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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
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過去の記憶(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 30分後。龍達の必死の説得で雲雀と澪のいがみ合いが終わり、食事にありつけた翔馬を含め、全員の食事も終わった。


 龍達は食後の一服をしながら、和やかに他愛もない話をしていたのだが、その途中で翔馬は、ふと、ある疑問を抱いた。


「ん? そういえば龍。お前って、何きっかけで殺し屋になったんだ」


 翔馬の疑問はもっともだった。龍以外のメンバーの殺し屋になったいきさつは全員知ってるが、龍だけは7歳で親に捨てられたということしか判明しておらず、最初の武器であるロープカッターなんて特殊な武器をどこで入手し、それを使いこなす技術をどこで身に着けたかも謎だった。


 ただ、それを聞き出そうにも、知ってのとおり龍はその頃の記憶を失っている。

 おそらく本人の感覚からいって8歳頃に衝撃的なきっかけがあり、今のようになったのだろうが、そこだけぽっかりと穴が開いたように欠落しているのだ。


「お前もペガサスと一緒で、記憶の欠けた奴ってことか」


「どうだろう? 単に忘れてるだけかもしれないし……ちょっと待ってて。何とか思い出してみる」

 そう言って龍は、絞り出すように8歳頃の記憶を思い出そうとした。


 すると、1()()()()()の顔が頭に浮かんだのを皮切りに、走馬灯のように次々と記憶が蘇った。


 全てを思い出した瞬間。龍は突然、青龍になり、生気を失ったような虚ろな目をして、


「殺さなきゃ。()()()()しなきゃ」

 という一文を何度も呟いた。


「せ、先輩?」


「あかん。こいつ、目ぇ死んどる」


「おい、武文。これって……」

 翔馬が不安に思いながら同意を求めると、武文は頷いた。


「これは、かなりマズいね」

 直後、武文の予感は見事に的中した。

 青龍は獣じみた咆哮を上げたあと、超人的な身体能力で紫乃に飛びかかり、ギリギリかわした彼女の二の腕を片手で握りつぶした。

 激痛で紫乃はうずくまるが、暴走した青龍は容赦など無く、彼女の首に手を伸ばした。

 いきなり青龍が暴走しましたが、その理由は追々わかると思います。

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