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同期のマリアに、鬱憤を思いの丈、ぶちまけた…話して話して話す。
私が、それに疲れ、己の飲み物に手を伸ばした時にマリアは言った。
「はじめのダイヤの指輪が10億…
次の時計が3億…
ネックレスが2億……イヤリングが1億…
ダビデ像は時価いくら?」
私は、カフェラテを飲み干し、カップを置いて答える。
「…2000万円…。」
「もう、上層部は執着ないのよ…警備をクモの巣のようにまで張り巡らせてダビデを死守する…そんな気ないのよ…。」
「ホシに、されるがされっぱなしじゃないの!!」
「…まぁ、落ち着いて…。
サニーの言う通りよ…世界で類を見ない平和大国である、この街でも何かしら、また他の事件は起きるわ……。」
あー、酒を飲みたい、酒が飲みたい~!!
そんな気分である私の元をマリアは去っていき、
私は署内のミーティングルームに一人になった…。




