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死獣神~誕の書~  作者: 天馬光
12/23

初めての殺人(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の始まりの物語。

 だが、黒龍は全く気にせず、彼女を脅した。


「自分の立場がわかっていないようだな。お嬢ちゃんは、俺の言うことを聞くしかないんだ。さもなければ、あの少年の前で屍を晒すことになる」


「龍君は関係ありません」


「関係無くはない。彼はすでに当事者だし、俺と同じ紋章使いだ。あれを発動するには精神高揚が必要でな。少年の全力を見るために君には人質になってもらう」

 力量見たさに龍の怒りを煽る黒龍のやり方に、未来は嫌悪感を抱いたが、巻き込んだ自分に責める権利は無いと沈黙した。


 そんな2人の元に1人の隊員が、伝令係の蝙蝠(こうもり)から、龍が接近中という報告があったことを知らせにきた。


「ようやく来たか。ならば、こちらも準備をしないとな。(さそり)、手伝ってくれ」

 蠍は元気よく返事すると、体育倉庫に隠していた黒龍の武器を持ってきた。

 その様子を見ていた未来は、自分と同い年くらいの隊員がいることに驚いた。


「あの、黒龍さん。()()はいいんですか?」


「あぁ。素人の子供相手に使うこともないだろう。それより、蠍。お前は帰れ。本拠地で(やみ)が待ってるぞ」


「え……でも……」

 帰りたくない蠍がぐずりだすと、黒龍は呆れてため息をつき、観察目的で残ることを許可した。

 憧れの司令の戦いを間近で見れると大喜びする蠍を見た黒龍は、


(全く。親より俺を選ぶとは……嬉しい限りだが、親不孝者だな)

 と、思い、未来に研究データを出すよう脅迫した。

 脅された未来は頑なに断りながらも、ここに来るであろう龍の身を案じた。



 親友からそう思われている龍はその頃、普段の通学路である坂道をひたすら登っていた。

 だがそこには、蝙蝠からの通信を受けた影達が、盛大な歓迎をしようと、道を塞いでいた。


「どいて下さい! 僕は行かなきゃいけないんです!」


「断る。どうしても通りたければ、我々を踏み越えていけ」

 そう言うと影達は、得物を手に一斉に攻撃をしかけてきた。

 彼らの妨害を煩わしく思った龍は、


「いいから……どいてよ!」

 と、言って、高々とジャンプして影部隊を踏みつけ、彼らの背後に着地した。


「文字通り踏み越えましたよ。文句無いですよね? それじゃ」

 龍はそう言うと、全速力でその場をあとにし、中四条小学校の正門を通過した。


 彼のスピードや跳躍力に突破された影達は唖然としていたが、その表情にはまだ余裕があった。

 ナンバー2の鴉と龍と同じ紋章使いの黒龍がいたからである。

 蝙蝠に蠍に闇と名のある構成員が数々登場しました。彼らの存在は今後も重要な役目を果たします。

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