085 世界の外側へ
エデンの中で、リージェを抱きしめながら空を見上げていたドロセア。
すると操縦席の前方に表示されていた数字が、減少のスピードを早める。
守護者ラグナロクによる影響だ。
つまりそれは、残る侵略者の数。
これが一定以下になったとき作戦を開始する手はずになっていた。
一方で、表示されている情報はそれだけではない。
見知った名前の死亡報告も、時折流れてきていた。
(簒奪者たちが……次々と死んでいく……)
魔物化した上で守護者を纏い、圧倒的な力で侵略者を蹂躙していた簒奪者たち。
しかしそんな彼らも、戦えば徐々に消耗していく。
数千万の敵を倒しつつも、侵略者の数の暴力には勝てずに押しつぶされてしまうのだ。
現状の死者は、ガアムとヴェルゼン、カルマーロ、そしてシセリー。
シセリーが死んだということは、ミダスも近いうちに逝くはずである。
心が痛む、というわけではない。
彼らは転生した時点で、こうして侵略者との戦いで散るための存在だった。
わかりきった死である。
だが、何も感じないわけではなかった。
クロドに存在を奪われた状態だったとはいえ、少なからず交流はあったのだ。
敵同士ではあったが、魔術を教えてくれたときは、まるで友人、あるいは親戚の子供に接するように話してくれたものだ。
それが永遠に失われたと思うと、寂しさはある。
しかし浸っている暇は無い。
残る侵略者の数が、作戦開始のラインに到達しようとしていたから。
「そろそろ私たちの出番みたいだよ」
「っ……」
父の死に傷つくリージェは、ドロセアの胸の中でぴくりと体を震わせた。
ドロセアは彼女の背中を撫でて、優しく語りかける。
「行こう。この戦いを、私たちの手で終わらせるために」
するとリージェは顔を上げ、袖でぐしぐしと涙を拭う。
そして泣き腫らした目でドロセアをまっすぐに見つめ、つまりながらも、言葉を返した。
「っ……はい! お父様のような犠牲を、これ以上、出さないためにも……ッ!」
ドロセアはそんなリージェを慈しむように頭を撫でた。
リージェは気持ちよさそうに目を細めると、微笑み、ドロセアの後ろにある自分の席に戻る。
「シェメシュの翼、最高出力――」
エデンの背中にある翼――その放出口から、光の粒子が噴き出す。
白銀の騎士はふわりと浮かび上がり、ドロセアの動きに合わせるように頭部は天を仰いだ。
そして、機体は加速を開始する。
「一直線で――敵の本体を討つッ!」
目指すは、天上の裂け目。
その先には侵略者の本体がいるはずだ。
エデンの役目はそれを直に討つことだった。
「うおぉぉおおおおおおおおおおッ!」
重力の反発を受けながらも、それを振り切り、猛スピードで高度を上げていくドロセアたち。
慌てて侵略者たちがそれを止めようとするが、数はさほど多くない。
世界中で人々が戦ってくれたおかげで、侵略者の物量が減っているからだ。
また、一体や二体程度の妨害ならば、シェメシュの翼から放たれる推進剤代わりの光の粒子に触れるだけで消し飛ばせる。
それで間に合わない相手は、手に持ったアーウォンの剣で引き裂けばいいだけだ。
止まらない。
それどころか、エデンはさらに加速する。
『マヴェリカ、ドロセアたちが来たわ!』
その高度は、ついにマヴェリカやエレインから見える場所にまで到達していた。
『ふー、ふうぅ……ああ、もうそんなに減ってたのか。雑魚を蹂躙するのも悪かぁ無いが、やっぱ大本をぶち殺してやらないとなぁ!』
『ふふっ、興奮しすぎないようにね』
『ドン引きさせちまったかい?』
『ケダモノみたいでゾクゾクしたわ。あとで戻ったら、私にもその顔を向けてね』
『まいった。こんな挑発的なエレインははじめてだ』
『今までずっと我慢してたのよ。人だったときも、人でなくなってからも』
『これからは必要ない我慢だな』
『ええ、はじめて言えるわ。本当にしたいこと』
『全部叶えるよ、そのために生きてきたんだ』
戦場でいちゃつく二人。
そんな中、エデンとの接触を前に、ラグナロクは球体からの変形を始めていた。
「お姉ちゃん、前方のあれって……守護者、なんですか?」
「魔力の感じからして師匠とエレインの守護者みたい」
「へ、変形してますっ!」
「あれは……巨大な、剣?」
ラグナロクは、エデンよりもさらに数倍大きな剣へと形を変え、ドロセアたちを迎えた。
『来たかドロセア。私らに乗れ、こっから更に加速するぞ!』
「了解です、師匠!」
てっきり“握れ”と言われるかと思ったが、どうやらそれは乗り物らしい。
エデンが通り過ぎる直前、ラグナロクも上空へ向かって加速を始める。
そして並走を始めた両機は徐々に距離を縮め、そしてエデンの両足がラグナロクに触れた。
その瞬間、エデンが見えない力で足を固定されると、ラグナロクはさらに加速する。
「うひぇぇっ、シェメシュの翼より早いんですか、これ!」
『併用すればもっと早くなる。手を緩めるんじゃないよ、リージェ!』
「わ、わかりましたマヴェリカさんっ!」
なおもスピードを上げながら天を目指すエデン。
ドロセアがふと地上に目を向けると、先ほどまでいた王都の大地は、雲を隔てた遥か遠くにあった。
◇◇◇
地上で戦うテニュスとラパーパは、ふいに空を見上げる。
近くから空へ向かって飛び上がった一筋の光。
それが空中で別の光と合流して、さらに上へと向かっていったのだ。
『ありゃあ、ドロセアたちか?』
『どんどん裂け目に迫ってます!』
『そういう作戦ってわけか。頼んだぞ、ドロセア。こっちがくたばる前にな!』
額に汗を浮かべ、疲労をにじませながらも、テニュスは大剣を振るい続ける。
そんな彼女たちから少し離れた場所で、女性の悲痛な叫び声が響いていた。
『教皇猊下ぁぁぁぁッ!』
一人の王魔騎士をかばい、崩れ落ちる教皇フォーンの守護者。
エネルギー波に操縦席を直に貫かれたようで、二度と彼が動くことはなかった。
彼の死にアンタムは歯を食いしばりながらも、戦いを中断し、悼むことは許されない。
『く、悲しむ暇すらないとかさぁ! こいつらどんだけ数いるワケ!?』
『アンタム団長、あれを見てくださいっ!』
近くに居た別の王魔騎士が空を指差す。
『エデンが……裂け目から外に出ようとしてる?』
『本体を叩くつもりなのかもしれませんね』
『ってことはもうちょい耐えれば、戦い終わるカモってことね!』
『頑張りましょう団長ッ!』
『私たち、団長と一緒に絶対に生き残ります!』
『そーだね。まだみんなのお墓も作れてないんだし!』
彼女たちの近くでは、王牙騎士団や王国軍もボロボロになりながら戦っている。
侵略者がどれぐらい消耗しているのかはわからない上に、“魔力”というリソースを削りながら戦う必要のある人類。
彼らの限界は近い。
ドロセアたちが戦いを終わらせてくれることを信じ、戦い続ける。
◇◇◇
メーナとミーシャが戦っていた村の周辺には、侵略者の姿はあまり無い。
『メーナ、私たち……』
『うん、生き残れる、かもしれない……』
散発的に群れがやってくるので油断はできないが、おそらく侵略者は、この周辺に戦力を差し向けるのを諦めたのだろう。
その原因は、ここで死力を尽くした二人の簒奪者にあるのだろう。
『大地が枯れてくよ……イナギ……』
複数の触手を持つ、鎧をまとった異形の怪物が、山の斜面に体を預けるように倒れている。
魔物化したアンターテだ。
前回とは違い、ある程度の理性を保ったまま魔物化しているようだ。
全身傷だらけで虫の息となった彼女は、隣に倒れる鎧をまとった鬼に語りかけている。
『果たして……わたくしとアンターテはこの世界で目覚めることができるのでございましょうか』
同じく、魔物化したイナギが答える。
二人は山の木々をなぎ倒して倒れ込んだのだが、その周囲にある樹木はすべて枯れ果てていた。
いや、木だけではない。
草も、花も、全てが――まるで山から生命が失われたかのように枯れている。
世界が終わる。
それを実感させる光景であった。
『今は信じて夢でも見てようよ、簒奪者はみんな死んじゃったみたいだし、十分戦ったよ』
『そうで……ございますね』
触手と手を絡めて、二体の異形はゆっくりと目を閉じる。
次に目を覚ましたとき、すべてが終わっていて、何も考えずに平和に生きられることを願って。
◇◇◇
裂け目へと迫るエデンとラグナロク。
それを妨害すべく、大量の侵略者が新たに裂け目から現れ、壁となって立ちはだかる。
しかし、二体の守護者はそれでは止められない。
「すごい、侵略者が近づいただけで溶けていきます……あっ、でもエデンもちょっと溶けてませんか!?」
「上に乗っただけだからね。師匠、体がヒリヒリするんですがこれどうにかならないんですか」
『細かいことは気にすんなよ、外にさえ出ちまえばこっちのもんだ!』
どうやらどうにもならないらしい。
合体したわけではなく、ドロセアの言ったとおり上に乗っただけなので仕方ないのだが。
エデンの持つ特殊な装甲“エリオンの楽園”が無ければ、今ごろドロセアたちも侵略者同様に分解されていたのだろう。
『よほど焦っているのか、戦力を集中させてきたわね』
侵略者は諦めるどころか、さらに数を、密度を増して妨害を企てる。
敵の数があまりに増えてくると、ラグナロクの放つ光でも対応できなくなるようで、徐々に侵略者の壁との距離が縮まってきた。
『ちっ、さすがにこんだけの物量だと多少は足止めされるか』
「問題ないですよ、ただ乗ってるだけで退屈してたところです」
「アーウォンの剣で叩き切ってやりましょうッ!」
エデンが剣を抜く。
在るだけで精霊を食らい尽くす忌まわしき剣。
だが今は――エレインの耳には断末魔は聞こえてこなかった。
精霊たちは何かを悟ったように、諦めたように、剣に飲み込まれていく。
「こういうときこそ王牙流の出番だからね。道を――開けろぉッ!」
振り上げた剣を、振り下ろす。
ただそれだけのシンプルな動き。
しかしその単純な動作を鋭く、無駄のない動きで行えば、斬撃は触れたものだけでなく、その進路を邪魔する者までをも引き裂く。
侵略者の壁は、中央から見事に真っ二つに両断され、裂け目までの道が開いた。
『ひゅう、気持ちのいい斬りっぷりだ』
『このまま突破するわよ!』
現在進行系で裂け目から侵略者が押し寄せているが、裂け目そのものはそこまで広いわけではない。
そこから出てこようとする数だけでは、ラグナロクの光にすら耐えられなかった。
ついに二体の守護者は侵略者の防衛網を貫く――
「うわっ、真っ暗です!?」
『ここは狭間だ。すぐに外に出る』
マヴェリカの言葉通り、暗闇を抜け、視界が一気に広がった。
「これが……世界の、外……」
先ほどまで夜の闇の中で戦っていたはずなのに、一気に明るくなる。
そしてドロセアたちの目の前には、虹色のキューブを抱いて眠る、巨大な――あまりに巨大な赤子のような、毛もなく、顔もない、真っ白な人型の“何か”が浮かんでいた。
リージェは見慣れぬ光景を前に、思わずきょろきょろと前後左右を見やる。
「そこら中に、丸いものやレンズみたいなものがいっぱい浮かんで――づっ!?」
「リージェッ!」
ドロセアは、苦しげな声をあげたリージェを抱きしめた。
マヴェリカがそんな彼女に助言する。
『大丈夫かいリージェ、あんまりキョロキョロ見回さない方がいいぞ』
『左右に並んでいるのは平行世界ね。理論上、限りなく無限に近い数が存在してるから、下手に見ようとしたら脳が破裂するわよ』
『守護者の情報を叩き込んだときと同じ理屈だな』
見るだけで情報量が多すぎて、人間はそれに耐えられないらしい。
「あ、うぅぅ……頭、痛い……っ」
「落ち着いて深呼吸しよう。大丈夫、私がついてるから」
「は、はい……お姉ちゃんのおかげで……少しずつ、落ち着いて、来ました……はぁ……はぁ……」
数度の深呼吸を繰り返し、ドロセアの匂いを吸い込むと、リージェの痛みはすうっと引いていった。
「前だけ、見ますね」
「まあ、そっちもそっちで気持ち悪いんだけどね」
「確かに……あれが、侵略者の本体なんでしょうか」
その人型の物体は、よく見ればヘソから管が伸びており、それが抱きしめた虹色のキューブに繋がっている。
『あの管で“世界”と繋がっているのね』
「要するに虹色のあれがあっちの世界……」
「世界に寄生してる、みたいな感じですかね」
『侵略者の本体はあのでかい人間の方だろうね。管を通して、侵略者が食らった“存在質”を供給してるんじゃないかな』
「あ、そうだ。そういえばそんなことクロドが言ってましたね。じゃあ寄生じゃなくって――」
「あっちの巨大な人の方が親、みたいな存在ってことかな」
抱きしめた虹色の世界。
その存続のために、侵略者は他の世界を食らい続けているのだという。
もっとも、クロドが死に際に放った言葉なので、それが事実なのかは怪しいものだが。
裂け目を抜けたドロセアたちは止まってそんな話を続けていたが、当然、侵略者側はそこに彼女たちがいることを知っている。
『前からすごい数の侵略者が来てるわよ』
『大型侵略者は、さながらあの巨人の細胞ってところか』
「十億で終わりじゃなかったんですか!?」
『元々、こちらから観測できた数がそれだけってことだもの。もっとも――相手も捨て身のようだけどね』
エレインの指摘通り、世界を抱く巨人は、体のところどころが欠けていた。
大型侵略者があれの細胞だというのなら、大型侵略者を撃破すれば多少なりとも本体にダメージを与えられるということ。
また、一定以上の細胞を失うと自壊してしまうのか、肉体のところどころが人の形を維持できなくなっているようだった。
侵略者は裂け目の解放が不完全な状態で攻め込んできたのだ。
その時点で三割程度は数を失っているはずなので、その時点でかなりの捨て身である。
「どれだけ数を揃えたところで、個の力が弱いんじゃ今の私たちは止められないんだけどね」
『はっ、ドロセアの言うとおりだね。よし、このまま突っ込むぞ!』
「あのぉ……突っ込むってどこにです?」
「とりあえずあの心臓っぽいところでいいんじゃないかな」
巨人の胸部あたりで、ピンク色の臓器のようなものが脈動しているのが見える。
見るからに急所っぽくはあるのだが――
「お姉ちゃん、それはさすがに雑じゃないです?」
『わざわざ人間を模しているんだもの、心臓部か脳あたりに重要なものが埋め込まれてそうではあるわよね』
『私もエレインと同感だ。どうせ私らを止められやしないんだ、細かいことは突っ込んでから考えればいい!』
「師弟揃って大雑把です!」
しかし多数決で負けてしまった以上、採用されるのは雑な方の意見である。
ラグナロク、そしてシェメシュの翼は再び出力をあげ、侵略者の本体へ向かって進軍を開始する。
巨大な剣に乗った白銀の騎士は、差し向けられる敵兵をものともせずに、目的地へ向かって前進を続けた。
やがてものの数分で心臓の目の前まで到達し――
「ほ、本当に突っ込むんですね!」
「怖いなら抱きついてて」
「そうしますぅ!」
迷いなく、敵本体の心臓部へと突入した。
◇◇◇
「リージェ、起きて」
ドロセアの声に導かれ、目を開くリージェ。
彼女は硬い床の上で目を覚まし、体を起こした。
「へ? お姉ちゃん……こ、ここは、一体……」
「私も起きたばっかりでよくわからないんだよね」
二人して周囲を見回す。
そこは複数のデスクとパソコンが並ぶ、オフィスの一室であった。
もちろんドロセアたちにそれが何かなどわかるはずもなく、見たところで疑問が増えるばかりだ。
すると、少し離れた場所で目覚めたマヴェリカとエレインが歩み寄ってくる。
「どうやら私たちの予感は的中したようだねえ」
「不思議な空間だわ、私たちの世界とは明らかに形状の異なる道具が沢山並んでる。建設技術なんかも全く別物のようね」
「文明レベルはこっちのが上ってことか……まあ、侵略者なんてものを生み出したんだ、考えてみれば当然か」
「もしかして、さっきわたしたちが見てた“あっちの世界”の中ってことですか?」
「そのものではないよ」
会話に割り込んできた男性の声。
ドロセアは反射的に声を荒らげた。
「クロドッ!」
死んだはずのその男は、まるで最初からその場にいたかのように、並んだ椅子の一つに座っている。
そして座ったままくるりと周り、ドロセアたちに顔を見せた。
「その呼び名は正確ではない。僕は“侵略者”と呼ばれる兵器を管理するシステムそのものであり、開発者だから」
「つまり親玉ってわけかい」
「でも実体は無いようね」
ドロセアはとっさに剣を握っていたが、彼女もそれが投影されただけの映像だと認識しているのか、すぐに襲いかかりはしなかった。
「そう殺気立たなくても、ここまで懐に入られてしまったんじゃ、もうできることはないよ」
やれやれ、といった様子で首をふるクロド。
彼は別人と言っていたが、その動作は彼にとてもよく似ていた。
「命乞いでもしてみる?」
ドロセアはよほど彼のことを嫌っているのか、挑発するようにそう言った。
苦笑いするクロド。
「それが通じる間柄でもないだろう」
「だったら何を話すつもりなんです」
ドロセアと同じぐらい冷たいトーンでリージェは言う。
対するクロドは、それを茶化すような答えを返した。
「身の上話、なんてどうだい」
「ふざけてるね」
マヴェリカは一刀両断する。
だが、これに関してはクロドは本気のようだった。
「けれど知りたいだろう? なぜこんな馬鹿げた兵器が生まれたのか――君たちの今後の身の振り方を考えるためにも」
そう言って、彼はドロセアたちの背後にある窓の向こうを見る。
そこにはドロセアたち側の世界があった。
青い海や緑の木々に覆われた自然豊かな世界――だったはずなのだが。
今やその木々は枯れ果て、海は赤黒く濁り、そして大地は割れつつある。
「わたしたちの世界があんな姿に……クロド、あなたの仕業ですかっ!」
「違うわ」
リージェの憤りを否定したのは、クロドではなくエレインだった。
「全人類が守護者を使って戦ったことにより、精霊が枯渇したのよ」
無表情に世界を見つめるエレイン。
一方、マヴェリカは滅びゆく世界を見て満足気に笑っている。
何なら、クロドの方がまだ悲しげな表情をしているぐらいだ。
「存在質の枯渇……僕らの世界が滅びかけた理由と同じだね」
「それが侵略者の生まれた理由ってこと?」
ドロセアの問いにクロドはこくりとうなずく。
そして“身の上話”を語りはじめた。
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