第57話 最強の傭兵/ヴァリスの誇り
-最強の傭兵-
まさか、あのライルズさんがあそこまで一方的に負けるなんて思わなかった。
あれが噂の戦士系最強の冒険者、エリオット・ローグか。
ヴァリスは本当にあんなのに勝てるのか?
「驚いたわね。まさか、あそこまでの強さとは思わなかったわ」
さすがにシリルも驚きを隠せないみたいだが……って、
「あれ? シリルはあいつが戦っているとこ、見たことないのか?」
「ええ、ないわよ。わたしが前にこの街に来た時は、大会の時期じゃなかったからね。それに、彼がSランクになったのは2年前のことだし、3年前にこの大会で優勝するまでは、まったくの無名だったんだから」
「急に台頭してきた奴ってことか」
「あいつは、だいたい4年ぐらい前に冒険者になったらしいんだけどな。その後、たったの2年でAランク単体認定モンスター10体を単独撃破しやがったんだよ。んで、流石にそんな功績をあげた奴なんて今まで皆無だったからな。異例の飛び級でSランクになったんだ」
そう言って会話に割り込んで来たのは、ふらつきながらも自分の足で舞台から降りてきたライルズさんだった。
「あ、ライルズさん……」
そんな彼の様子に、何を言うべきかわからず、俺は言葉を詰まらせる。
「俺なら悔いはねえよ。禍根なんざ、微塵も残らないくらい全力を出し切ったんだからな。……ったく、なんて顔してんだよ。お前が負けたみたいだぜ?」
え? 俺、そんな顔してたか?
自覚もないまま首をかしげる俺に苦笑を向けた後、ライルズさんはヴァリスにも声をかけた。
「ヴァリス。あいつはグレゴリオのおっさんとは違う。【魔鍵】に振り回されることも、頼り切ることもなく、自分の道具として完全に使いこなしているからな。一筋縄では行かない相手だぜ」
「……だろうな」
ライルズの言葉に頷きを返すヴァリスは、いつにも増して厳しい表情をしている。さすがに、あれだけの強さを見せつけられたら無理もないだろう。
すると、ライルズさんがふっと表情を和らげ、人差し指を上に向けて立ててみせる。
「で、だ。俺としちゃ、自分が勝てなかった代わりってわけじゃないが、お前が奴に勝つところを見たいんだよな。だから、あいつの戦闘パターンなり、能力なりは全部教えてやるよ」
「いいのか?」
「あ? いいって。まあ、俺だってまだ諦めたわけじゃないが、とりあえず今の時点で、あの『最強の傭兵』にひと泡吹かせられそうな奴は、お前しかいないだろ?」
ライルズさんは、にかっと笑ってヴァリスの肩をぽんぽんと叩く。
「……そうか。かたじけないが、よろしく頼む」
ん? 意外だな。ヴァリスの奴が、ここまで素直に他人の助力を受けようとするなんて。
「そう言えば、エリオットって冒険者なのに、なんで傭兵って呼ばれているんだ?」
俺が口にしたそんな疑問に答えてくれたのは、やっぱりライルズさんだった。
「ああ、2年間で単体認定Aランク10体って言ったろ? 普通ならそんなモンスター、そうそう会える敵じゃない。だからあいつは、その手の情報をかき集めて、真っ先にそこへ飛んでいって、国からの依頼だろうと個人の依頼だろうとお構いなしに受けて回ったのさ」
「無茶するものね。確かに単体認定Aランクともなれば、証拠さえあればギルドからの依頼でなくてもランク認定には使えるでしょうけど、その分だけリスクは高いはずなんだけれどね……」
シリルが呆れたようにつぶやく。
「まあ、そうだな。実際、何回かは死にかけてるんじゃないか? あいつ」
ライルズさんは、肩をすくめてそう言った。命がけにも程があると言いたいところだが、いったい何をそんなに焦っていたんだろう?
「じゃ、俺はそろそろ行くぜ。ま、次の準決勝で今のお前が負けるとは思わないけどよ。決勝戦の前には一度、俺の宿泊先に顔を出してくれよな」
そう言ってライルズさんは俺たちに宿泊先を知らせると、ひらひらと手を振りながら歩き去って行った。
「やっぱり、すごく悔しかったんだね。いっぱい、努力したのに、勝てなかったんだもの」
アリシアが小さく呟く。……だろうなあ、あの人、バトルマニアだってことは、それだけ戦いに全力を傾けてるわけだし、負けて悔しくないわけがないよな。
「ふん。我がエリオットに勝てばよかろう」
おお? どうも敵討ちのつもりみたいだな。なんだかんだ言って、ヴァリスも随分変わったもんだ。人間社会に慣れてきた、なんてことだけじゃなくて、なんだろう?
ますます『人間っぽく』なってきているみたいな?
もともと強かったけど、この大会を通じて、さらに強くなってきているみたいだしな。
……なんであれ、仲間が強くなってくれるのは、素直に嬉しい。今も昔も、俺には確かなものなんて何もない。だから、俺以外の皆が確かな存在であってくれるなら、俺はそれで安心できる。
でも、そう思う一方で俺の心には、得体の知れないわだかまりがあった。
ただひたむきに、己の「強さ」を求め続けるヴァリス。
ただ勝つために、全力を燃やし尽くしたライルズさん。
二人の戦いぶりが、目に焼きついて離れない。
虚栄と自惚れのために守るべきものを失い、惰性と本能のままに生き延びて、復讐と破壊の中で終わり続けていた自分とは、あの二人の「在り方」は、あまりに違う。
俺は、何がしたいのだろう? 俺は、何のために生きている?
シリルに恩を返したい。第二の人生を今度こそ自分の望むままに生きたい。この世界に、自分が生きた証を残したい。どれもが本音のはずなのに、どれもが少し、違う気がする……。
そんなことばかり考えながら歩いていたら、いつの間にか皆とはぐれてしまっていた。
どうやらさきほど、ヴァリスのファンになったらしい街の女性たちの集団にもみくちゃにされたのが原因らしいが、俺はそんな状況にすら、ろくに注意を払わずに歩いていたみたいだ。
「ああ、やっと追いつけた。君、ちょっといいかな?」
ふと背後から声をかけられる。振り向くと、そこには影の薄い男がいた。
灰色の髪に灰色の瞳。灰色の鎧を着た男。いや、『影』じゃなくて、色素が薄いだけみたいだな。彼は手に、槍でも入れられそうな長い包みを持っていた。……って、エリオット・ローグじゃないか! な、なんで俺に声を?
「えっと、俺になにかご用ですか?」
「ああ、うん。君、シリルさんたちと一緒にいただろう?」
「シリルを知っているんですか?」
「そりゃ、『氷の闇姫』は有名だからね。もっとも、最近特に有名になることをしでかしたみたいだけれど」
口調は親しげだが、仮面のように一切の表情を現さないまま話し続ける彼は、なんだかとても不気味な感じだ。それに、いったい何が目的なんだろう?
「立ち話も何だから、場所を変えてもいいかい?」
「……ええ、いいですよ」
彼に案内されたのは、円柱都市の外縁部にある一つの展望公園だった。
公園からは、円柱都市の中心部を望むことができる。空中に佇む巨大な『浮遊会場』と眼下に立ち並ぶ大小の建造物群。今の時間は夕日が黄金色に街を照らし、不思議な美しさがあった。
「僕は、ここからの眺めが好きなんだ」
「……あの、用件は何でしょう?」
展望台の柵に腕をかけ、景色を見つめながら呟くエリオットさんに、俺は話を催促する。
確かに景色は綺麗だが、男と眺めていて楽しいものでもないしな。
「『オルガストの湖底洞窟』、……開拓したのは君たちだろう?」
「ええ、そうですけど。よく、知っていましたね」
知られているなら隠しても仕方がない。俺はあっさりと相手の言葉を認めた。
「あそこの情報はいつも仕入れているんだ。細大漏らさずね。で、本題だけど、あの【フロンティア】は聖騎士団の管轄のはずだ。開拓した君たちに、騎士団からの接触があったんじゃないかな?」
鋭いな。でも、そんなことを聞いてどうしようというんだろう?
「なあ、彼女には会ったかい? 様子を知りたいんだ。聞かせてほしい」
「彼女?」
「……エイミアさんのことだよ」
ええ? なんでこの人の口からエイミアの名前が出てくるんだ? ただ、彼女の名前を口にする時のエリオットさんの声は、奇妙な熱を帯びているように聞こえた。
「いや、えっと流石に騎士団長さんは偉い人ですから、会えたりはしませんでしたよ」
俺は、なんとなく誤魔化そうとしてみたが、エリオットさんの灰色の瞳に剣呑な光が宿る。
「嘘はいけないな。彼女は、身分なんかで会う人間を決めるような人じゃない」
かなりの確信を持った口調だな。それだけエイミアに詳しいんなら、隠すのは難しいか?
っていうか、下手に嘘なんかついたら殺されそうだ。
そして結局、城に招かれて話をしたぐらいのことまでは、聞き出されてしまった。
流石に弟のアベルの話とかは、プライベートだろうから黙っていたけれど。
「そうか。元気そうで良かった」
「エイミアとは、どんな関係なんですか?」
「ああ、彼女は僕の恩人だよ。今の僕があるのは彼女のおかげなんだ。……君は、エイミアさんの事を呼び捨てにするんだね。……君こそ、どんな、関係なんだい?」
うおお、こ、怖い。なんだか分からないが凄い威圧感だ。
「い、いや有名人って、つい呼び捨てにしてしまうことが多いじゃないですか。そ、それですよ、それ。ははは……」
「そうか。まあ、そうだろうね。とにかく、教えてくれてありがとう。たぶん、あの分なら僕の決勝の相手は君の仲間のヴァリスだろう。いい試合をしようって伝えておいてもらえるかい?」
「ええ、いいですよ」
なんというか、表情一つ変えない割には、声の調子や言葉だけは、かなり情感たっぷりな人だよな。
結局、何が目的だったのかよくわからないまま、エリオットさんは俺に別れを告げて去っていった。
「……そういや、俺、名前も聞かれなかったな。眼中にないってか?……まあ、いいか」
『最強の傭兵』エリオット・ローグ。
なんとも掴みどころのない男だ。俺が彼に対して最初に抱いた感想は、そんなものだった。
-ヴァリスの誇り-
翌日の準決勝第一試合、ヴァリス・ゴールドフレイヴ対アンソニー・ウォレット。
ライルズはヴァリスが絶対に勝つと思っているようだったし、聞いた話では昨日、ルシアが話をしたらしいエリオットも同じように考えているみたいだけれど、わたしとしては決して楽観できない対戦だと思っていた。
対戦相手のアンソニーは戦士系Aランク冒険者であり、ルシアと同じ【エクストラスキル】“剣聖”を所持する優れた剣士でもあるうえ、彼の『切り刻む戦塵の千剣』の神性“一網打刃”の力は、流石に『闘争』を司るサージェス系なだけあってか、こういう戦闘に極めて適したものである。
加えて前の試合を見ていれば、恐らくヴァリスに『竜族』の力があることには気付いているだろうから、油断なく最初から全力でかかってくるに違いない。
しかし、わたしが確実に苦戦するだろうと思っていたその試合は、信じられないくらいにあっさりと決着がついてしまっていた。
「……あまりにも予想外でびっくりだけど、さっきのも思いつきじゃなくて作戦だったわけ?」
「無論だ」
舞台から降りてきたヴァリスは、大して疲れも見せずにそう言った。実際のところ、決着までわずか数秒だったのだから当然だろう。
舞台の上では、大会運営スタッフでもある【生命魔法】の使い手たちが、頭から血を流して倒れ伏すアンソニーの治療にあたっている。
「驚きました! いやいや、誰もが衝撃を受けたことでしょう! なんと、期待の新星ヴァリス・ゴールドフレイヴが、今大会を予選のバトルロイヤルから破竹の勢いで勝ち上がってきた歴戦の戦士系Aランク冒険者アンソニー・ウォレットを一蹴してしまいました! やはり前回の大金星は、まぐれなどではなかったのでしょうか!」
アナウンスをしている担当者も、あまりのあっけない決着に、どうにかその場を盛り上げようと必死なようだ。
アンソニーの使う【魔鍵】の神性“一網打刃”は、無数の短剣を周囲の空間に展開して、敵に一斉投擲すると同時に短剣同士を結ぶ強靭な網によって対象を拘束するものである。
仮に殺到する短剣による致命傷を避けることができたとしても、拘束された直後に“剣聖”のアンソニーから『切り刻む戦塵の千剣』の本体である長剣で切りつけられれば、回避は不可能だ。
アンソニーは、予選のバトルロイヤルも含め、一回戦、二回戦ともに、この戦術による安定した強さで勝ち上がってきた。
けれどもヴァリスは、ありえないぐらい単純な方法で、これをあっさりと粉砕してしまったのだ。
「いや、俺も勝ち方にこだわる必要はないと思うけどさ。いくらなんでも、その、『石ぶつけて勝つ』とかさ……、子供の喧嘩かよ!って突っ込みを入れたい気分だぜ」
ルシアが苦笑しながら言った。
「いいじゃない! 勝ったんだから。ね? ヴァリス」
アリシアが嬉しそうに、ヴァリスの手を取る。
「でも、相手の人、すごい痛そうでした……」
シャルにいたっては、相手の心配までしている。これもルシアの言うとおり、あまりにも緊迫感のない勝ち方に見えたからだろうけれど、実際はそんなに簡単なことじゃない。
アンソニーが警戒していたのは、ヴァリスの圧倒的な身体能力と二回戦で見せた“竜の咆哮”の二つだ。だからこそ、彼は間合いを詰められる前に“一網打刃”を展開し、声を上げる間も与えずに倒そうと試みたのだろう。
でもヴァリスは、そんな相手の焦りと思い込みさえ、利用してのけた。
まさかアンソニーも、“竜の咆哮”などという規格外の能力を有する相手から、足元の床石を砕いただけの欠片を網目の間を通して投擲されるだなんて、予想もしなかったに違いない。気功術には相手を遠距離から攻撃する手段はないけれど、気功術で強化された肉体から投擲される石の欠片は、それだけで十分な殺傷能力を持っているのだ。
単純だけれども、単純だからこそ、誰も気付かない。そんな盲点。そして、焦って展開した直後の大きく開いた網目の隙間。
アンソニーはまさにそこを突かれ、飛来した石の欠片を頭部に受けて気絶したのだった。
数人の治癒術士が一斉に【生命魔法】をかけているところを見ると、それなりに致命傷だったのかもしれない。
相手の心理を読み、もっとも効果的な戦術を選択する。二回戦のグレゴリオの時と同じ、いや、それ以上に『人間じみた』戦い方だ。
他方、二回戦と今回の準決勝における勝因の一つとなった “竜の咆哮”自体は、『竜族』の数ある【種族特性】のうちのひとつであり、今までのヴァリスには使うことができなかったものだ。
これらが意味していることは、ヴァリスが『人身であること』と『竜族であること』を矛盾なく自身の中に受け入れつつあるということ。
もともと、わたしが彼を屋上に呼び出して話をしたのは、『自分は弱い』と思い込むことをやめてもらいたかっただけなのだけれど、こんな結果になろうとは、少し予想外だった。
「シリル。礼を言おう。お前の言葉のおかげで、我は自分が求めていた本当の『強さ』が何なのか、気付くことができた。我は『竜族』としての強さのうえに、新たな『強さ』を求めていたのだ」
だから、そんな風にお礼を言われても困ってしまう。結局のところ、たとえ人身であったとしても、強力な自我、すなわち『誇り』こそを強さの源とする彼は、紛れもない『竜族』だということなのだろう。
「とにかく、明日まで疲れを引き摺らずに済みそうなのはよかったわ。後は、ライルズのところにでも行って決勝戦の対策を練りましょう」
「え? 次の試合、見とかなくていいのか?」
ルシアの疑問に、わたしは首を振る。
「ライルズ戦の時以上に、エリオットの手の内がわかる戦いになるとは思えないし、時間がもったいないわ」
「まあ、それもそうか」
「エリオットさんの大体の能力なら、あたしが後で紙に書いてあげるよ?」
「そこまでするのは少し反則気味な気がしないでもないけれど、あれだけの強さを見せられたら、そうしてもらった方がいいかもしれないわね」
だいたい、いくら『ワイバーン』の【因子所持者】だからと言って、あんなに人間離れした身体能力があるだろうか。気功術による強化の可能性はあるけれど、人間にはヴァリスの“竜気功”のように【魔力】を気功に変換することなどできない。自身の肉体の生命力を増幅する通常の気功術であれば、あんなに多用はできないはずなのだ。
恐らく、【スキル】に何らかの秘密があるのではないか。
アリシアの提案に頷きを返しつつ、わたしは会場に背を向け、歩きはじめる。
…ふと、どこかから視線を感じた。何かを値踏みするような視線。間違いなく、わたしを見ている。わたしがそれを感じ取れるということは、なんらかの【魔導装置】によるものかもしれない。
「とうとう、動き出したのかしら?」
わたしは、小さく呟く。『パラダイム』だとすれば、どうだろう?
こんな街の中で仕掛けてくるだろうか?
「どうしたの? シリルちゃん」
わたしの不安に気付いたのか、アリシアが心配そうに声をかけてくる。
「ううん。なんでもないわ」
わたしは、内心の不安を振り払うようにそう答えた。もっとも、アリシアには隠しきれないだろうけれど、わたしが言わないこと、言いたくないことには、アリシアは絶対に踏み込んでこない。彼女は誰に対してもそうなのだろうけど、『見えて』しまっているのに、それができてしまうというのは本当にすごいと思う。
「無理、しないでね?」
「ええ、ありがとう」
もし、この視線が『パラダイム』だとしても、きっとすぐには仕掛けてこないだろう。
彼らは『セントラル』のようにギルドを通じた人間の監視などには関わっていないため、人間社会への配慮など持ち合せてはいないかもしれない。けれど逆に、『セントラル』に発見されるリスクがある以上、下手な騒ぎとなるような真似はするまい。
わたしはとりあえず、そう結論を出した。彼らが何かしてくるにしても、わたしたちが街から離れた後のはずだ。
今の『パラダイム』がどんな組織なのか、わたしは知らない。
けれど、それでもわたしは思い起こすべきだっただろう。まさに、世界を滅ぼしかねない『騒ぎ』を平然と起こしていたフェイルのことを。
もちろん、彼は自分を生み出した組織『パラダイム』のことを快く思っていないようだったし、『パラダイム』とは目的を異にしているのかもしれない。
それでも、『パラダイム』は生きた人間の身体に『魔族』のみならず『邪霊』までをも混在させるという、非道にして非常識な真似を平気でする組織なのだ。
わたしは後日、自分の見通しの甘さを後悔することになる。