082 放浪編22 奇襲
遅れました。すみません。
敵艦隊は突入タイミングを合わせて全艦突入して来た。
これは亜空間で準備をして突入して来たということで、行動に知性が介在している。
野良の宇宙艦の場合は、人を襲うという本能が行動原理にあるため、このような突入の仕方はしないと愛さんに教わった。
「これはプリンスか伯爵か帝国の勢力だな。こちらの情報が漏れてるわけか……」
真・帝国が合流すれば戦力を逆転される、その直前だというタイミング。
僕が単艦で出撃しているという格好の機会。
内部情報が駄々漏れしていなければ、この二つの偶然は成立しない。
僕は専用艦に回避行動をとらせながら独り言ちた。
僕は戦術兵器統合制御システムでマルチロックオンをかける。
3門の長砲身5cmレールガンを連射して、次々に敵艦へ侵食弾を撃ち込み支配していく。
敵艦の数が多すぎて集中攻撃を受ける。
敵艦がレールガンを撃つ。僕は専用艦を紙一重で避ける。その先には混戦中の敵艦がいて同士討ちとなる。
わざと敵艦の間に入って同士討ちを誘ったのだ。
敵艦のビームが降り注ぐ。ビームキャンセラーで弾くが、いつまでも持つとは限らない。
そろそろ侵食弾も底をつく。真・帝国軍を無力化するために使いすぎたせいだ。
「ああ、これは僕が単艦で出てくるって知ってたな。ならばこれだ!」
僕は次元格納庫から鹵獲巡洋艦を取り出し盾兼戦力とする。
外部兵装も起動したフル装備で迎撃するも圧倒的に手が足りない。
逆に敵艦隊は味方が集中しすぎて後方の艦ほど手が出せなくなっている。
そこに勝機を見出すしかなさそうだ。
飽和攻撃で撃ち込まれたミサイルを長砲身5cmレールガンの通常弾を速射し撃ち落とし続ける。
小口径の速射力、ほんとうに役に立つ。
防衛を担う鹵獲巡洋艦が善戦むなしく敵艦の攻撃で沈んでいく。
次々に盾役が減っていく。
そこで僕は気付く。侵食弾で無力化した敵艦も使えばいいんだと。
「提督コマンド。最上位命令。ナーブクラック発動! 全艦絶対服従!」
侵食弾で無力化していた敵艦をナーブクラックで服従させる。総数300艦ほど。
服従支配下に入った敵艦を戦術兵器統合制御システムでデータリンクし操る。
僕を中心に輪形陣を組み、敵旗艦艦隊と思われる中央の艦隊へ総攻撃にうつる。
「目標、敵旗艦! ミサイル防衛は鹵獲艦に任せる!」
敵艦隊は全戦力を総突入させるため、次元跳躍門全面に艦を配置し突入して来た。
しかし次元跳躍門の性質上、出現する面はランダムに分散してしまう。
そのため敵旗艦艦隊は集結に手間取っていた。その数400艦強。
僕が単艦だと高を括っていた目の前に、鹵獲支配された300艦の艦隊が出現してしまった。
なぶり殺しのはずが、互角に近い戦力が目の前に突然出現したに等しい。
僕は敵旗艦と思われる大型艦に長砲身40cmレールガンから30cm粒子ビーム砲まで集中して撃ち込んだ。
護衛艦が盾になり沈んでいく。
僕はGバレットと跳躍弾も撃ち込んでいく。
Gバレットが数艦の敵艦をぶち抜いて敵旗艦に当たる。
護衛艦の盾を飛び越え跳躍弾も当たる。
その時、後方から来援したアノイ要塞全戦力の3000艦から、周辺に展開していた敵勢力の主力艦隊に向け長距離射撃が発射される。
一気に形勢が逆転する。
僕は敵旗艦にトドメを刺すべくGバレットを連射する。
護衛艦をぶち抜き、盾を破壊し、停滞フィールドを超高速で抜けてGバレットが当たる。
残骸となり浮遊する敵旗艦に更にGバレットが当たる。
敵旗艦はついに爆散した。
撤退にうつる敵艦隊を小領地混成軍1000艦が追撃掃討する。
カプリース領軍とグラウル領軍は僕の護衛に着く。
僕は跳躍弾で敵分隊指揮艦と思われる大型艦を行動不能にしていく。
「さて、誰か逃げ遅れた搭乗者がいるかな?」
プリンスかギルバート伯爵か。艦数的には伯爵っぽいけど黒幕まで繋がる捕虜がいるといいな。
敵艦隊の撤退で戦闘は終了した。
僕はナーブクラックで支配した鹵獲艦300艦をサクっと次元格納庫に入れた。
この中に搭乗者はいるのか? リストをサーチする。
「いた。鹵獲だと逃げられないのかもね」
それは重巡洋艦クラスの艦だった。
さて吐いてもらおうか。
次回より諸事情につき週1連載に変更しようと思います。
次回は5月28日月曜0:00の予定です。
そして058より改稿加筆作業に入ります。
連載を楽しみにして下さっていた皆様、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
真・皇帝派を真・帝国に統一しました。




