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おそらくこの場所が何かを一番詳しく知っている人には従っておいた方がいいよな?
椅子に腰をおろすと同時にテーブルの上にティーカップが現れた。
「落ち着くためにもこちらを飲んでください。あぁ…安心してくださいよ。ただのお茶です」
粗茶ですが…と小声で聞こえてきたが気にするのは辞めておこう。
「さて、なぜ死んだはずなのにこんなところに?とお思いでしょう?簡単にもうしますと。理由はわかりません。まぁ、そんな微妙な顔をなさらないでください。憶測ですが話を進めますね?」
どうやら。
本来死ぬと輪廻転生の輪に入るらしいのだが、理由無く弾かれてしまい。
この『狭間』に放置されていたらしい。
俺が叫んだときに揺らぎを感じてやってきたのがこの人?らしいのだ。
「まぁ、私の事は天使だの神だの案内人など様々な呼び名がありますので気にしないでください。」
「え?神様……?」
「そうですよ?あなた方が言う神でもありますよ。まぁ、そんなことは置いておきましょう?それよりこれからあなたはどうしたいですか?」
どうしたいと言われても何がなんだか分からず困惑してしまい思わずしかめっ面をしてしまった。
「あ、そのまま輪廻転生しますか?それとも記憶をそのままに別世界に転生しますか?という事です。こちらとしては後者の方が楽なのでおすすめしますけど」
「え?普通そのまま輪廻転生した方がいいんじゃないんですか?」
「ふふふ。今さら敬語なんて面白いですね。」
そう言ってコロコロ笑いながら理由を説明された。
まとめると、理由も分からず弾かれた魂を輪廻転生の輪に戻すのは俺としては問題ないのだが、そのあとの処理をする関係者の仕事が増えるそうだ。
理由の明確化に再発防止対策、その他もろもろの仕事をするよりも別世界に飛ばしてしまえば後処理等はしなくていいらしい。
そのため、弾かれた魂が時たま別世界に行くことが多々あるとの事。
「そこまで言われたら別世界に行くしか選択肢がない気がするんですが…?」
「ですよね!そういうの待ってましたよ。それでは、向こうに行くにあたり条件を煮詰めませんか?そのまま行くとわざわざ転生する必要ないですし。少しはサービスさせていただきますよ」
そういって笑う顔をみてひきつってしまうのはしょうがないと思うんだ。
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転生するにあたり決められた条件は以下になった。
・貧乏で出来ないという事がないように貴族に転生
・5歳までは死ににくくなる
・才能はある程度ある
・自由に過ごせるように次男か三男として生まれる
「え?これだけで良いんですか?もっと、俺すげぇってやつをするもんだと思ってました。」
「だって、今までの生活考えてみてくださいよ…平穏無事に過ごしたいって思いますよ。」
「まぁ、そんなに言うなら止めませんが。ではそろそろ行きますか?向こうでは健やかに過ごせますように祈らせて貰いますね」
神様が手をあわせると光が出てきて俺の方に飛んできて中に入っていった。
すると、全身が光始め意識が遠退いていった。
いきなりかよ……