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異世界人と銀の魔女  作者: NewWorld
第6章 竜の誇りと最強の傭兵
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第52話 一緒にいたくない?/武芸大会

     -一緒にいたくない?-


 ヴィダーツ魔具工房には依頼者専用の宿泊部屋がある。

 なんでも、二度と手に入らないような貴重な素材の加工を依頼されたような場合に、依頼者を近くに泊らせることで、安心して完成を待ってもらえるようにするためらしい。

 もちろん、あたしたちはシリルちゃんの知り合いであるガアラムさんを疑ったりはしていない。単に便利だから使わせてもらうことにしたんだけど、少しだけ困ったことが……。


「いやあ、自分の家にこんな美女たちが泊ってくれるなんて、ぼくは興奮で夜も眠れそうもないよ! なんてね、あはははは!」


 魔具工房の食堂で食事をとりながら、楽しそうに笑うハンスさん。

 ガアラムさんの孫で、この魔具工房の跡取り息子だということだけど、あたしはこの人が凄く苦手だった。

 シリルちゃんやあたしはおろか、シャルちゃんにまで口説き文句を投げかけてくる彼は、なんていうか、その、自分の欲望にものすごく正直だ。

 確かに、あたしの“真実の審判者”には本人が見せようとしない隠れた感情まで見通せてしまう力があるけれど、多少なら読み取った情報から意識的に目を逸らすことはできる。

 でも彼の場合、シリルちゃんのうなじやら、あたしの胸やら、シャルちゃんのスカートから伸びる太ももやらに、あり得ないぐらい意識が集中しているのが嫌でも分かってしまうのだ。


「アリシアさんも、どうだい? 素敵な夜景が堪能できるスポットに案内するよ?」


 そういう彼の心の中は、「あわよくば、いやらしいことをしたい!」という気持ちが溢れていて、あたしは慌てて逃げ出す羽目になった。普通の人にとっては、「見え透いた思惑」なんてかえって扱いやすいのかもしれないけれど、あたしの場合は直に心が感じ取れてしまう分、本人にそのつもりがなくても迫られているみたいで、凄く怖くなってしまう。

 魔具工房の屋上に向かって階段を上がるあたしの背後からは、シャルちゃんを口説こうとしたハンスさんをシリルちゃんが叱りつけているのが聞こえてくる。


 円柱都市アルマグリッドの『武器街』は、すり鉢状の壁面内部に造られた街だから、外に出ても空は見えない、……はず。

 でも、屋上に上がったあたしの頭上には、確かに『星空』があった。


「うそ? どういうこと?」


 あたしは思わず、誰にともなく呟く。


「天井部に仕掛けられた【魔法具】だ。わざわざ星空に見えるようにしているらしいな」


 いきなりかけられた声に、びっくりしてそちらを見ると、屋上の柵に背をもたれさせ、『夜空』を見上げるヴァリスの姿があった。


「あ、ヴァリス。こんなところにいたんだ?」


「ああ」


 上を向いたままの姿勢で返事をするヴァリス。そういえば、さっきの夕食の時間も、食事を早々に切り上げて、ふらりと姿を消しちゃったんだよね。

 最近、なんだか元気がないみたいだし、どうしたんだろう?

 彼の気持ちだけは、わからない。他の人なら目を逸らそうとしてもなお、見えてしまうはずのものが、どんなに見つめても彼だけは、わからない。

 でも、わからないのが当たり前で、みんな、こんな世界で生きているんだね。

 ……ヴァリスに会うまでは、知らなかった世界。


「アリシア。少し、いいか?」


「うん。なに?」


 空に向けていた視線をこちらに戻したヴァリスは、透き通るような青い瞳であたしの顔を見つめてくる。うう、胸がどきどきしてきた。そういえば、久しぶりに二人っきりになったんだった。なんだか、ちょっと緊張してくる。

 

「これから話すことは、決して恨み言ではない。ただの事実だ。だから勘違いをしないでもらいたいのだが……」


 勘違い? そっか。ヴァリスが相手だと、『勘違い』してしまうこともあるんだ。


「……我は、弱い。お前たちを守るために竜王様から命を受けたというのに、これまでに何度も危うい場面があった。我は、この身の非力が呪わしい」


「でも、それは、あたしがヴァリスの『真名』を呼んじゃったからでしょう? 弱くなんかないよ」


「そうではない。たとえ人身であっても、我ならできる。竜王様はそう思って我に任せてくださったはずなのだ。だから、断じてお前のせいではない。……すまぬ。こんな話をお前にしても仕方がなかったな」


「ううん。いつもと違うそういう話、ヴァリスがあたしにしてくれて、嬉しかったよ」


「我はもう、不要なのではないか? お前たちは十分に強い。シャルも、今回の件でさらに強くなるだろう。果たして今のままで、我は我の使命を果たしていると言えるのだろうか?」


 え? 何を言っているの? あたしは思いもかけないヴァリスの台詞に動揺した。それじゃ、まるでお別れでもしようとしているみたいじゃない。あたしは、いつかヴァリスと離れ離れになることがあるかもしれないなんて、考えたこともなかった。だからその可能性を聞かされて、心が乱れた。どうしようもなく、不安になった。


「アリシア? どうかしたか?」


 ヴァリスが怪訝そうな顔であたしを見る。


「駄目。駄目だよ!そんなこと言っちゃ!」


「な、なんだ?」


 あたしが突然張り上げた声に驚くヴァリス。


「あたしたちは仲間でしょう? 竜王様の使命なんて、この際関係ないよ。あ、あたしだって、皆の仲間として力不足だなって、思った時はあった。でも、だから、強くなりたいって思ったの。皆と一緒にいたいから、……諦めたくなかった」


「アリシア……」


 だからあたしは、無理を承知で『ラドラックの宮殿』への潜入作戦に志願したんだ。


「ヴァリスは、違うの? もう、あたしたちと一緒にいたくない?」


 あたしの言葉は質問のようでいて、その実、懇願だった。

 一緒に、いてほしい……。


「……強くなる、か。そういう考え方はなかったな。強くなるといっても、我は『元の強さを取り戻す』としか、考えてこなかった」


 ヴァリスは、何かに気付いたみたいに何度も頷きを繰り返す。


「そうだ。お前の言うとおりだ。力不足を理由に諦めるなど、恥知らずもいいところだ。なら我は、強くなろう。今より強く。前より強く」


 ヴァリスのその言葉は、あたしを少しだけ安心させてくれた。質問への答えじゃなかったのは、ちょっと残念だったけれど。


 でも、強くなるためにはどうしたらいいのかな?

 あたしみたいな無茶をすればいいってものじゃないし……。

 実際、あたしはあれで本当に強くなれたわけじゃない。ただ、みんなとこれからも一緒にやっていけるんだって自信はついた。

 自信? そっか。いきなり強くなるなんて難しいけれど、ヴァリスはもともと強いんだし、自信をつけてもらうのがいいんじゃないのかな?


「ねえ、ヴァリス。この街で『武芸大会』があるって話、聞いたよね? 出てみない?」


「武芸大会か。世界中から冒険者が集まる大会だったな。ふむ」


「やっぱり、実戦経験を積むのが一番だよ。どうかな?」


「そうだな。それがいいかも知れない」


 うんうん。ヴァリスもその気になってくれたみたい。よし、頑張って応援しよう!


「じゃあ、明日にでもシリルちゃんに相談してみよ?」


「ああ。……そろそろ、中に戻ろう。ここは風がないとはいえ、夜になればそれなりに冷え込んでくるだろう」


「うん!」


 なんだか、ヴァリスも吹っ切れたみたいな顔をしているし、ほんとによかった。

 あたしたちは、連れだって屋上に設置された階段室へと歩き出す。

 そのとき、ヴァリスがぽつりとつぶやいた。


「我は、我の意志で、お前たちと共に歩こう。それが、我の選んだ道なのだから」


「……~~!!」


 その言葉が嬉しくて、あたしは思わずヴァリスの腕に抱きついたのだった。


 そして、翌日の朝。

 朝食をとりながら、あたしは早速シリルちゃんにヴァリスを武芸大会に参加させたいって話をしてみた。


「……そうね。確かにヴァリスには『それ』が必要かもね。まあ、目立つことにはなっちゃうでしょうけど、それももう……気にしても仕方がないのかもしれないし」


 よかった。賛成してくれて。でも、目立つってどういうことなのかな?

 あたしがそんな疑問を口にすると、シリルちゃんは呆れたような顔で信じられないことを言った。


「決まっているでしょう? ヴァリスが出たら、上位入賞は確実よ? まあ、どうせ出るんだから優勝して賞金でも貰ってほしいところだけど。ある意味、世界最強を決めるようなこの大会で、ルーキーが優勝したら大騒ぎじゃない」


「ええ!? 流石に優勝はきびしいんじゃないの? だって、きっとAランクとかSランクの人たちが出るんだよ?」


「我も出るからにはすべて勝つつもりだが、前に我を打ち負かしたライルズのような強者が出る大会なのだろう?」


 ヴァリスとあたしの言葉にも、シリルちゃんは肩をすくめるだけで、詳しく話してくれるつもりはないみたい。


「とにかく、今日からエントリー開始みたいだし、朝食が済んだら出かけましょう?」


 うーん、まあ、いっか。勝てるのなら、ヴァリスに自信をつけてもらうにもはちょうどいいもんね。



     -武芸大会-


 アルマグリッド武芸大会。

 シリルの話によれば、それはもともとこの街で造られた【魔法具】の性能を確かめるために実施された、模擬戦闘の催し物から始まったらしい。

 冒険者たちが【魔法具】求めて多く集い、彼らが“魔工士”たちから依頼されて行うそれらの模擬戦闘は、いつしか冒険者同士が腕を競う場に変わり、都市公認の武芸大会へと発展したのだ。


「で、ここがエントリー会場か。随分でっかいテントだな」


 ルシアが興味深そうにあたりを見回しながら言う。

 我らが現在立っている場所は、円柱都市の中心地点。巨大なすり鉢の底にあたる部分だ。

 数十年前に鉱物が掘りつくされて以来、所有者不在のこの場所は更地のままとなっている。ゆえに建造物は何もないはずなのだが、現在に限っては大きなテントが臨時的に設置されていた。


「あくまでエントリーを受け付けるだけの場所だからね。武芸大会の会場自体は、前日にならないと姿を現さないわ」


 『姿を現す』とは、生き物ではあるまいに奇妙な表現だ。我らがテントの中に足を踏み入れると、そこにはいくつかの受付用のテーブルとその受付に並ぶ冒険者たちの姿がある。あまり大人数とは言えないが、大会開始が5日後である以上、まだこれからと言ったところなのだろう。


「ヴァリス。個人戦の受付はこっちみたいだよ?」


 アリシアが我の腕を掴む。アリシアは人間の町に入ると、『人間社会のことを教えてあげる』というお題目のもと、なんやかんやとこうして世話を焼いてくることが多い。

 やれやれ、いい加減、我にもその程度のことはすぐにわかるようになったというのに。


「……」


 ふと、視線を感じて見ると、なにやらシャルが意味ありげに我を見ている。

 何を言いたいのかはなんとなくわかるが、もはや、あえて聞くまい。


「ほら、こっち、こっち!」


 腕を引っ張られ、仕方なく歩き出す。

 聞けば、このアルマグリッド武芸大会は個人戦のほかに、二対二のタッグ戦と四対四の団体戦があるらしい。特に魔導師系の冒険者は前衛なしでは舞台形式の戦闘において不利が多いこともあり、このように種類分けされているようだ。


「そういえば、ルシアは出ないのか?」


「え? いや、あんまり興味ないしな。それにヴァリスが個人戦に出るなら、俺の出る幕なんてないよ」


 ルシアはそう言って笑う。しかし、実際のところ、我はこの男の潜在能力は底が知れないのではないかと思っている。出てみればよかろうものを。


「……」


「シャル? どうしたの?」


「シリルお姉ちゃん。わたしも参加しちゃ、駄目かな?」


「え? 参加したいの?」


「うん」


 コクリと大きく頷きを返すシャル。シリルは顎に手を当てて悩む様子を見せた。まあ、無理もあるまい。この大会では極めて優秀な【生命魔法】(ライフ・リィンフォース)の使用者たちが脇に控え、万全の救護体制を整えているとはいえ、そもそも怪我をする恐れがある大会にこのような少女を参加させること自体、ためらいを感じるのは当然だ。


「でも、シャル。あなたはまだ十二歳なのよ。さすがに保護者同伴でなければ参加は難しいわ」


「シリルお姉ちゃんじゃ、駄目なの?」


「わたしは魔導師だからね。一緒に出るならそうね、ルシアじゃないと」


「ル、ルシア? うーん……」


 ふむ。ルシアと出るのは嫌そうだな。


「うん。それでいい。……ルシア、お願い」


 しかし、意外にもそう言って、上目遣いでルシアを見上げるシャル。


「うう。その目は反則だろ!……ふう、わかったよ。じゃあ、登録してこようぜ」


 流石のルシアも断り切れなかったのか、しぶしぶと別の受付へとシャルを連れて歩き去った。


「よかったの? シリルちゃん」


「ええ。個人戦の後に始まるタッグ戦なら、シャルの『杖』も完成している頃だし、丁度いいかと思って」


 シリルの言動には、なにか不自然さを感じる。あれだけ目立つことを避けていたシリルが、急にここまで積極的になるというのは何か裏がありそうだ。

 なにはともあれ、個人戦には我、タッグ戦にはルシアとシャルが参加することとなったのだった。


 そして、5日後。

 シリルが『会場が姿を現す』と言った意味が明らかになる。

 円柱都市の中央部、といっても地面ではなく『空間的』に中央にあたる部分。

 そこに、巨大な逆円錐状の構造物が浮かんでいる。


「すごい、すごい! 何これ!」


「うわあ、本当に宙に浮いてる! 『浮遊石』の岩盤で出来た会場なんだよね? これ」


 アリシアがはしゃぎ、シャルが足元の会場を踏みしめながら呟く。

 ここまでは専用の浮遊型昇降機で上ってきたが、その昇降機にもこの会場にも、シャルの言う『浮遊石』が使われているらしい。


「流石にこれだけの規模の構造物を浮かせる技術には驚かされるわね。『浮遊石』は加工しなければただの岩石と変わらないはずなのに、この大きさでよくここまで浮かせる加工ができたものだわ」


 さすがのシリルも感心しきりのようだ。


「みなさま! 大変長らくお待たせいたしました! これより、アルマグリッド武芸大会を開始いたします。まず最初に行われますのは、世界各地より集まった腕自慢の冒険者たちによる個人戦、予選試合。バトルロイヤルであります!」


 会場に響き渡る司会進行役らしき男の声。芝居がかった言い回しに会場から一斉に歓声が上がる。とはいっても選手とその付き添い以外で、直接この会場の観客席に来れるのは一部の上流階級の人間だけだ。他の多くの人間たちは、この巨大な円錐型の『浮遊会場』の斜め下、全方向に取り付けられた映像を映し出す【魔法具】を通じて観戦することになるらしい。


 個人戦の予選試合にあたるバトルロイヤルは、今回の参加者約110名全員が一斉に観客席を除く広大な円盤全てを舞台にして最後の8人になるまで戦闘を行うというものだ。

 前回大会で優秀な成績を残した8名は、シードということでここには参加していないため、これが終われば残るのは16名ということになる。


「じゃ、ヴァリス。頑張ってね!」


「最初はあまり突っ込まない方がいいわよ。逃げ回ってばかりいると反則を取られるけど、そうは言っても作戦は大事だからね」


「わかった」


 我は皆と別れ、『浮遊会場』の中央へと足を向ける。

 この会場に集まった冒険者の多くは、Bランク以上の者だ。AランクやSランクの者も多く含まれていよう。会場に居並ぶ顔を見ればわかる。誰もかれも、自分の腕に絶対の自信を持つ者ばかりだ。


「おい、あんた。見ない顔だな? ランクは何だ?」


 不意に声をかけられた。振り向けば、巨大な斧を担いだ戦士が一人、立っている。


「……Cランク」


「へえ! 驚いた。まさかこの個人戦にCランクで参加する無謀な奴がいるとはね。よし、それじゃあ、お前さんは俺が優しく一番最初にリタイアさせてやるぜ。よろしくな!」


 無駄に大声を出し、豪快に笑った男は巨体をゆすりながら歩き去っていく。

 ふん、くだらない男だ。


「では、試合開始!」


 その声と同時に数人の男たちが我の周りを取り囲む。どうやら先ほどの男の話をきいていたらしく、我を侮るようにうすら笑いを浮かべている。


「へ! じゃあ、あんちゃん。その綺麗な顔を血まみれにしてやるよ!」


 奇妙にねじ曲がった槍を持った一人の男が我に向けて突きを放つ。が、そもそも間合いの外だ。だが、何のつもりかと疑問に思うまもなく、我の身体は強力な力で槍に向けて引き寄せられた。

 どうやらこの槍も【魔鍵】のようだ。槍の周囲に不可思議な力の渦が発生している。しかし、我は全身に気功を巡らせると、引き寄せられる力を逆に利用して男へと間合いを詰める。


「ようこそ、串刺しフルコースへ! 俺の『渦巻く(サージェス)……、って、なに? うぎゃあ!」


 我はその男の言葉を皆まで言わせず、槍が刺さる寸前で身をよじり、相手の側面に回り込むと脇腹に蹴りを叩き込んだ。

 肋骨の折れる音が響き、男が吹き飛ぶ。ぴくぴくと痙攣して泡を吹くその男に、どこからともなく【生命魔法】(ライフ・リィンフォース)がかけられる。


「67番失格!」


 アナウンスが倒れた男の失格を告げる。このバトルロイヤルでは、一定以上の深い傷を負わされた時点で強制的に負けが決まる。気功術で傷が治せる我にしても、失格を宣告されるより早く治癒する必要があるため、気が抜けない。


 我が一人をあっけなく片づけたことで、周囲の連中は警戒を強めたようだ。

 これはバトルロイヤルのはずなのだが、連中はお互いを無視したまま、我一人に向き合っている。

 なるほど、どうやら結託しているようだな。ちらりと闘技場全体を見渡せば、ほとんどチーム戦のような戦いが行われている箇所もある。


「だが、好都合だ」


 我の顔には自然と笑みが浮かぶ。かつてない高揚感だ。だいたい、こんな小細工をしてくる連中が強者であるはずがない。さっさと片付けて次に当たろう。

 我はそう決めると、全身の気功をさらに高め、足に溜めた気で爆発的に加速しつつ、手近にいた男へと跳びかかった。


「うわあああ! 速い!」


 これで、二人目だ。


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