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やってきました、夏休み。
平日の昼間から浩介さんとイチャイチャできるなんて最高です。
ただ、宿題とかは計画的に済ませないと後で大変なことになります。私は昼間に浩介さん成分をたくさん補給して夜頑張りました。
浩介さんもやってくれていると思っていましたが、そんなことがあるはずもなく、夏休みの終盤になって、私と優希さんに泣きついてきました。
そんな浩介さんですが、私の事はすごく大事にしてくれます。
外に遊びに行った時も、色んな場面でさりげなく私を気遣ってくれたりします。最初の頃は恥ずかしくて照れていたみたいですが、今は頼りになります。
プールでナンパされた時も助けてくれました。
ふふふ……カッコいいですよ浩介さん。
でも二人っきりで浩介さんの部屋にいるときなどは、浩介さんにカッコよさはありません。
先ほど一戦交えて、現在は浩介さんの回復待ちです。
私は浩介さんが持ってきてくれたアイスを食べています。先ほど同じくらいの大きさのモノを食べましたが、これはこれでひんやりして美味しいです。
浩介さんは食後のデザートを食べています。
浩介さんは普段の食事は食べ方が綺麗ではありませんが、今食べているものは非常に丁寧に綺麗に食べます。隅から隅まで時間をかけてじっくりと。
あ、いいこと思いつきました。この上に盛り付ければ綺麗に食べてもらえるのでしょうか?
機会があれば一度試してみましょう。どうやって盛り付けるかを考えないといけませんが、浩介さんには内緒でサプライズ企画としてやってみたいですね。美味しいかどうかはやってみないとわかりませんし。
「浩介さん、さっきから夢中で食べてますね。そんなに美味しいんですか?」
「ああ……最高だぜ……もっといいか?」
「はい、どうぞ。んっ……こっちもしっかり食べてくださいね。こぼしたりしたら怒りますよ?」
「大丈夫。そんな勿体ない事はしないぜ」
私はアイスをペロペロ舐めながら観察しています。
こういう状態の浩介さんは可愛いんですよね~。いつまでも見ていられます。
何となく気分がいいので、少しご褒美をあげることにしました。
「浩介さん、仰向けになってもらえますか? 私が食べさせてあげます」
何かを期待しているような顔をしていますが、たまにはいいでしょう。
「ほら、あ~んですよ……あっ……鼻に少しついちゃいましたね」
「ナツ……もっと……もっとくれないか?」
物欲しそうに見つめてくる浩介さんは、私の別のスイッチをオンにさせようとします。なんかゾクゾクしますね。仕方ないので今度はたっぷり味わってもらうことにしましょう。
「いいですよ……ふふっ……可愛い……」
浩介さんの口元に大好物をもっていきます。
「んっ……もうトロトロになってますから、こぼさないように食べてくださいね。美味しいですか?」
「んん……ああ……そっちの豆もほしい……その、ク……なんとかってやつ」
「んふふ……仕方ないですね……しっかり味わってください。ちなみにこれは豆ではありませんからね」
と言っても、素直に食べさせてあげるわけもなく、浩介さんの舌がギリギリ届くくらいの距離で焦らしてあげます。しばらくすると、浩介さんが泣きそうな表情になってきました。
「浩介さんのその顔……たまらないです……あっ、ああっ……」
油断したら、浩介さんの舌に捕らえられてしまいました。ちょっと近付けすぎましたね。
「一つしかなかったのに食べられてしまいました……む~、こうなったら、このトロトロになった部分を一気に食べてもらいます」
浩介さんがむせ返るくらい一気に食べさせてあげました。最初はジュルジュル調子よかったですが、途中から厳しくなってきたようです。口の周りがびちゃびちゃになってしまいました。
浩介さんは嬉しそうです。
あら? そしてよく見ると、浩介さんの充填が完了しています。
「浩介さん、今ので興奮したんですか? もしかしなくても変態さんですか?」
「い、いや……これは、その……」
「このアイスが原因ですか? それなら、そちらもこんな風にしてあげましょうか?」
そう言って、結構小さくなってきていたアイスをくわえて、真ん中くらいで噛みちぎりました。
「うおぅ……」
「あら、シュンとなっちゃいましたね。残念です」
「いや、それは想像したら怖すぎるって……」
「そうですか? で、杏仁豆腐とクコの実をあんな風に食べる浩介さんは、見ていて楽しいのですが……そんなに好きなのですか?」
「ああ、そうなんだよ……子供の時からかな……」
「そうなんですね……覚えておきます……ところで、今みたいに私も食べてくれますか? それとも、食べさせてあげた方がいいですか?」
「……めっちゃ悩む…………どっちもしてみたい……」
「ふぅ……正直ですね……じゃあ、先に食べてください。綺麗に食べてくれないと続きはありませんからね」
夏休みはこんな感じで過ぎていきました。
友達からも彼氏ができた――とか、やっちゃった――とか、色々聞きましたが、私達のほうが濃い日々を過ごしていた自信はあります。
これからもずっと一緒ですよ、浩介さん。