11、一番の友達って?
夢で気づくことってないですか?私はあります。
一番の友だちってどうやって作ったらいいんだろう。
ふつうの友だちじゃなくって、特別な……、なんかこう、何があっても友だちじゃなくなることがなくて、互いが一番の友だちって分かっている、そう、親友ってよべる友だち。
それをゆいに話してみたら、
「私たちみたいな友だちを親友っていうんだよ」
と、ゆいはにっこり笑ってゆったりしたしゃべりかたでそう言った。
「どうして?」
「まず一つ。私、そらちゃんと一緒にいるのが好きなんだぁ。いろいろ楽しいおはなししてくれるから」
ゆいは、ふっくらした顔をくしゃくしゃにして笑った。
その顔を見たら、
(さいしょは、あまりじぶんの意見をいわずにうんうん聞いてくれるゆいがとても良い友だちに思えたけれど、何をいってもうんうんしか言わないから、さいきんはつまらなく思っている)とは言えなかった。
「それにね」
ゆいは、続けた。
「ふたつめ。同じクラスで、しかも家が近いなんて、友だちになるためにおきたミラクルでしょう~」
いつも夢を見ているようなふわふわしているゆいが言うと、あまりそうだよね!とうんうんうなずきたくなくなる。
私は、ここぞとばかりに言った。
「それは、親友でなくて、幼なじみっていうのよ。親友は、幼なじみよりとくべつなものなんじゃい?」
「そうなの~。じゃぁ、親友って幼ななじみに何を足せばなれるの?」
「それは、きっといろいろいっしょにうれしいことや楽しいこと、それにくるしいことなんかもこえてきて、ぜったいにこわれないっていうか。う~ん」
「私とそらちゃん、いつも何でもいっしょだったじゃない?」
確かにそうだ。
でも、あれはうちのお母さんとゆいのお母さんが仲が良かったから、むりやりそうなっただけ。
私は、別の女子と行動したい時もいっぱいあった。
私は、ゆいにどうせつめいしよう?と考えた。
そして、引っ越し作業をしているマンションの人を見て、良いことを思いついた。
「もしさ。親友だったら、私が転校してもしょっちゅうれんらくしあったり、悩みとか相談しあったりしてさ、転校しても一番のなかよしなんじゃないかな?ゆいにはそれができる?新しい友だちができてもわすれないし、いっしょがいいって思うんだよ」
「そらちゃんが、転校しちゃったら、いやだわ」
と、まるでほんとうにそうなるみたいにそうぞうするゆいが泣きそうになったし、家の前についたしで、その話はそこでおわった。
私は、ゆいの顔を思い出しながら、ちょっとすっきりした。
すこし意地がわるかったかもしれない。
その夜、変な夢を見た。
ゆいがクラスのみんなの前で、あいさつをしていた。
「明日、転校します」
私は、まさか!何も聞いていない!と頭が真っ白になった。
今日は、いとこがこんど飼うことになった、白い子犬の話をしようと決めていた。
ゆいならうれしそうにうんうんとうなずいて話を聞いてくれると思っていたのに!
写真も今度とってくるから~と約束して、ゆいにわたそうと思っていたのに!
大好きなおさいほうで、その子犬のぬいぐるみをゆいが作るのを楽しみにしていたのに!
私は、クラスのみんなの前で、ゆいに言った。
「ゆい。今日は絶対一日いっしょにいよう。私もスマホを買ってもらう。それでれんらくをとりあおう」
そうしたら、ゆいはこまった顔をした。
「ごめんね、そらちゃん。親友とじゃないと、スマホはつながらないの」
ヒヤッとして、目が覚めた。
夢だと分かってほっとして、涙が出そうになった。
何か新しいことがあると、私は真っ先に家族とゆいを思い浮かべる。
確かに話をしてもうんうんだけでつまらないと思ったかもしれないけれど、ゆいがもしいなくなったら、と考えると、そんなことはちっぽけなことに思えた。
親友か幼なじみか。
そんなことはもういい。
今日も朝、ゆいと学校へ行ける。
私は、それだけでどれだけ自分の生活が楽しかったか、やっと分かった。
ゆいがいい。
私は、ゆいに会いたいのだ。
今はいないけれど、中学生くらいになったら、ゆいよりなかよくしたい友だちができてしまうかどうかも分からない。
でも、ゆいが転校してしまうとしたらさみしくて頭がが~んとなったし、私が話を聞いてほしいと思うのはゆいだから。
昨日のことをあやまろう。
そう心にきめた。
おしまい
お読みくださり、ありがとうございました!
そらみたいに「慣れ」にありがたみを忘れる事ってけっこうありましたが、当たり前に存在するものなんて実は何一つないんですよね。
出逢いは「奇跡」のようなものだと思います。
このお話を出逢ってくださって、ありがとうございました!
もし何か感じることがございましたら、感想など残してくださるととても嬉しいです。




