう。
今度は、徐々に体を持ち上げていく。
先程よりは痛みが少ない。
人は学習する生き物だから、失敗から成功への道を見出すのだ。
私はゆっくりと起き上がり、そして
『ドンッ!!』という音を立てて寝台から落ちた。
目の前が瞬いている。
痛い、痛い、痛い、痛い!!
最早何処が痛いか分からないぐらい痛い。
「何か音がしたけど・・・・、っ!?誰か来てーーー!!」
「どうかしましたか!!シャロンッ!?」
耳元で誰か懐かしい声がしたけど、私の意識はまた暗闇に戻っていった。