第22話 世界が知る名
朝のニュースは、
一つの映像を
繰り返していた。
瓦礫の街。
裂け目。
そして――
蒼金の光。
◆
《正体不明の
高位探索者》
《単独で
ダンジョン群を
制圧》
《一部では
“竜神”の
再来とも》
◆
荒神龍斗は、
ギルド支部の
待機室で
画面を
消した。
「……広まるのが、
早すぎる」
◆
同時に、
警報。
短く、
鋭い音。
三回。
◆
「――緊急出動」
管制員の
声が
響く。
「各地で、
ダンジョン
反応上昇」
◆
地図が
展開される。
赤点。
七つ。
都市を
囲むように。
◆
「……狙われてる」
龍斗は
立ち上がる。
宝槍が、
わずかに
震えた。
◆
最初の
現場。
湾岸地区。
海面が
盛り上がり、
黒い塔が
出現。
◆
水棲型
魔物。
群れ。
触手が
コンテナを
薙ぎ払う。
◆
龍斗は、
走る。
桟橋を
蹴り、
海上へ。
◆
落ちない。
足元に
薄い
金色の
足場。
◆
魔物が
襲いかかる。
触手。
同時に
四本。
◆
宝槍が
閃く。
切断。
切断。
突き。
内部破壊。
◆
海が
赤く
染まる。
だが、
止まらない。
◆
塔の
中核。
巨大な
魔核。
「……これを
壊せば」
◆
次の瞬間、
背後から
圧。
大型個体。
顎が
閉じる。
◆
龍斗は、
体を
沈める。
噛み合わせが
頭上で
衝突。
◆
反撃。
顎の
下。
宝槍を
突き立てる。
蒼金の
光。
◆
内部から
爆ぜ、
巨体が
沈む。
◆
休む
間もない。
次の
座標。
◆
山間部。
霧。
視界
不良。
◆
狼型
魔物。
音を
殺し、
包囲。
◆
「……来る」
直感。
龍斗は
跳ぶ。
◆
足元を
牙が
掠める。
空中で
回転。
薙ぎ。
◆
一体。
二体。
三体。
着地と
同時に
突き。
◆
だが、
背後。
上位個体。
影が
重なる。
◆
衝撃。
背中に
爪。
血。
◆
龍斗は
歯を
食いしばる。
「……浅い」
◆
足元に、
円。
竜神領域。
霧が
裂ける。
◆
狼たちの
動きが
鈍る。
恐怖が
伝播。
◆
「――終わらせる」
連続突き。
心臓。
喉。
魔核。
◆
森が
静まる。
◆
次。
次。
さらに
次。
◆
都市上空。
浮遊型
ダンジョン。
飛行魔物の
群。
◆
龍斗は、
ビルの
屋上から
跳ぶ。
風を
踏み、
高度を
稼ぐ。
◆
空中戦。
四方から
突撃。
◆
宝槍が
唸る。
投げ、
回収。
蹴り、
突き。
◆
空が
光で
縫われる。
魔物が
次々、
墜落。
◆
最後の
一体。
異様に
静か。
人型。
◆
「……知性体」
相手が
笑う。
「名が
広がったな、
竜神」
◆
「我らは、
世界の
裏から
来た」
◆
瞬間、
周囲の
空間が
凍る。
拘束。
◆
龍斗は、
力を
込める。
だが――
完全には
解けない。
◆
「……試されている」
竜の声。
◆
龍斗は、
深く
息を
吸う。
力を
爆発させない。
一点に
集中。
◆
宝槍の
穂先が、
細く
輝く。
◆
突き。
貫通。
拘束が
砕ける。
◆
人型は
驚き、
霧散。
言葉だけが
残る。
◆
「……次は、
世界規模だ」
◆
すべての
裂け目が
閉じる。
同時制圧。
◆
通信が
殺到。
世界中から。
称賛。
恐怖。
疑念。
◆
その日、
一つの名が
定着した。
◆
――
**新生竜神
荒神龍斗**
◆
龍斗は、
空を
見上げる。
「……知られて
しまったな」
◆
竜の声が
静かに
答える。
「ならば、
試されるだけだ」
◆
龍斗は、
宝槍を
握り直す。
次は、
世界そのものが
相手になる。




