メモリーズ
ダイヤモンドが盗まれたとは報道されていない……。
私はサニーに「サニー、バラして…このG、ばらして!!」とキツイ目をして命令した。
「いやぁ、あたいに、それはワケないですけど……いいんですか…?」と訳も分からぬ彼女は困惑したが、
私は
「早く、早く!!」と彼女を促した。
鑑識課室内でサニーが手慣れた様子で分解を行う。
「盗聴機ですわ…今の今までONに、なって…」
それを聞いて
私は走った…走りに走った…自宅へと…
彼とは、旦那とは…
… …
…
「ミーナさんのために弁当、作ってきた!!」
私は、騙されなかった。
チャチなアプローチには絶対に。
私と結婚して私の旦那に彼がなる前、
執拗な彼自作の御弁当を私に渡してくる日々…。
その際、時たま彼は言った。
「御店で売るとしたら、この弁当3500円くらいだよ♪♪」
私も、のうのうと生きてきた女ではない…。
男は、いつも口ばかり…。
彼は言った。
「昼に食べるなら温めて食べてね♪」と。
ふん…そこまで言うなら今日、署内の電子レンジでチンして、そうしてやるわ……。
私は走る…
奴は、普段通り自宅にいる!
私のお帰りだぞ、帰ってきた、帰ってきたよ!
玄関が施錠してなく、
私は明るい室内にドタドタと入って……。
旦那は、おらず、
蛍光灯に照らされたコタツには、
ダイヤの指輪……時計……ネックレス………イヤリング……。




