6 冒険者『見習い』(2)
1週間後、ノーレスからアテンへ売上金持って行き、ヤークルスさんに渡すと代わりに簡単な地図を渡された。それを参考にしてさらに隣町のベリとラーリアに売上金回収のためルートを確認する様にと指示だ。
ちなみに今日からハートさんは店舗の仕事をしなくて良いらしい。
まあ、ベリもラーリアもまあまあ遠いからね。ベリもラーリアも、アテンの方から行った方がノーレスよりも近いけど、それでもアテンとノーレス間の2倍以上はあるし、しかも、アテンからはどちらもほぼ逆方向だ。アテンがすべての中継地点という感じだ。
僕の足では片道で3時間くらいなので、ノーレス→アテン→ノーレスで3時間
ノーレス→アテン→ベリ→アテン→ノーレス、9時間
ノーレス→アテン→ラーリア→アテン→ノーレスで9時間。
ハートさん1人ではもちろん行けないので速度についてはどうにもできない。
それでも実質3日でなんとかなるけど、本当ならどこか適当なところで泊まれってことなんだろうね。正規ルートならもっと時間掛かるし。それで店舗での仕事なしで5日というところか。
ヤークルスさんの見立ては間違ってはいないな。むしろなんか途中でトラブったらアウトだろう。流石にそういう時は憂慮してくれるだろうけど。
でもなんとなく泊まるのは嫌なのだ。
PWKではよく宿屋で襲われるという設定が多々あったからね。治安のさらに悪い場所での長期滞在は控えるべきなのだ。
特にベリは特に治安が悪い。ラーリアならまだ良い方だろうけど、ノーレスよりは悪いと思う。
よってノーレスでしか今のところ滞在したくないのだ。
「明日はどっちから行きましょうか〜?」
「ベリかな。ラーリアは・・・なんか嫌な予感がするから先にベリで仕事終わらせたいかも」
「そうなの〜?ラーリアには何かあるのかしら〜?」
「うーん。勘かなあ」
「ロキちゃんの勘なら信じておいた方が良いわね〜じゃあベリから行きましょうか〜!」
ラーリアの方がまだ治安は良いはずだし、ベリの方で仕事終わらせておきたい。
翌日、早朝から僕とハートさんはまずノーレスの町を出るとアテンに向かった。アテンに寄る予定はないので近くまで行ったらそのまま非正規ルートを進むけどね。
「お仕事手伝ってもらっててこんなこと言うのもおかしいんだけどね〜ロキちゃんには友達作ってもらいたいのよね〜」
「あーそれね、うん」
遭遇した魔物を叩き切ってから、ハートさんの腕を引いていると、何やら喋り出した。
この言葉、結構前にも聞いたんだけど、残念なことに僕は実行できないでいた。
前世でもそんなに友達は多い方じゃなかったし、これまではEXP稼ぎとステータス上げに夢中だったから半ば無視していた。だって命に関わるし。
やったとしても莉緒がいるかもしれないと思って鑑定で探したくらいだ。
いや厳密には何回か頑張って子供の遊び場に出向いて同い年くらいの集団に混ざってみたのだけど、・・・正直子供とは全然合わないのだ。
この世界で僕が出会った子供は、すぐイキるし、煩いし、すぐ怒るし、口悪いしすぐ暴力振るって来るし、仲間外れを作りたくてしょうがないらしく、出会って5分でいじめ現場を見せつけてきたり・・・、それを見てるのもしんどかったし、諌めるのもめんどくさすぎたのだ。
「私は友達とか居なかったからね〜ロキちゃんのことは言えないんだけど〜きっと友達が居たら楽しいと思うのよ〜、無理しなくても良いんだけど〜機会があったら飛び込んでみてほしいのよ〜」
「う、うん。機会があればね、うん。そのうちきっと友達くらいできるって、たぶん」
「ロキちゃんは私みたいに鈍臭くないから、きっと大丈夫よ〜」
あと5年くらいは無理かもなぁ・・・
てか、ハートさん、友達いなかったんだ・・・
そんなことを思いながらベリでは迷うことなく『ヤークルスブレッド』に到着したので挨拶するとすぐに店長が「ああ!あなたが!」とすぐに分かってくれたので売上金を回収して店を後にした。
会ったこともない人にすぐわかるほど特徴はあるかと言われると・・・まああるわな。ハートさんは金髪碧眼美人だし、しかも子連れ、子供の方は背中に2本剣差してるなんて、ほぼいない。それにあと僕は黒髪黒目だ。この組み合わせはまずいないだろう。
黒は珍しい。セレス領では多くは赤髪か、違うとしても白髪や金髪、茶髪という感じである。たしかに黒髪はたまにいるが、そんなに多くはない。
僕だけでもかなり目印になると言っても良い。
ゲームでもクローウェル領は結構黒髪は多いイメージだったけどね。セレス領になると突然黒髪はいなくなる。いかにもその辺りがゲーム世界って感じだ。
そんなわけで帰路に素早く付けたので、EXPを稼ぎながら僕とハートさんは再びアテンに戻り社長のヤークルスさんにお金を渡しに行った。
魔物もそんなに出なかったので意外と2時間半くらいでアテンまで戻ることができた。
店に入ると社長のヤークルスさんがギョッとした顔で僕らを出迎えてくれた。
「ハートさん?!もう戻られたんですか!!?」
「はい〜ベリまで行って参りましたよ〜散歩途中で道草もしませんでしたから〜」
「ベリまで?!それにしても速い・・・馬か何か使われたのですか?」
「いえ〜?徒歩ですよ?」
「徒歩でこんなに早く!?」
馬は割と普通の交通手段だが、街を行き来する乗り合い馬車は定期的に出てるとは言え、1日で往復できるほどのスパンでは出ていないはすだ。
魔王討伐後は増えることから、おそらく魔王が作為的に交通手段を減らしているのだろう。というか税金が重たすぎて一般人の仕事もままならないという方が正しいか。
もちろん馬を借りるサービスはないため、馬を使うとしたら購入しなければならないが、ハートさんの2倍になった給料で一般家庭よりは裕福だしすぐ買えるだろうけど、まず買わない。盗難が怖い。
馬はそう簡単に買えるようなものではないのだ。
その後ノーレスで借りている家まで戻って翌日のラーリアへ備えた。
翌日。早朝から出発した僕とハートさんだが、またもや「友達作ってくれたらなぁ〜嬉しいなぁ〜」というような話をしてきたので、出来たらねぇ、とか、そのうちできるよ、とか生返事に近い回答で場を繋いだ。
元々、莉緒くらいしか友達と言えるような人はいなかったのだ。
高校に入ってから山上や藤堂さんのようなコミュニケーション能力高めの人が友達になってくれたから連鎖して友達らしい人が増えただけで、元々友達を作るのはそんなに向いてなかった気がする。
アテンを近くを通過した当たりでお弁当のジャガイモを一度蒸したもの、今は冷えてるけどね、を食べながら移動を続けた。
ラーリアの門を潜ってから、すぐに地図を片手に『ヤークルスブレッド』を訪れたところ、やはりすぐに気がついてくれた。まあ、そこまでは想定通りだった。
しかし、予想外なことが起きるもので、店長は会計がズレているとのことで、今再集計中とのことだった。
「ごめんなさいね!初めてやるもんだから、どっかおかしなことしちゃったのかもしれないわ!夜まで待ってくれないかしら!」
「あら〜そうなんですね〜ロキちゃん、今日はどこかに泊まりましょうか?」
「うん、僕らが早く来過ぎたのも悪いしね」
予定して早く見積もっていた日より1日2日くらい早いだろうしね。
ということで、やることがないのでついでに2人で町の散策をすることにした。
気ままな散歩のつもりで歩いていたのだけど、その散策先で、あるチラシを見てしまう。
人気の少ないような路地に、見ろと言わんばかりに僕の目線の高さに、それはあったのだ。
『来たれ!未来の冒険者!冒険者【見習い】に君もなれる!』
という大きな見出しにカラフルな色合いの下にしっかりとした字体で以下のように書かれていた。
『仕事内容:簡単な荷物の運搬など冒険者の手伝いをしてもらいます。
募集要項:15歳以下の子ども
給与:仕事内容に応じて日払い
応募先:グラニーの店 随時募集』
冒険者【見習い】?そんなのPWKでは見たことがないけど・・・仕事内容や募集要項などの欄があるところを見ると、これは仕事・・・つまりステータス上は職業という扱いになるのではないか?
僕はこのチラシがいつからあるものかは知らないが応募先に行かなくてはいけないという気持ちがした。
これは、渡りに船というところだろうか。
冒険者になりたいと思って数年経ったけど、危うくこのまま10歳に到達できず、死ぬところだったのだ、なんとしてもこの冒険者【見習い】とかいう職業に就かなければ!
それが職業なのかさえよくわからないが、やらない手はない!
早速ハートさんに懇願することにした。
「ママ。僕これやってみたい」
「あら〜ロキちゃんが興味示すなんて珍しいわね〜冒険者【見習い】?あ〜だからね〜ロキちゃんは冒険者になりたいんでだもんね〜」
「うん。それに、これなら子どもしかいないし、友達できるかも!」
別にそこまで友達作りたいわけじゃないけど、こう言っておけばハートさんならゴリ押しで首を縦に振らせることができそうな気がしたのだ。
「それもそうね〜!やってみて良いわよ〜ロキちゃんのおかげで仕事にもかなりゆとりあるからね〜」
にこっと綺麗に微笑みながらおっとり口調で承諾してくれた。
やはりこうでないと困る!
ということでその日はラーリアに泊まった。
もちろん、お金を持っていると大変なので、『ヤークルスブレッド』支店には明日また来るとだけ伝えてある。
お金は持ってないけど、寝ている間に盗賊や暴漢が来たりとかはなかったので本当に良かった。
翌日、すぐに『グラニー』の店に行くと、気の良さげなおじさんが1人で花屋をやっていた。
『グラニー』の店は花屋なのか。
ちょっと驚いた。一見して冒険者と関係がなさそうだからだ。
見たところ、悪そう人相の人ではなさそうだ。
「あの~冒険者『見習い』の受付をしているとチラシで見たのですが~?ここでいいのでしょうか~?」
ハートさんが店員のおじさんに話しかける。
「え?!あぁ!受け付けているよ。あなた方が冒険者『見習い』に応募を?」
話しかけられたおじさんは驚いた顔をしている。
それもそうか、ハートさんが募集を見てきたのだと勘違いしてもおかしくはないだろう。年齢制限見た?という感じだろうか。
「いえ~、この子なんですけど~小さいときから冒険者に憧れてるんですよ~なので、やらせてあげたいんですが~」
「なるほど!大丈夫だと思いますよ!今も募集してますので」
「そうなんですね~!よかったわねロキ~!」
「うん。おじさん。『見習い』て誰に教えてもらうことになるの?」
良かった!まだ募集していた!
チラシの概要はかなりおおざっぱなので正直よくわからないのだ。
「チラシにはちゃんと書いてないからね!本物の冒険者について行って経験を積むんだ。お金は冒険者の受けた仕事によって変わっちゃうんだけど」
「その冒険者ってどんな人なの?」
「冒険者はおじさんの知り合いが多いんだけど、冒険者は仕事を多く受けたいけど人手が足りないって時に子供の手を使うんだけど。ここはその仲介事業なんだ。仲介っていうのは」
「あ、仕事を回したり紹介してくれたりする人だよね?」
前世でいうところの下請けとか派遣とかそういう感じだろう。
「おぉ!物知りだな少年!小さいのに凄いな!・・・今のご時世、身寄りのない子供も多いからね。そういう子供にとってもお金を稼ぐチャンスだし!もちろん仕事内容があまりに子供の手に負えなさそうなものは仲介しないよ!」
話を聞く感じから察するに結構ホワイトな感じがする。これはやるしかないだろう。職業が付くかわからないけど。
ちなみにハートさんは職業パン屋だけど、職業:パン屋とかにはなってない。
もちろん、パン屋に関するスキルはついてない。そもそもPWKの世界では基本的に料理や裁縫、洗濯などの家庭用のスキルは存在していなかったからだ。冒険に関係しないようなものは職業としてステータスに出てこなかったと記憶している。
となると、もしかしたら、PWKになかったこの冒険者『見習い』という職業もステータスに出ないかもしれないが・・・こればっかりは、なってみないとわからないな。街中で出会った子供たちにもそんなステータスを持っている子はいなかった。
僕が見つけていないということは、この世に存在しない事を証明しているわけじゃなく、ただ見つけられていないというだけに過ぎないのだから。
「うん。それならやってみたい」
「そうかい!じゃあちょうど冒険者から仲介依頼来てたから・・・」
おじさんは背中をこちらに向けてゴソゴソと背後のテーブルの引き出しを漁り、すぐに振り向く。
「この家に行ってくれるかな?この冒険者はいつもうちを利用していて、子供たちからの受けもいいから、ちょうどいいと思うよ!」
「履歴書とかはいらないの?」
「履歴書?うん。ここはそういうのはいらないよ」
それもそうだ。それにしても、良いおじさんだ。仕事をなかなか手にできない時代に仕事を回すとは・・・きっと人間性が半端ない。
「ありがとうございます~よかったねロキ~!」
「うん。おじさんありがとう」
「うん!あ!さっき渡した紙の家まで行ったら、おじさん、『グラニー』に言われて来たっていうんだよ?そうすればすぐわかるはずだから」
「わかった」
グラニーさんにお辞儀して、お店を後する。
すぐに紙に書かれた場所に向かう。
もちろんハートさんも一緒だ。まあ行くところもないしね。
とはいえ、冒険者の仕事を保護者同伴でやるのはどうなんだ?もしかしたら変な冒険者だったらハートさんに色目使うかもしれんから困るし、下手したら、僕が厄介払いされる可能性も・・・
そんな不安を抱きながら言われたところまでたどり着くと、ドアをノックする。
すぐにはーいという声と共に女の人が出てきた。
「あら?どなたかしら?」
にかっと笑うほどよく日焼けした筋肉質な女性。おお。これぞ冒険者って感じだ!
「グラニーさんから言われてきました。冒険者『見習い』、です」
敬語というのはこの世界ではないわけでもないけど、子供はあまり使わない。ぶっきらぼうな感じが多い印象だ。
「お!今日は初めての子だね!って、後ろの綺麗な人はお姉さんかい?」
「いや、えっと。ママ」
「おっと失礼しましたね!」
「い~え~ごめんなさいね~この子初めてこういう仕事するので心配になっちゃって~」
「そうですか!・・・良いお母さんだね!」
にかっと笑って僕の頭を撫でてくる女性冒険者。
ちなみに彼女の名前はステータスを見たので、ラーラとわかっている。23歳でちなみにLEV3と割と高いな。ほとんど僕とステータスも同じくらいだ。
その後、すぐに準備をしてくれたので、即出発となった。
「あたしはラーラ。君、名前は?」
「ロキ」
「じゃあロキ。初めて冒険者『見習い』になったのなら冒険者ギルドでの仕事の取り方とかも知らないだろうからギルドに一緒に連れて行ってやりたいところだけど・・・」
ちらっとハートさんを見るのがわかった。
ハートさんは冒険者ギルドに入ったら絡まれそうだな。
「今日はやめとく。今度機会があれば連れて行ってほしい」
「おう!任せな!じゃあ今日はさっと取ってくるからちょっと離れたところで待ってて!」
「うん」
と言って、すぐに走ってギルドの建物に向かうラーラ。
「感じのよさそうな方ね~」
「だね、最初に会った冒険者がラーラさんみたいな人で良かった」
ちなみに僕にはまだ冒険者『見習い』のステータスはついてない。
どの段階で付くのか・・・もしやこのままつかないのでは?と思っているとすぐにラーラが戻ってきた。
「じゃあ行こうか。行くのは安全性も考慮して町の中で完結するものを選んだよ。ある家の庭の草刈りだ!」
「・・・なるほど。わかった」
ボランティア活動レベルじゃん!とツッコミを入れたくなるが、ぐっとこらえる。
そもそもこの世界では冒険者の仕事は想像を下回る方向で多岐にわたる。
魔物とは戦わないことがまず生き残るための手段とされているので、万が一出会ってしまった時のために逃げ足重視で軽装。武器という武器は持っていない。あるとしたら、時々護衛という形で剣や槍を持つ程度・・・ということを目的地に着くまでラーラさんが説明してくれた。
まあわかってはいたけど、再確認させられると、なんだかいろいろと厳しいな。てか、冒険してないじゃん。なんで冒険者って名前なのか気になる。万事屋の間違いだと思う。
「冒険者ってのは、昔は本当にどこかの洞窟や迷宮といった場所に足を踏み入れていたからついてる名前らしいんだけどね。今は魔物が多くなったせいでまともに冒険もできないんだよ」
なるほど、そういう過去ストーリーをPWKのチャットルームとかで書き込まれているのを見たことがある気がするな。
昔は魔物はほとんどおらず、出くわしたら噂として話題に上がるほどだったとか。
あれ?てことは、この冒険者や住民のLEVが低い状況はゲーム通りなのかもしれない。
ゲームがリリースされる前の世界ということなのだろうし。
目的地に着くと、雑草が生い茂る民家で、60代くらいのおばあさんが住んでいた。家の扉を開けて僕らを待っていたようだ。
事前にラーラさんに聞いた話だと、おばあさんの息子さんが出稼ぎで稼いだお金を仕送りしてくれるらしい。年金システムがないのだから仕方ないか。
「悪いわねぇ。たまには掃除しようと思ったんだけど、腰を悪くしてしまって。冒険者さんに頼んでみようと思ってねぇ」
「ご利用ありがとうございます。ではささっとやらせてもらいます!」
「よろしくねぇ」
おばあさんに、にかっと男らしく笑うと鎌を手に取りいくつか刈って見せてくれた。
「こんな風にやるんだ。いくつかやるから、そのあとはロキ、やってくれるかい?」
「わかった」
「よし、あたしは別の仕事に行くから、戻ってくるまでこの家で待っててくれ」
にかっと笑うとすぐに鎌を渡して、頭を撫でて家から出て行ってしまった。
「なるほど、たしかに、これならいろんな仕事ができるわけだ」
でもってどのくらい報酬を分けてくれるかにもよるけど、収入増にもつながることだろう。
「私も手伝おうかしら~?」
「いやいいよ。鎌1つしかないしね?おばあさんの腰のマッサージとか、おしゃべりとかしてあげて」
「わかったわ~そうするわね~ロキちゃんのお仕事の邪魔はしないわ~」
綺麗に微笑むとハートさんはおばあさんの元へと歩いて行った。そして、すぐに意気投合したようで、笑い声が飛び交いはじめた。
さてと、僕もちゃちゃっと仕事終わらせますか!
こうして僕のなんちゃって冒険者こと、冒険者『見習い』としての仕事が始まった。