ひこうき雲
ギューーーーーん
ドッカーーーーん
ボーーボーーー
のりたくなかった
のらなければよかった
ぼくは何も知らなかった
「ねぇねぇ、あそこのけしき きれいじゃない?」
「そうだね」
みえる雲海は あおかった
みえる太陽は まぶしかった
ぼくらの旅路は順調だった
「おんせん たのしみだね」
「うん、わたしは りょうりがたのしみ♪」
「2人で たのしもうね」
「うん♪」
みえる雲海は 黒くなった
みえる太陽は みかぎった
ぼくらの旅路はどこへやら
「大雲海へ とつにゅうします!!しっかり つかまってください!!!」
「大雲海?なにそれ?」
「わかんない…」
「だいじょうぶかな?」
「ちょっと こわいね」
ぼくらは ふるいにかけられる
神のふるいに かけられる
ぼくらの旅路はどこへやら
「警告です!!しっかり つかまってください!!!」
「だいじょうぶかな?こわいよ…」
「ぼくらなら だいじょうぶだよ」
「でも、めちゃくちゃ ゆれるじゃん」
「それは…」
「ほんとうに だいじょうぶ?」
「それは…」
太陽の女神が ほほえむか
雲海の化身が あざわらうか
ぼくらの旅路はどこへやら
「危険です!!ちゃんと つかまってください!!!」
「ねぇねっ、こわいよ」
「だっ、だいじょうぶだよ…」
「ほんとうに?」
「うん、自分を信じないと」
「自分を信じる?」
「そうだよ、今までの自分を信じないと」
「そうだね、わたしも今までの自分を信じてみる」
信じるものは すくわれる
太陽にかたむく 両天秤
ぼくらの旅路は希望のみちへ
「大雲海を だっしました!!もう だいじょぶです。たびを おたのしみください」
「ほんとうだ、だいじょうぶ だったね」
「だから、だいじょうぶって いったでしょ」
「自分を信じるって だいじだね」
「そうだよ、今までの自分を信じないと」
雲海ぬけた ひこうきぐも
旅をつづける ひこうきぐも
曲がりくねったひこうき雲