3 7歳を過ぎて
7歳を過ぎると農閑期は王都で過ごすようになる。仲間も増えマジックショーも覚えた。
3 7歳を過ぎて
7歳過ぎると12月中頃から3月中頃まで両親と王都で暮らす。兄や姉達はマリエールに楽器を持たせ社交会に連れて行く。可愛い妹は何処に行っても人気者だ。しかも演奏が凄い。話も巧みだ。相手の年齢相応に併せて会話する。学院の学生の場ならそれなりに会話する。凄い対応力だ。実はこれはテレパスを無意識に使っているためだが、何となく相手の気持ちが判るからそれに併せた行動が取れるのだ。同学年の社交にも出る。シルビアに打ち解ける。考えや趣味が近い。国民の役に立つものが作りたいという夢を聞いて、私は台車や一輪車、ショベルを提案した。ルドルフ王子にも時々呼ばれる。演奏を求められる時もあれば、マジッショーを見せて貰える時もある。あまりしつこく王子にやり方を教えてくれるようにせがむので王子はマリエールにマジックショーの本を渡した。
領地に帰ると弟や妹の番だ。綺麗なお姉さんは小さな子ども達にも人気だ。マリエールは小さな子でも子ども扱いはしない。子どものプライドを重んじ紳士淑女として扱う事に好かれる理由の一つである。そしてマリエー多彩な芸、楽器演奏が唯一の出しものだったマリエールがマジックショーを覚えた。小さな子ども達は大喜びだ。断わらないマリエールに依頼は殺到する。祖母の依頼で老人クラブの様なところで楽器演奏とマジックショーを披露して高齢者の話相手になる。気立てのいい多才の美少女は老人にも人気だ。少女のまわりに人が集まる。少女の存在は彼らの孤立感孤独感を癒す。挙げ句は市民から出しものの依頼だ。領主はマリエールを市民主催の出しものに出す事は否定的だったがマリエールが出たいというのでしぶしぶ認めた。マリエールの登場で場内が騒然とした。マリエールは拡声魔法で音大きくして楽器演奏をした。幻影をして、他のマジックショーを幻影を使って皆に見せた。ショーの後市民達と歓談だ。
それは突然起こった。マリエール達の離れたところが騒然とした。一人の若者がくわを持ってマリエールに襲いかかろうとする。当然護衛に切り伏せられる。護衛の一人がマリエールを守ろうとして肩抱いた。
「触るな。」
強烈な威圧で護衛は数メートル飛ばされた。マリエールは男のところへ歩いて行った。男は既に息絶えていた。
「この男の単独の犯行か仲間が居るのか、確認しなくてはならない。この男の頭と口だけ回復させる。男、お前の単独の犯行か。仲間はいるのか。」
男は自分の置かれた状況があまり判ってないようだが話だした。
「少し前、仲間達と飲んでいた時、凄い芸の出来る領主の娘が居る話が出て。村長の息子が父親に領主に嘆願するように頼んでみると言った。上手くいったらその娘を殺して一揆を起こす手筈だった。」
話が聞けるのは僅か人数だったが、その中に村長がいた。村長の身柄確保を命じた。
「あとの仲間は。」
村長の息子とこの男の他に6人の名前が挙がった。村長に協力するなら村長と息子に情状酌量するがしないなら反逆の村として処置するとマリエールは言った。9人の身柄を領城に連れて行き、顛末を領主に告げた。あとの事はマリエールは知らない。ただ市民との接触は極力避けるようになった。
農民からの要望に応えマリエールは村で楽器やマジックショーをした。一人の男がマリエールに襲いかかる。