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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
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闇夜の使者(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 突きつけられた銃口や切っ先。死の恐怖からしがみついてくる親友。それを目の当たりにした龍は初めて命の危機を感じ、


(嘘だ。こんなの嘘だ! なんでこんな所で死ななくちゃいけないんだ!? 嫌だ……死ぬなんて)


「死ぬなんて、嫌だー!」

 と、魂の叫びを上げた。


 その時だった。龍の叫びに呼応して左目に龍の紋章が浮かび、髪の毛が青色に染まった。

 初めての変化を目撃したブラック・ナイトのメンバーは一斉にたじろいだ。それは現象としての異常性もあるだろうが、彼らには別の理由があった。


「あなた達が悪いのに、僕らを殺そうとするなんておかしいです! お願いですから、僕らの前から消えて下さいっ!」

 龍は必死にそう怒鳴り散らすと同時に、殺気を鴉達に放った。

 殺気をまともにくらい、自身が殺されるビジョンを垣間見た鴉と影は戦意喪失し、尻尾を巻いて逃げ帰っていった。


 彼らがいなくなり危機が去ると、龍は徐々に落ち着きを取り戻し、元の姿に戻っていった。


「未来さん。大丈夫?」


「あ、あぁ、うん。平気。私より龍君の方が……」

 友の変貌に動揺する未来はそう聞いたが、龍には何のことだかわからなかった。

 無理もない。カーブミラーも無く、現在のように髪が逆立っていなかった中途半端なあの姿では、特異体質に気付かないのも頷ける。


「それより、未来さん。さっき鴉って人が『データ』って言ってたけど、もしかして、君が狙われたのと関係してる?」

 襲われた理由に感づいた龍にそう聞かれた未来は、隠し通せないと観念し、小さく頷いた。


「なら、それを僕に教えて。僕は君の力になりたいんだ」

 彼の頼みを聞いた未来は悩んだ。できれば巻き込みたくないと思っていたから。

 だが、彼女は彼は信頼できると最終的に判断し、全てを明かすことを決意して、外部への漏洩の可能性が少ない自宅に龍を連れて行った。

 龍はこの時、覚醒の片鱗を見せましたが、自身にそんな体質があったと知るのはまだまだ先です。

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